ベンゾジアゼピン減薬患者の衝撃な事実 | khyrzukiのブログ

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整形外科医師です。ベンゾジアゼピンなどの問題、日本の医療などをざっくりと語ります。

先日お話しした10代の女性患者についてお話しします。あの後、ベンゾジアゼピンを投薬し再服薬を指示しましたが、ずっと心に引っかかるものがありました。はたして正解だったのか。

3日ぐらいして直接電話しました。断薬からけっこう時間が経っていること、症状は筋肉痛だけなことから状態を聞いてあまり薬の効果が感じられなかったら服薬はすぐやめるよう指示するつもりでした。いろいろ考え抜いた決断でした。電話したら本人には繋がらず、母親と話すことができました。

容態を聞いても、娘とはあまり話しないので分からないとのこと。その時、母親が「実は先日お話ししてないことがありまして…。」とのこと。

話を聞くと、大分前から何年も睡眠薬や安定剤、向精神薬を多量に飲んでいて今も精神科にかかって内服していること、しかも内服も自分で調整してランダムに飲んだりしていること、ずっと寝れなくて座って寝ていること、筋肉痛だけでなくいろんな症状があること、そして最近まで離脱症状で入院していたことを告げられました。

ショックでした。内服や通院のことを隠したことや、今の症状を全部話してくれなかったことなど。信頼されてなかったのかな、まあ初めて会ったばかりから無理ないかもな…。せつないような悲しいような。とりあえず母親に、当院の内服はさせないよう言って後日来院するよう指示しました。数日後、母親だけが来院しました。娘さんの薬手帳を見て更に衝撃でした。

でるわでるわベンゾジアゼピン、抗うつ薬が数種類にわたり、しかも強力化のベンゾジアゼピンが頓服で二種類も処方されてました。そりゃ、体も悪くなるでしょう。

しかもその病院は県内でも有名な精神医療センターでしたからさらにショックでした。


(俺にはムリかな…。)心の中で糸が切れた感じがしました。自分の無力さを知りました。


まだ10代なのに、これからなのに、薬のバカヤロウ、精神科医のバカヤロウ、日本の医療のバカヤロウ、神様のバカヤロウ!。


心が痛い、医者なんかならなきゃよかったかな。

全部、何も知らないほうが幸せだったかな。