202406-086:太鼓持ちの効能 | 団塊世代の"愚考にため息"

団塊世代の"愚考にため息"

ふと思い出す過去の出来事と後悔。次々と、浮かんでは消えていく愚考を書きとめていけば、いつかはネタ切れになるはず。きっとその後は、良き日々の思い出だけが浮かんでくるにちがいない。


ITバブルの頃 上場を目前にしたソフトウェア会社の話です
ふたりの取締役がいました
ひとりは工業高校卒でSEから取締役の出世しました
もう一人は東大とスタンフォード卒業の高学歴でヘッドハンティングで取締役に就任しました
工業高校卒のほうは優秀な太鼓持ちで社長からの呼び出しには一オクターブ声をあげて応えます もちろん返事はすべて御意です
東大卒の方は正直にある時は苦言を述べ異議を唱えます

ボスは嘘でもいいお世辞でも聞いていて気休めになる太鼓持ちをそばにおきます 忠告される内容はボスも感じていて実はそう思いたくないと思っています
故に気休めになる方をボスは好みます 気を休めて永気を養って日々重要稟議の決裁をします 太鼓持ちは社長室のなかで生き残ります ただし公開企業を目指していますので平取が上限です

この会社のオーナーのところにはいろいろな儲け話が持ち込まれます オーナーの判断基準は明快です 気持ちよく騙してくれる提案に乗ります もちろん事業存続が危うくなるような重大案件とは別の話です