Beethoven Vln Concerto / Heifetz, Toscanini
Beethoven のヴァイオリン協奏曲には名演奏が沢山ありますが、私が一番最初に感動したのがこのハイフェッツの演奏です。
これは78rpm後期の1940年頃録音されているので蓄音機で聴くとより迫力が増します。
Victor Talking Machine Company は大恐慌で倒産し、RCAに吸収されましたが、しばらくレーベルにはVictor(左下)が使われていました。
その後おなじみの蝙蝠リムも消え、RCA Victor(右下) になりましたが、このアルバムは2種類とも発売されていました。
実は2組とも持っているのですが、驚くほど音に違いがあります。
ご想像の通り、初期のレーベル盤の迫力はその後のSPや復刻LP、CDとは比べ物になりません。
私は最初、初期プレスを購入したのですが、海外からの輸送の際にクラックや割れが発生してしまったので、後期プレスを後日購入しました。そこでこの事実にぶつかりました。
LPでも完全オリジナルにはとんでもない音が入っていることがあります。SPでも前に書いたWest End Blues のプレス違いでも違いはありましたが、ここまで大きくありませんでした。
2組とも状態は良く、すり減っていないのでプレス時期による違いであることは明らかです。
一度この初期盤を聴いてしまうと、それ以外では物足りません。
初期盤ではハイフェッツが本当に鋭いドスか刀を振りかざしているようにオケに立ち向かっていきます。これを真正面から受け止めるトスカニーニとの丁々発止は聞き終わると疲れてしまうほどです。
残念ながらリンクしたYouTubeは板起しですが、遠く及ばない音質です。
最近はベトコンならキョンファのデビュー当時のような繊細な演奏を好んで聴いていますのでハイフェッツは聴かなくなりましたが、もしも状態のいい初期盤が手に入るのなら聴いてみたいと思っています。