【斑鳩・法輪寺】十一面観音菩薩様に会いに② | あおによしならはそらにみつ~神仏巡拝~

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『神は人の敬によりて威を増し、人は神の徳によりて運を添ふ』
この格言を日々実践するべく、たくさんの神社仏閣に参拝させていただいております。
そんな私、大和奈良の井志田和叶が、巡拝した神社仏閣の神様、仏様への感謝と崇敬の念を綴っていくブログです。

いつもありがとうございます。

大和奈良の井志田和叶です。
 
 
この日(日曜日)の朝、いつものように神社に巡拝する道すがら、奈良の名刹「薬師寺」の門前にて、朝の御挨拶をしました。
 
御本尊の薬師如来様の御真言を唱え、感謝を申し述べます…
 
 
すこしだけ時(とき)は流れ…
 
 
この日の午後、上の子と散髪に出かけ、自宅に帰る道すがら、奈良県斑鳩町の「法輪寺」から御声がかかった気がしました。
 
 
法輪寺には…
 
大好きな十一面観音菩薩様がいらっしゃるなぁ…
 
上の子と一緒に、御挨拶に伺うことにしました。
 
 
≪三五八≫
 
 
法輪寺は三重塔が印象的なお寺です。

別名「三井寺(みいでら)」とも呼ばれます。

 

前々から御挨拶に来たかったのですが、参拝は初めてです。

 

 
表門(南門)です。

 
法輪寺は、残念ながら創建当時の建物は現有していません。
 
しかしながら…
 
戦後に行われた発掘調査から、法隆寺式伽藍配置をとり、七堂伽藍を完備していたこと、7世紀の創建だったことがわかっています。
 
かつてはとても栄えた仏閣だったのですね。

 

 
シンプルな手水舎です。

ちょっとやらかしていました…
 
 
御由緒書きです。

 
推古天皇30年(622年)、父聖徳太子の病気平癒を願った山背大兄王によって建立されたと伝えられ、地名にちなんで三井寺(みいでら)とも呼ばれていました。
 
 
三重塔です。

 
法隆寺、法起寺とともに「斑鳩三塔」として、美しさを称讃された三重塔は、昭和19年(1944年)の落雷によって焼失してしまいましたが、昭和50年(1975年)に昔ながらの工法を用いて復元されました。

 

 
金堂です。

 
本来は、お寺の御本尊をお祀りするためのお堂で、法輪寺では三重塔、講堂とともに伽藍の中心となる建物です。
 
現在の金堂は、宝暦11年(1761年)に再建されました。
 
 
講堂です。
 
本来は、僧侶の方々が勉強するためのお堂です。
 
現在の講堂は、昭和35年(1960年)に耐火耐震の収蔵庫として改築されたものだそうです。
 
 
拝観料(大人500円、子供200円)をお納めして講堂内におじゃまします。
 
 

講堂には…

 

御本尊の薬師如来坐像(重要文化財)、

 

 

をはじめ…

 

 

講堂の御本尊の木造十一面観音菩薩立像(重要文化財)、

 

虚空蔵菩薩立像(重要文化財)、

 

木造弥勒菩薩立像(重要文化財指定名称は「聖観音立像」)、

 

木造地蔵菩薩立像(重要文化財)、

 

木造吉祥天立像(重要文化財)、

 

 

などなど…

 

飛鳥時代から平安時代に作られた仏像が、整然と並んで安置されています。

 

 

講堂内は撮影禁止でしたので、皆様に仏様たちの美しい御姿はご紹介できないのですが…

 

 

御本尊の薬師如来坐像は…

 

現存する木製の仏像としては最古のもので、薬壺を持たない珍しい御姿をしているのが特徴で、この時代に作られた仏像で現存しているものは数少なく貴重なのだそうです。

 

 

 講堂の御本尊である木造十一面観音菩薩立像は…

 

像高3.5メートルを超える巨像で、圧倒的な存在感でした。

 

 

それぞれの仏様の前に立ち、御真言を唱え(御真言が身についていない場合は、般若心経のサビの部分を唱え)、御挨拶していきます。

 

 

≪三五八≫

 

 

キレイに並んだ仏像の最後が吉祥天様でした。

 

 

すると…

 

吉祥天様の前で…

 

「妄想タイム」に突入…

 

 

吉祥天様

「ようこそいらっしゃいました。

これまで参拝せずとも、前の道をとおるときにヘタクソなユニークな般若心経や御真言を唱えてくださっているのを承知しておりますよ」

 

井志田

「吉祥天様、ありがとうございます。

十一面観音菩薩様に御挨拶に来たら、吉祥天様や薬師如来様もいらっしゃったので、よろこびが倍増です!」

 

吉祥天様

「ホホホ…

こちらにお招きしたのは、この私(吉祥天様)ですよ…」

 

井志田

「そうなのですか!?

ありがとうございます!

でも、吉祥天様に御縁をいただいていたとは…」

 

吉祥天様

「そなたが今朝ほど門前でヘタクソなユニークな般若心経や御真言を唱えた『薬師寺』でも、私は大切に祀ってもらっておりますのでね…

昨年の正月にそなた、私と会っておろう」

 

井志田

「そうでした!

お正月には国宝の『薬師寺吉祥天像』が安置されていましたね!

ありがとうございました」

 

吉祥天様

「薬師如来様も、そなたのことはよくご存じですよ。

ところで、そなた…

伽藍や仏像に見惚れるのはよいが、いろいろと礼を失しておるのに気づいておるか…」

 

井志田

「…!?

なにかございましたでしょうか…」

 

吉祥天様

「緊張して身が縮まっておるのは承知しています。

次回の参拝からでよい…

行いを改めなさい。

正しい行いは、まさしく『行』でありますよ。

 

…手水舎で身を清め、仏の前に立ちなさい。

…志でよいから、賽銭箱にお供えをしなさい。

…いい加減、私の御真言を覚えなさい。

 

以上です」

 

井志田

「あ、すっかり抜けておりました…

気をつけます…

ありがとうございました…(落胆)」

 

 

上の子に袖を引かれ、我に返りました。

 

 

スルーしてしまっていた、いくつかの賽銭箱にお賽銭をそっとお供えし講堂を出ようとすると、なぜか上の子はスタスタと仏像群の裏手へ…

 

 

そして、見あげると…

 

 

十一面観音菩薩様の、11面ある御顔の、後ろの1面と目が合いました。

 

あとで調べたところ「暴悪大笑面」と呼ばれているそうですが…

 

 

暴悪大笑面様

「吉祥天に叱られてしまいましたね。

大丈夫、愛情ゆえです。

我々は誤りに気づいて、それを改めることができる者たちを見捨てません。

いつも、そなたたちの近くにいます」

 

「怒り笑い」の御顔で、そうおっしゃってくださったような気がしました。

 

ありがとうございます…(合掌)。

 

 

そして…

 

上の子と講堂をでたところで、団体の参拝客をお見送りしている尼僧様が…

 

徳の高い、地位のある方とお見受けしました…

 

 

参拝客をお見送りした流れで、私たち親子にも…

 

「ようこそお参りくださいました…」

 

と、丁重に頭をさげてくださいました!

 

 

傍から見たら…

 

まるで…

 

私たち親子が、偉い尼僧様から見送られている構図!

 

 

仏様たちの御厚意を感じずにはいられません…(感涙)

 

 

ありがとうございます…(再度合掌)。

 

 

≪三五八≫

 
 
講堂を出まして、境内に戻りました。
 
 
時(とき)をつげる鐘もあります。

 
 

妙見堂です。

 

 
毎年4月15日には、秘仏である妙見菩薩立像の御開帳も行われます。
 
時(とき)の流れで衰微した法輪寺は、この「妙見信仰」で復活したそうで、とても大切にお祀りされています。

 

 
地藏堂です。

 

 
鎌倉時代末期の作と伝わる地蔵菩薩の石仏をお祀りしています。
 
毎年8月24日に、巨大な数珠を回す数珠繰りや、焚いた小豆を柿の葉にのせたものを地蔵尊にお供えする行事が行われます。

 

 
境内東側の様子です。

金堂が見えます。
 
 
≪三五八≫
 
 
こちらの法輪寺には、初めて参拝させていただきましたが、講堂では仏様たちに間近でお参りできますし、コンパクトな「ミニ法隆寺」ともいわれる境内はとてもお参りしやすいです。
 
 
そして…
 
今回、十一面観音菩薩様にお会いしに来てみましたら、期せずして吉祥天様や薬師如来様、ほかにもたくさんの仏様と御縁が繋がっていることがわかりました。
 
 
私、斑鳩の法輪寺が大好きになってしまいました!
 
 
これからも折をみて御挨拶にお伺いしようと思います。
もちろん、吉祥天様からのアドバイスを守りながら…
 
 
ありがとうございました。
では、また。
 
 
あおによし ならはそらにみつひのもとの
なんとまほらましきしまのこと