13.超短編『サレ妻 朝起きたら夫の浮気相手になっていたので復讐を開始します!』
作者プロフィールです→★【サレ妻】朝起きたら夫の浮気相手になっていたので復讐を開始します!サレ妻 朝起きたら夫の浮気相手になっていたので復讐を開始します!【あらすじ】朝起きたら、夫の不倫相手になっていた?!夫も私を不倫相手だと思っている。これは復讐のチャンス!ただ”私”はどこにいるの?第13話 背中が怒っている。 五年も夫婦をやっていると、夫の感情は、手に取るようにわかった。 彩は、ひとつ大きく息を吐(つ)き、車のグローブボックスを探(さぐ)ってみた。 ビンゴだ。 幸い、牧田涼子も、大抵の車の使用者と同じように、書類一式をグローブボックスに入れていた。 そこから保険関係の書類を探し出し、電話を入れる。 当然だが、彩が牧田涼子として、牧田涼子の個人情報を話すのは、苦労した。 その後、やってきた警察には、牧田涼子の免許証を探してあたふたする姿を見られ、訝(いぶか)しげな目を向けられる。 風が冷たく感じる車外で、警察の流れ作業のような聴取を受ける頃には、彩はどっと疲れていた。 一体、なぜ、こんなことになったのか。 だいたい、これまで車で事故なんて、一度も起こしたことがないのに! 彩は、自身の所業(しょぎょう)を振り返って、まるで堂々(どうどう)巡(めぐ)りをしているみたいだと思った。 不機嫌な感情を出せば、不思議と自分がますます不機嫌になる。 夫を責めれば、なぜか自分が責められるような事を起こす。 もしかして、自分に起こることは、そもそも自分が作っているのだろうか。 とはいえ、何をしても、どうせ牧田涼子に返るのだから、いいのだけれど――…。〜続く〜←前ページへ次ページは明日更新↑最初のページへ