初めての方はこちらもどうぞ→

 

 

 

 

表紙

 

 

また

間が開いてしまいましたが……あせる

再開します

 

途中からなので

良かったら

下記☟

”これまで”を

お読み頂けたら

嬉しいですニコニコ気づき

 

 

はじかれ者中学生3人が『禁忌の石段』の謎を解くミステリー小説

ケ・ハレあらすじ

まずは、あらすじから読んでいただけると嬉しいです

 

①ケ・ハレ 序章(神の放物線)

学校内転落事故のゆくえ

②ケ・ハレ 第一章(禁忌の石段)

その石段、通るべからず

 

 

 

「じゃけぇ、三人目には驚いたよの。わしらはてっきり、(うえ)のフジヨシさんが、落ちたと思うちょったからの」

 (みのる)は、いかにも驚いたとばかりに、(うす)(まゆ)()り上げる。

 どこか(ふく)みのある言い方に、()()はざらりとした嫌悪(けんお)を感じた。と、同時に、稔の口から出た個人名――”フジヨシさん”が気になる。

いきなりの名指(なざ)し。何か、根拠(こんきょ)があるのか。

 美紀(みき)が、(むつか)しい顔で相槌(あいづち)を打つ。

一応(いちおう)(うえ)のミコさんの証言(しょうげん)じゃあ、事故があった時、フジヨシさんは町に出ちょったらしいけぇねぇ」

一応(いちおう)、アリバイはあったらしいがの」

「アリバイ?」と、矢儀は思わず、鸚鵡返(おうむがえ)しに問うた。

途端(とたん)に、話は途切(とぎ)れる。

「……四年前の転落は、事故だったんですよね?」

矢儀は、双方(そうほう)に視線を向けた。

美紀が渋々(しぶしぶ)口を開く。

「まぁ、警察が事故で片付けたんじゃから、たぶん事故じゃったんよ。ほれに、(うわさ)じゃあ、亡くなった三人目の男性は、身体(からだ)具合(ぐあい)が悪かったらしいけぇ。じゃけぇ、石段から落ちたんじゃろうって――」

「上に行ったんが、(うん)のつきじゃったんじゃろ」

 稔は(かた)(ほお)()()げ、(いびつ)に笑った。

 (しら)けた沈黙(ちんもく)が流れる。

 訊( たず)ねたいことは山ほどあった。

 矢儀はできるだけ遠慮気味(えんりょぎみ)な口調で、しかし、ズバリと(たず)ねた。

「”(うえ)”とは……もしかして、石段の上ですか?」

 矢儀の推測(すいそく)は、当たりらしい。

「ま、まぁ、昔の話よね」と、美紀はいきなり早口(はやくち)になる。

「今はもう、上には誰も()んじょってないけぇ」

 相当(そうとう)に、動揺(どうよう)しているのか。首に掛けたタオルで、美紀はやたらと(かお)(まわ)りを()く。

 そもそもの言い出しっぺである稔は、我関(われかん)せずとばかりに、あらぬ方向を向いてしまった。

 矢儀は、狼狽(うろた)える二人をぼんやりと(なが)めながら、考えを(めぐ)らす。

 

 

 

 


(

 


フォローしてね…