山口さん通信
今日の山口さん通信は、以前牧場のことを書いてくれた まーちゃん の友人の、のびたんが書いてくれました。
私は現在ブータンで青年海外協力隊員として活動しています。
ブータンはインドと中国(チベット)に挟まれた場所に位置し、国全体の大きさは九州よりやや小さい程度、国全体の人口は80万人ほどの小さな国です。主な宗教は仏教です。
私はここで、主に乳牛の飼育管理指導の仕事に関わっています。
震災時、私はブータンにいました。私の実家は宮城県岩沼市にあり、家族や沢山の友人達が県内に暮らしています。
このため、震災が起こってから数日は生きた心地がしない思いでした。
インターネットやテレビから得られる情報をみながら、何もできない自分に歯がゆい思いをしながら、ただ皆の無事を祈るばかりでした。
ブータンにおいても、日本での震災は大きなニュースでした。そして、日本の人達のために少しでも何かしたいという思いから、色々な活動が行われました。
国王、そして首相らが主催となってお寺でバターランプに火を点して、祈りを捧げるというのは、最初に行われたことでした。
その後、ブータン各地でも同様のお祈りが捧げられていました。
私の任地でもここの地域の方が主体となって祈祷会が開催され、私達在ブータン日本人も招かれました。
ブータンの方から、‘ブータンは日本に沢山お世話になっているのだから、何か少しでも自分たちに出来ることがしたい’と言っていただき、その温かい心に胸がうたれました。
その後も、コンサートなどによるチャリティーイベントが行われたり、学校からは日本の子ども達にメッセージを送るといった活動も行われました。
ブータンは経済的に豊かな国ではありません。なので、金銭的な援助などは、それほど大きなものとはならないのも確かです。それでも、日本を思ってくれる気持ちは確かで、だからこの思いが日本の皆様の心に少しでも届いて、ちょっとの助けになればなと思います。
震災後の情報はほとんど入らなくなった今でも、時々ブータンの方から、実家の方は大丈夫になったのか?と聞かれることがあります。
その際、幸い私の実家は、海沿いではなかったので大きな被害もなかったため、‘大丈夫だよ’と答えるのですが、‘海沿いはまだ時間がかかると思う’とも答えています。そして、時間はまだまだかかるとはわかっていますが、早く、‘もう全部大丈夫だよ’と、ブータンの人に答えられる日が来ればいいなと願うばかりです。
つたない文章でしたが、色んな国の人が応援してくれているということが伝わればなと思い、文章をかかせていただきました。被災された皆様が心安らかに暮らせる日が一日でも早く来ることを心よりお祈り申し上げます。