Latin Bit / Grant Green (g)

 

ジャズのラテン物は苦手で、「べサメ・ムーチョ」などが入っているとげんなりします。

どうもこの曲は商店街のBGMや「歌のない歌謡曲」と同じ次元で聴かされた記憶が強く、トラウマになっているようです。

寺島某氏は逆に「べサメ・ムーチョが入っていると嬉しいと書かれていましたが、私が彼の音楽観が苦手な理由はこんな感性の違いからきていると思います。

 

このアルバムも「べサメ・ムーチョ」は入っていますが、これとアート・ペッパーのTampa 盤だけが 鑑賞に堪えうる録音です。

 

Grant Greenと云うと音飛びフレーズや信号フレーズのアーシーな演奏を思い浮かべます。

それらも大好きなんですが、一番好きなアルバムはこのLatin Bitです。

まず冒頭のMambo Inn のなんと楽しいことでしょう。これをA1に持ってきたライオン氏はすごいと思います。この曲の次にBesame Muchoがかかるのですが、最初の楽しさを引きずっているので嫌なテーマも聴くことができます。

これ以降の曲も楽しい曲ばかりで、ジャケットのくつろいだ感覚そのままを堪能できます。

気がめいった時には是非このレコードをお聞きください。