Wynton Marsalisは今では無視される存在になってしまいましたが、Jazz Messengersでデビューした時は70年代のWoody Shaw以来の衝撃で迎えられました。
新伝承派として活躍した当初はイキイキとしていましたが、年を重ねるごとに少しずつずれてきたなと感じるようになりました。
その極めつけが Majesty of the Blues でした。
実は私、CDが発売になっても特に聞きたいと思わずプレイヤーを買いませんでしたが、ある時パイオニアからLDプレイヤーの廉価版が発売になり、これでCDも聞けることが判ったのでとりあえず一枚と買ったのがこのMajesty of the Bluesです。
音に関してはこんなものかと云った程度でしたが、内容は何回聞いてもつまらない、面白くないのですが、当初の評価は傑作扱いでしたので不思議に思ったものでした。
これ以来、彼のCDを数枚聞きましたが、Jazz Messengers時代のような感動は一切得られずがっかりしたものです。
そんな時聞いたのが当時絶大な人気があったソプラノのKathleen Battleとの共演版でした。
秋葉原の石丸電気で「今なら生写真付」というアイドルのようなコピーで売っていたので面白くなり購入しました。
そんな動機なので期待はしなかったのですが、1曲目のHandel ; Let the Bright Seraphim from "Samson" を聴いて「この人はクラシックなら名演奏家になれる」と思いました。
これ以来このCDを超える作品はありませんが、彼はフレンチホルンのDennis Brain に匹敵する名演奏家になれるはずです。
ですから最近の箸にも棒にもかからない活動が悔やめてなりません。