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はじかれ者中学生3人が『禁忌の石段』の謎を解くミステリー小説

ケ・ハレあらすじ

まずは、あらすじから読んでいただけると嬉しいです

 

①ケ・ハレ 序章(神の放物線)

学校内転落事故のゆくえ

②ケ・ハレ 第一章(禁忌の石段)

その石段、通るべからず

 

③ケ・ハレ 第二章(上の秘密)

石段の上の秘密

 

 

 

 

☟前回文末部分

 

 ようやく口を(つぐ)んだ老女は、(かた)()とし、ふうっと長い(いき)()く。

「まぁ結局、志乃さんにはいくらか(かね)(わた)して、息子と(えん)を切らせたんじゃろうねぇ。須藤さんとこの長男は、その後すぐに(ほか)から(よめ)(もろ)うたんよ」

 

☝ここまでが前回でした 

 

 

「じゃけど――」と、老女(ろうじょ)は何度も(うなず)きながら話を続ける。

未遠(みとお)(もん)は、(みな)知っちょるけぇねぇ。神子(みこ)(いえ)(むすめ)()んだ子供の父親は、須藤(すどう)さんとこの長男(ちょうなん)じゃって。もう()ろせん時期(じき)じゃったんかもしれんが、子供は()まれながらに(うし)(ゆび)をさされる存在(そんざい)で、可哀想(かわいそう)じゃああったかねぇ。まぁ――」

 一瞬(いっしゅん)躊躇(ためら)いを見せた老女は、(かめ)のように(くび)()()して続けた。

「今は当事者(とうじしゃ)が誰もおらんくなったから言えるけど、私が見た(うえ)の〝頭がおかしい女の子〟っちゅうのは、実は志乃(しの)さんの娘でね。あれも結局、母親と同じ、結婚もせず子供を産んで、しかも産後(さんご)しばらくして()うなってねぇ。まぁ、ここだけの話、どうも自殺(じさつ)じゃったらしいんやけどね。当時は(うえ)別世界(べつせかい)じゃったから、私らも(くわ)しいことは知らんのやけど。(のこ)された子供は志乃さんが面倒(めんどう)をみることになって。あの人は一人で二回、子供を(そだ)てたようなもんじゃったよ」

(まご)……」と、織田村(おだむら)(となり)(つぶや)く。と、いきなり(まえ)のめりになり、「男の子、ですか?」と老女に()う。

「いいやぁ、女の子じゃったよ」

 唐突(とうとつ)性別(せいべつ)()かれた老女は、目をぱちくりさせながら答えた。

「志乃さんに()器量(きりょう)は良かったけど、たしか高校も()めて、家を出て行ったんよ」

 

 

 

〜続く〜

 

 


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