レミノ生配信。
なんとか武居vs比嘉に間に合いました。
天然の日焼けなのか、日サロ？、それとも地黒なのか知らんけど褐色の肌が美しくとても似合ってる武居チャンピオン。しなやかな猫科の猛獣のようでカッコイイですね。
相変わらずブンブンパンチを振る比嘉だけど昔のような勢いはもう感じられない。衰えかな。こちらも風貌は野獣って感じ。
あのダウンはスリップ気味だったけど、タイミングと見た目でダウンを取られるのはボクシングではよくあること。まぁ不運なダウンだけど試合の流れと結果に影響は無かったね。武居は一見華奢に見えるけど、なかなか打たれ強くてタフ。パンチも意外とあるようだ。モロニー戦でもそうだったけど、打たれても決して怯まず、逃げることなくに迎え撃つところがいい。このスタイルはボクシング全盛期時代だったら人気出たかもね。判定結果は妥当かな。
さて、日本人が王座独占状態のこの階級。とはいえ悪いけどメンバー的には地味な面々です。各王者それぞれに言えることですが、次はどうすんだろ。4大タイトルマッチとか言って同じ興行で同じ階級の日本人4世界王者が別々に防衛戦ってのもなんだかね。ボクシング素人が見たら混乱する、というかボクシング世界王者の権威低下に繋がりそうな気がするね。同じ日本人同士で世界4団体統一トーナメント戦ってのもどうなのかな。ボクシング人気が低迷期の昨今、いささか盛り上がりに欠けるような気がする。それに一部同門対決になっちゃうってのもね。
勝負事なので、やってみなければわからないけど、正直この階級のトップはやはり中谷って感じなのかな。近い将来階級を上げて井上に挑戦というプランも考えられてるようだしね。4王者の中ではちょっと頭一つ抜けてるような気がする。仮に中谷を別格だとすると、他の人達は統一戦やって潰し合うか、興行面を考えたら天心待ちってことになるのかな。
話が逸れてしまったけど、この興行の主役はやはりメインの井上スーパチャンピオン。
毎度恒例になりますが、今回もほぼ確実に勝てそうな相手を選びました。実力差が明白なマッチメイクは勝負の醍醐味に欠けるけど、果たしてこの試合はオッズが成立したのでしょうか。私的には端から勝敗期待値が低いので、番狂わせに期待するしかなかったのですが、それより何より全くの想定外、まさかの悲しい結末になってしまいました。
風貌と体型のせいか、見ようによっては年齢以上に更けて見えた老ドヘニー。この試合ではいろいろ試しているのか、攻撃控え目ながらも井上はいつも通り余裕綽々で試合を進めます。回を追う毎に疲労感が蓄積されてゆくのか、ドヘニーがどんどん老人化していくように見える。そして試合はその老いていくように見える男の風貌にマッチしたような悲しい結末を迎える。
「あ痛ててて…」と聞こえてきそうな感じで腰に手を当て足元がおぼつかなくなりながら試合を棄権したドヘニー。ぎっくり腰のノー・マス。その姿はなんとも哀しかった。今回はいつもの豪快なKOショーになる前に、こんな終わり方になっちゃったのね。
試合が終わった後、辛そうに半ば寝るような感じの姿勢でコーナーにもたれるように座りながら、幼い男の子（息子さんかな）と話していたドヘニー。そしてその後は両脇を抱えられるようにして花道を去って行った敗者ドヘニー。往年の屈強さは全くと言っていいほど感じられなかった37歳。腰を痛めての棄権決着。こんな結末を誰が予想できただろうか。ただひたすらに哀れにしか見えない老ドヘニーであった。
試合を見に行った人達はさぞや不完全燃焼だったことだろう。いつも通りの派手な虐殺KOショーを期待してただろうから。試合が止められたその瞬間は場内が静まりかえってたね。スーパーチャンピオンも言ってたけど、確かにこういう時もある。いつも通り豪快に倒して終わる派手なショーにはならなかったけど、これもまたミスマッチとしか思えない今回の試合に相応しい終わり方と言えなくもないだろう。棄権しなくてもドヘニーが負けるという結果に変わりは無かっただろうしね。
スーパーチャンピオンのフィニッシュに向けた猛ラッシュでタコ殴りにされて大きなダメージを受けることなく無事に帰還できたドヘニーはラッキーだったのかも。恐らくキャリアハイとなる大金を手に入れるであろう、ボクサーとしての定年を迎える男の最期のボーナスマッチ。井上に殴られまくって倒されるダメージを考えたら、なんと軽いダメージで済んだことか。今までの井上の対戦相手ではコスパ最高ってことになるのかな。結果はどうあれ手にするお金に変わりはないからね。優しい良いパパっぽく見えるドヘニー。やはり家族との幸せが一番だ。
井上の対戦相手に選ばれた者はこの階級では考えられないような大金を手に入れる。そういう意味では対戦相手を幸せにできる立場にあるスーパーチャンピオンは軽量級では神。世界の軽量級ボクサーにとっては憧れの的だろう。だから対戦に名乗りを上げる者が後を絶たないんだな。なれどその中から相手を選ぶのは常に井上陣営。この点に関しては往年のパックメイやカネロと変わらない強い立ち位置だ。
なかなかやってくれそうにないけど、次こそは勝つか負けるかわからないという相手との勝敗期待値が高い見応えのある試合が見たいね。試合まで指折り数えて待つような本物同士の戦いを。だけどスーパーチャンピオンが焼き尽くしたこの階級でそんな相手は残念ながら存在しない。依然として階級を上げるのには慎重なスーパーチャンピオン陣営。フェザー級に上げずに敵らしい敵の居ないこの階級に今後も居座り続けるのであれば、中谷とのビッグマッチを待つというのも悪くないと考えるしかないのかな。