少年はとある店の前で足を止めました

店主は言います

この箱の中に入っている5つのボールの内3つある当たりのボールを見事引き当てれば参加費の倍の賞金を渡そう

少年は考えます

確率では当たりを引けるのは60%
当たりを引ければお金が倍になる
しめしめ、あの店主は数学もできないのか
絶対に客側が有利ではないか

少年は意気揚々と参加します

しかし、


引けども引けども

引けども引けども引けども

引けども引けども引けども引けども

当たりのボールは出てきません

少年が持っていたお金を全て失った時、

少年は気付きました



どんなボールが出てくれば当たりなのかも聞いていない
自分はただ店主がハズレのボールだと言うからハズレだと思っていた

いや、それ以前に


……

………




アノハコノナカニホントウニアタリノボールガアルノカスラワカッテイナイ…












相手がこうだと言う以上、自分にはそれを信じる事しかできません

まさか不正なんてあるわけがない

しかしあるかないかの確認はできない

信じて進むしかありません

でも…

それでも…








ちょっともう…駄目かもしれません…













一度目なら、今度こそはと私も思う。
避けられなかった惨劇に。

二度目なら、またもかと私は呆れる。
避けられなかった惨劇に。

三度目なら、呆れを超えて苦痛となる。
七度目を数えるとそろそろ喜劇となる。

Frederica Bernkastel