街の印象
ビエンチャンの中心部は、一国の首都とは思えないくらいこじんまりしています。徒歩か自転車で十分見て回れます。そして、高層ビル街・電車・渋滞・スターバックス、都会を連想させるものは悉くありません。どこまで行っても人や車の往来は少なく、夜は閑散としていて、首都というより小さな片田舎のようです。マクドナルドですら見当たらないこの街は、大自然や文化遺産などの観光資源に恵まれているわけでもありません。カジノもビーチもないこの街に、ビザラン以外で観光客がやってくる理由がもしあるとしたら、それは何なのか考えてみました。

ところでラオスは、メコン川流域の地の利を活かした水力発電で、東南アジアのバッテリーになろうとしているようですが、滞在中、たびたび停電が起こりました。国内向けの電力供給が制限されているのでしょうか。ともかく、首都ビエンチャンのエネルギー消費の水準は、私の目には大変低く映りました。街の中心部でも高層ビルと呼べる建物はなく、新築工事をしている重機も見かけません。そもそも車が少ないので、ガソリンスタンドも多くありません。夜遅く働くことはないのでしょうか、それとも単に電力不足だからなのでしょうか、どの店も夜8時頃になれば閉まります。

こうしてみると、理由はどうあれ、ビエンチャンは世界屈指の低資源・低エネルギー消費都市かもしれません。それでも首都としての機能をきちんと果たしているのなら、それはそれで素晴らしいことだと思います。他の多くの大都市が、莫大なエネルギーを消費しつつ、人口過密や大渋滞、大気汚染に悩んでいるのとは実に好対照です。

さて、バンンコクをはじめ大都市では便利さと人の欲を満たしてくれるもので溢れていますが、その反面、心の休まる優しい静けさや、ゆっくりとした時間の流れは得難いものです。ビエンチャンは、ないものを挙げたらきりがないほど、ないもの尽くしの街ですが、人々はここで穏やかに生活しています。訪れる観光客にとっては、遺跡巡りをしたり、山やビーチに出かけるのではなく、普通の都市生活の風景の中で穏やかな気持ちを取り戻せるのがビエンチャンの良いところのような気がします。

メコン川沿いに公園があります。このところ、京劇風の移動劇団がテントを張っていて、毎晩大勢の人を楽しませています。今もその賑やかな音が聞こえてきます。

あとがき
ビエンチャンにないもの・見かけないもの
高層ビル・セブンイレブン他大手コンビニ・マクドナルド・ケンタッキーフライドチキン・スターバックス・電車・路線バス・バイクタクシー・渋滞・高速道路・物乞い
バンコクに比べて人口比で極端に少ないもの
人・交通量・タクシー・ガソリンスタンド・屋台・客引き・深夜までやってる店・日本人・太った人・犬・不良外人
バンコクに比べて人口比で多そうなもの
フランス人・中国語・牛肉料理・ステーキ店・自転車で移動する観光客

