そのお客様はお店に入ってきた時から

ちょっと危ないなぁ〜、ヤバ目〜と思っていました。



私はその時メインレジ…



そのお客様は足元もおぼつかないお爺さんで

なんだか足元だけではなく全体的にお身体をうまく動かすことができないような…

そんなお客様でした。



私のレジでお飲み物などお買い上げしてお金を支払って

お店のカゴのまんま外に行き…

そんな不自由なお身体なのに

田舎というのはとかく不便なもので車に乗ろうとしてました。



う、運転できんの??びっくりびっくりびっくり

あぶないじゃんアセアセアセアセアセアセ



と、思っているとお爺さんはお店に舞い戻ってきて



お爺さん)ないんだけど…



と言うのです。



私)何がです?



丁度お店が混んでまして、レジ捌きしながらお爺さんのお話をお伺いします。



お爺さん)財布がないんじゃ〜えーん


私)え?え?ここにはお財布の落とし物も何もありませんよ?お車にでもあるんじゃないんですか?



お客様が滞ってましたのでレジをしながらお爺さんをなだめて、それからある程度お客様をさばき終わったら

レジ周りやカゴの中を探しました。



私)申し訳ないけど、ここにはないようですよ?ポケットとかお車の隙間にないですかね?



なんて言って

お爺さんは車とお店を何回も往復して




ない、ない!

財布がない!



の一点張りタラータラータラー



こういうの

一番辛い



途中で何も知らないで来られるお客様に

疑いの目でみられはしないか?とか

あのパートさん、不親切に対応してないか?なんて思われないか??



なんて思ってしまう…もやもや



だから、お客様のレジをしながら

思いつくところを探しに探していたの

どこかにあるんじゃないかって



そうこうしてると



またレジにお客様が並ばれたので



私)おまたせしました〜、いらっしゃいませ〜



と行ってみると…



お客様)きゃぁ〜、これなに??



って、お客様ビックリした声を出します。

見ると、お客様がカートに乗せたカゴを取ってみると、その下に黒い財布が!びっくりびっくりびっくり



私)あ、あ、それはもしかして💡(°▽°)🌟ピカーン

あのお客様、驚いてしまいましたよね?

少しお時間いいですか?実はお財布をずっと探していた方がいて〜


お客様)まぁ、そのお財布?だったら、その方いらっしゃるの?早く行ってあげて!



ということで

駐車場を探し回っていたお爺さんに



私)お客様〜、こちらですか?こちらですよね?

(お会計のとき見たので大体わかってる)

お財布、ありましたよ、今、届いたんです〜


お爺さん)おお、これだ、これだ!間違いない!


私)では、わたし、お客様待たせてますので

これで失礼します〜



と言ってお店に戻っていきました。

お待たせしたお客様



お客様)私もあわてんぼうだから、もっと早く気がつけばよかったわよね?



と、おっしゃるので



私)いえいえ、そんなことありませんよ。色んなことが重なってこういうこともあるんですよ!



と言うと、後ろのお客様が



後ろお客様)そうだ、そうだ!とにかく見つかったし良かったよねウインク



と言ってくださり

そのお話をしているときにお爺さんがまたご来店して



お爺さん)ホントにありがとね!

お礼言います!お世話になりました〜



と、深々とお礼をするのです。



後ろのお客様)じいちゃん、よがったね!ダメだよ、財布なくしたら〜



なんて、後ろの明るいおばさんのお客様がお話すると

お店の中に笑い声が響きました。



なんか



めっちゃホッコリしました。




昨日もお財布の忘れ物があって

高齢者の多い土地柄

色んな落とし物があるので

その都度お客様をよく見て、レジの後忘れ物のないように気を配っているんですけど

今日のはホントに

財布があのまんま見つからなかったらと思うと

とても切なかった…



知らず知らず持って歩いていたお客様も良い方で

私が悪かったのよ〜とずっとお話してましたし

周りのお客様も明るく



そんなことは誰だってあるよ!ねっ!



って方ばかりでホントに良かったですおねがい



正直

土曜日なのでレジもそうだし

色んな問い合わせがあって忙しかったけど

だからこそ

ホッコリさせてもらった…そんな感じです。



お爺さんがお礼を言いに来てくれたことも嬉しかったし

やっぱり接客ってこういうことがあるから

やめられないんだなって思いました。




仏頂面のお客様を笑顔にさせてご覧




私はいつまでも先生の教えを守っていきます。

これからも

ずっと、ずっと…