価格:1500円
読書時間:4時間
パフォーマンス:グッド!グッド!
名著と言われた『失敗の本質』の入門書と位置付け、如何に現在のビジネスに活用するかを分かりやすく示すのが本著のテーマである。『失敗の本質』は過去に読んだが、確かに難しいと感じていたので、この本に出会い、すぐに購入。たしか、『失敗の本質』は、会社の若い連中に貸して、読み回しているうちに行方不明となった。
日・米軍の差異を戦略面、思考のプロセス、歴史の伝承法など、多くの部分を分析している。戦争に勝つという絶対的な目標があったのに、何が悪かったのか⁈が、原著。これらをどうやって現代のビジネスに活かすのか⁈の解説のはずだが、本書では過去の事実と結びつけているにとどまる。だから、入門書なのかと感じる。
途中からクリステンセンの分析に近づいた感があり、逆に違和感を覚える。
最近のビジネス書や自己啓発書によく見られる、『これを続けなさい』的な本に近く、やはり入門書だと感じる。確かに『失敗の本質』は難解で、一度読み終わっても腑に落ちない部分も多いと思うが、それを読み解き、行動(アウトプット)につなげる。そのサイクルを回して改善し、はじめて価値が出る本だと思う。この入門書を読んだことにより、『失敗の本質』を読んだ気になり、深堀りせずに行動に移したとしたら、もったいない。この例えが合うかどうかだが、優秀なオペレーターが、作業手順書が作られた瞬間に思考を停止し、一般のオペレーターレベルに落ちるイメージだ。名著と呼ばれる本は何度も開くことで新たに気付くコトも多い。もう一度『失敗の本質』を買って読むと誓う。