スマホロック解除!
よし
と思った途端に下の子の夜泣きの声。
もういちいちドギマギ
一旦落ち着こう。
子供を抱っこしながら考えた。
大丈夫か自分。
あのスマホの中を見たら、本当に後戻りできない。
この子達を一人で守って生きていけるのか。
何でこんなことになったのか。
小心者の私に、アイツと戦える術はあるのか。
昼間、探偵事務所について調べてみたけれど
やっぱり料金が高額すぎて私には払えない。
自分の力だけで証拠を集めなければならない。
そしてロック解除したこの古いスマホは
持ち出したのがバレる前に戻さなければ。
何かのきっかけでアイツが古いスマホを開くことがあったら、
ロックが解除されてることに気づいてしまう。
今夜、スマホの中の証拠を全て押さえなければ!!
躊躇しているヒマはない!
やっと寝付いた下の子を布団に寝かせ、
調査スタート!
アイツの古いスマホを手に取った。
LINEを開く。
トークの一番上は権田原✖️造という男性の名前。
仮の名前です
ん?
✖️造??
開くと…
おおぅビンゴ。トークの中では✖️子と呼んでいる!
出たな!✖️子!もはやチョメ子!
お前だな、家に上がり込んだのは!
トーク履歴の一番始めはトイレ詰まり事件があった頃だ。
あの時女の名前は全部削除させたから、
その後で当たり前のようにまた新しく登録したんだろう。
本当に、私のあのサレラリ期間を返してほしい。
調子の良い嘘ばかりつきやがって!!
その夜、LINEの画面を読み進めながら不貞の証拠となりそうな会話を写真に収め、
朝日が昇る頃にやっと全てを読み終えた。
スマホの電源を落とし、アイツの車の書類バッグに元通りに戻した。
その日から私は食事がまともにとれなくなり
眠れなくなった。