神 州 纐 纈 城
第一回
一
土屋庄三郎は邸を出てブラブラ町を彷徨った。
高坂邸、馬場邸、真田邸の前を通り、鍛冶小路の方へ歩いて行く。時は朧ろの春の夜でもう時刻が遅かったので邸々は寂しかったが、「春の夜の艶かしき、そこはかとなく匂ひこぼれ、人気なけれど賑かに思はれ」で、陰気のところなどは少しも無い。
「花を見るにはどっちがよかろう、伝奏屋敷か山県邸か。」 鍛冶小路の辻まで来ると庄三郎は足を止めたが「いっそ神明の宮社がよかろう。」
こう呟くと南へ折れ、曾根の邸の裾を廻わった。
併し、実際はどこへ行こうとも又どこへ行かずとも、花はいくらでも見られるのであった。月に向って夢見るような大輪の白い木蘭の花は小山田邸の塀越しに咲き下を通る人へ旬をおくり、夜眼にも黄色いれんぎょうの花や雪のように白い梨の花は諸角邸の築地の周囲を靄のようにぼかしている。桜の花に至っては、信玄公が好まれるだけに、躑躅ケ崎の御館を巡り左右前後に延びているこの甲府の至る所に爛漫と咲いているのであったが、わけても御館の中庭と伝奏屋敷と山県邸と神明の社地とに多かった。「花を踏んで等しく惜しむ少年の春。燈に反いて共に憐れむ深夜の月。…ああ夜桜はよいものだ」
小声で朗詠を吟じながら、境内まで来た庄三郎は、静かに社殿の前へ行き、合掌してぬかずいたが、「御館の隆盛、身の安泰、武運長久、文運長久。」 こう祈って顔を上げて見ると、社殿の縁先狐格子の前に一人の老人が腰かけていた。朧ろ朧ろの月の光も家根に遮られてそこ迄は届かず、婆娑として暗いその辺を淡紅色に仄かせて何やら老人は持っているらしい。
大方参詣の人でもあろう。―こう思って気にも止めず、庄三郎は足を返えした。
と、うしろから呼ぶものがある。
「もし、お若いお侍様、どうぞちょっとお待ち下さいまし。」―それは嗄れた声である。
で、庄三郎は振り返った。
山袴を穿き、袖無を着、短い刀を腰に帯び、畳んだ烏帽子を額に載せ、輝くばかりに美しい深紅の布を肩に掛けた、背いの高い老人が庄三郎の眼前に立っている。
「老人、何か用事かな?」
庄三郎は訊いて見た。
「布(きぬ)をお買い下さいまし。」
おずおずとして老人は云う。
「おお、お前は布売か。いかさま紅い布を持って居るの。」
「よい布でございます。どうぞお買い下さいまし。」
「よい布か悪い布か、そういうことは俺には解らぬ。」 庄三郎は微笑したが「俺はこれでも男だからな。」
「お案じなさるには及びませぬ。布は上等でございます。」老人はしっこく繰り返えす。
「そうか、それではそういうことにしよう、よろしい布は上等だ。しかし、俺には用は無いよ。」
云いすてて庄三郎は歩き出した。
しかし布売の老人は、そのまま断念しょうとはせず、行手へ廻わってまた云うのであった。
「布をお買い下さいまし。」
「見せろ!」
と庄三郎は我折れたように、とうとうこう云って手を出した。
「成程。むうう。よい色だな。」
渡された布を月影に隙かしつくづくと眺めた庄三郎は思わず感嘆したのであった。
「はいよい色でございます。そこがその布の値打の所で…」さもこそとばかりに老人は云った。
「若い女子の喜びそうな色だ。なんと老人そうでは無いかな。」
「はい左様でございます。」
「ここら辺にはお邸も多い。若い女子も沢山居る。お邸方の奥向へ参って若い姫達のお目にかけたら喜んで飛び付いて参ろうぞ。」
「今日も昨日も一昨日も、もうかれこれ十日余も、お邸方へ参上致し、さまざまご贔屓にあずかりましたが、この布ばかりは買っていただけず、一巻きだけ残りましてございます。」
「どなたの好みにも合わないと見えるな」
「皆様、恐わらしいと申されます。」
「なに恐らしい?」と不思議そうに「はて何が恐いのか?」
「そのお色気でございます。」
「色気と云っても、紅いだけではないか。」
「人間の血で染めたような、燃え立つばかりの紅い色が、恐らしいそうでございます。」
「アッハッハッハッ、馬鹿な事を。さすがは女子、臆病なものだな。」
もう一度布を差し上げて、月の光に照らして見たが、庄三郎は思わず身顫いをした。
二
と、布売の老人は有るか無しかに嘲笑ったが、
「お侍様、あなた迄が…」
「何!」
と庄三郎は振り返える。
「顫えでおいでなされます。」
「たわけた事を!」
と一喝したが 「これ、この価なんぼうじゃ?」
「太鼓判一枚でございます。」
「それ持ってけ!」と抛り出した。チリンと鳴る金の音。屈んで拾う布売の姿があたかも大蜘蛛の這ったように、地面に影を描き出したが、さっと吹いて来た夜嵐に桜の花がサラサラと散り、その影をさえ埋めようとする。
×
こういうことのあったのは永禄元年のことであるが、この夜買った紅巾の崇りで、土屋庄三郎の身の上には幾多の波瀾が重畳した。
《屈辱的》Humiliating
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・・・縛り付けて・・・
・・・わたしの髪の毛で・・・腋を擽(くすぐ)らないで・・・
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・・・乳首を・・・無理やりくっつけ・・・
・・・舐めさせようとしないで・・・
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・・・偉そうに言ってすみません・・・
・・・つい熱くなっちゃいました・・・
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ヒポポタマス
【凄艶/凄婉】せい‐えん
[形動][文][ナリ]ぞっとするほど艶(なまめ)かしいさま。
繊細な陰影が剥き出しにされ、
目も眩むような羞恥の吐息と泣き声が響いた...とさ...
豆絞りの手拭いで、唇を割っての猿轡に、美貌は歪(ゆが)められ..
白い長襦袢の裾をめくり、赤い腰巻を露(あら)わにして凄艶片足吊りの宙に浮いた足に麻縄を巻いて吊り上げると、堪(たま)りかねるように眉を顰(ひそ)めながら、呻(うめ)き声を上げたとさ...
豊満な乳房を激しく棒で弄(なぶ)り回すと、吊られた体が重く揺れ、ぎしぎしと麻縄が鳴り、立ち縛りのまま腰巻を大きく捲(まく)り上げられて、白布で恥ずかしい禅を掛けられ..........たとさ...
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五月バカ
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冗談じゃないヨ! こんな記事じゃオナニーしてるのと同じだヨ! このラモス瑠偉はカヒツシュッセしてくれる協力者求めてるヨ! でも、ガム噛みながらやっちゃダメだヨ!


