Paul Desmond "The Girl from East 9th Street"
東京圏ですとFM東京で放送された油井正一さんの名物番組「アスペクト・イン・ジャズ」は油井さんの素晴らしい語りとともに埋もれた名盤などが紹介され、いつも楽しみに聴いていました。
そこで紹介されたのがこの「東9番街の女」でした。
それまでブルーベックの「テイク・ファイブ」しか知らなかった私にとって衝撃的な演奏でした。
ブルーベックとの演奏ではサディスティックなピアノの後にくる安堵感が魅力的ですが、このアルバム"Bossa Antigua"では Jim Hall との抜群の相性で、なんとも穏やかな空気を醸し出します。
彼は自分名義のアルバムとして "First place Again!"を59年に出します。
ここで共演したJim Hall (g), Connie Kay (ds) とはRCAに数多くのアルバムを残しました。
評論家の中では「どれも同じメンバーで同じ演奏」と評されていますが、私はこれがたまらなく好きです.。特にこの"Bossa Antigua"は当時流行したボサノバを取り入れていますが、単に流行りものに乗ったアルバムではなく、独自の世界観を生み出していているので一番好きなアルバムです。
その後もCTIに素晴らしいアルバムを残しましたが、若くして病に倒れたのが残念です。
しかし油井正一さんのこの曲を選んだ選曲眼には感服するばかりです。