Piano Interpretations /Wynton Kelly

 

Wynton Kellyのデビューアルバムは若干19歳でした。

この10インチアルバムはUA時代のブルーノートが70年代中頃に再発した物を購入しました。

60年代までは国内盤も10インチアルバムは発売されていましたが、この頃になると珍しかったのと12インチより安かったのでケニー・ドリューとKellyを買いました。

この再発でもこの2枚が売れたと聞いています。

 

この2枚のメンバーを見ると

                                         

Wynton Kelly (p)                                   Kenny Drew (p)

Franklin Skeete (b)                               Curly Russell (b)

Lee Abrams (ds)                                  Art Blakey (ds)

 

演奏内容はともかく、随分と伴奏陣の格が違いますね。

これはアルフレッド・ライオンの評価の違いでしょうか?

 

このアルバムでKelly は後年のトリオ演奏に見られるようなコロコロと転がるようなシングルトーンで気持ちよく聴いていられます。

ケニー・ドリューに比べると押し出しが少ないのですが、やはりこの辺が彼の魅力でしょう。

よく考えればアート・ブレイキーでなくて良かったと思います。

ということはライオンの見識眼が素晴らしかったことにもなりますね。

 

しかしこの後数年間はリーダーアルバムを出していません。

ピアノトリオの存在が今ほど脚光を浴びなった時代とは言え、録音が少ないのは残念です。

1959年になるとピアノトリオの名盤を立て続けに発表しています。

有名な Kelly Blue (タイトル曲の陳腐なテーマを除けば名演奏)

それから私の大好きなVeeJey3部作です。

Kelly Great はトリオではなく、リー・モーガン(tp) ウエイン・ショーター(ts) 入りのクインテットですが実にツボにはまった演奏を残しています。これを聴くとトリオでもバンドでも見事な演奏だと思います。

この後のマイルスバンドに参加しますが、マイルスがこの演奏を聴いていて誘ったのだとすると十分納得できる話です。

ただ、マイルスはレッド・ガーランドの時も彼の時もアーマッド・ジャマルのように演奏しろと指示していたようなので、Kelly Great のような演奏が無いのが残念です。

 

 

確かにマイルスのブラック・ホークでのライブは名演奏だとは思いますが、別にKellyでなくてもいいと思う内容ですし、ウエス・モンゴメリーとのハーフノートでのライブでも自分を出そうとして全面で被ってしまいます。

 

考えてみると、ピアノの人はトリオ向きとバンドメンバー向き、あと両方そつなくこなす人に分かれるのではないでしょうか?

私の好きなトミー・フラナガンはトリオ向き、ホレス・シルバーはバンド向き、両方は山下洋輔なんて考えると別の聴き方も生まれそうです。

Kelly は? 共演者によるのかな。