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はじかれ者中学生3人が『禁忌の石段』の謎を解くミステリー小説

ケ・ハレあらすじ

まずは、あらすじから読んでいただけると嬉しいです

 

①ケ・ハレ 序章(神の放物線)

学校内転落事故のゆくえ

②ケ・ハレ 第一章(禁忌の石段)

その石段、通るべからず

 

 

「しかも、田舎(いなか)の人って、線引きされた(がわ)も、あまり(あらが)わないですよね。(うえ)の人たちも、(あきら)めて、()()れていたのか。でも、だから長い(あいだ)差別(さべつ)が続いたんだと思います」

織田村は、今年の春まで、東京で暮らしていた都会(とかい)っ子だ。田舎(いなか)独特(どくとく)雰囲気(ふんいき)には、思うところがあるのだろう。

 

 

(ここまでが前回)

 

 

「なかなか(まと)()見解(けんかい)じゃの」

 同時(どうじ)に、(むね)(こた)える言葉だった。だが、()()は、(しず)(おのれ)の気持ちからは目を(そむ)け、平静(へいせい)な声で続ける。

「たぶん、未遠(みとお)じゃあ、(うえ)に対する線引(せんび)きは、常識(じょうしき)なんじゃろ。じゃけぇ、(うえ)(つう)じる石段は、禁忌(きんき)になったのかもしれん」

 再び、()室内(しつない)物憂(ものう)沈黙(ちんもく)()ちる。

 雨音(あまおと)()ざって、運動部(うんどうぶ)威勢(いせい)()()(こえ)が聞こえて来た。体育館(たいいくかん)の中は、ずいぶんと(にぎ)わっているようだ。

(たた)りがある(ゆえ)の、禁忌(きんき)ではなかった、と?」

 織田村(おだむら)が、眉根(まゆね)()せて(いぶか)る。

「祟りは、人が作るものだ」と、矢儀は(こた)えた。

 織田村は、ますます(むずか)しい(かお)になる。

 矢儀は、しめたとばかりに、ほくそ()んだ。

「もっと、知りたくなったじゃろ?」と、(ひそ)かな勝利感(しょうりかん)()って織田村に()う。イエスの返答(へんとう)前提(ぜんてい)に、矢儀は、さっさと話を(すす)める。

「んじゃ、明日は臨時(りんじ)部活動(ぶかつどう)()にするけぇ。風邪(かぜ)()くなよ」

 織田村が、(くや)しそうに(くちびる)()む。が、反論(はんろん)はない。

 兼行は唖然(あぜん)と口を(はん)(びら)きにしたまま、()めた目をくれるだけだ。

 矢儀は、謎解(なぞと)きの興奮(こうふん)と、(おび)えに近い不安(ふあん)に、心が()()つ。

 どうやら、相当(そうとう)()動転(どうてん)しているらしい。

 気がつくと、矢儀は、雑巾(ぞうきん)でゴシゴシと(あたま)()いていた。

 

 


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本日も短くて、しかも投稿が遅くなってゴメンナサイあせる