最近、この様な話題がX(旧Twitter)を賑わせております。


悪質ホスト「背後に犯罪グループ」 警察庁長官 https://www.sankei.com/article/20231116-FRISKLPIHRN2JB2SJC7PLGUYXU/


この様に、新宿のホストクラブでは『売掛金制度』を取り入れている店が多いらしく、高額な支払いが発生しました時に客が“ツケ払い”をする事が有るそうでして、その売掛金を支払わない客に対しまして、風俗業勤務や売春を斡旋するケースも有り、それが問題視されている様です。


何故、この様にホストクラブに嵌まって行く女性が出るのでしょう。


根本の問題は、女性客の精神的なところに有るのではないかと、私は考えます。


ここで、「本人が好きでやっている」と思われる方もいらっしゃるでしょうけど、それは“半分正解”で“半分間違い”だと思います。


嵌まっている本人も、

「これは、いけない事だ」

「本当はやめたい、やりたくない」

と分かっております。


しかし、抜け出せない状態で嵌まっているのです。


『依存症』の状態なのです。


「アルコール依存症」ですとか、「ギャンブル依存症」と同じ状態ですね。


このままですと、ホストに貢いでしまう女性客の精神的な問題は、例えホストクラブに通う事をやめましても他の依存対象にシフトするだけです。


私が、そうでした。


仕事の拘束時間が長くなり、パチンコ・パチスロ依存症から抜け出しましたが、そのまま(2ちゃんねる等の)ネット依存症になり、現在も嵌まったままです(笑)。


日本は、依存症患者は年々増加しております。


【図1 近年の依存症患者数の推移の推移】

【出典:厚生労働省『依存症対策について』https://www.ncasa-japan.jp/pdf/document18.pdf

厚生労働省では依存症を、
「特定の物質や行為・過程に対して、やめたくても、やめられないほどほどに出来ない状態」
と定義しております。
【出典: 


そして習慣的に依存物質の摂取や、依存行為を繰り返して行く内に、進行して行く病気です。

また、「依存症は脳の病気」とも明示しております。

【図2 依存症は脳の病気】
【出典:厚生労働省『依存症って?』https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000620866.pdf

その人の趣味・嗜好の範囲を超えて、自分の意思ではコントロール出来ない状態ですね。

依存症には2種類がございます。

・物質依存…アルコール等の薬物が、脳の神経に直接作用するもの
・プロセス依存…ゲームやセックス等から得られる快感にのめり込むもの

“恋愛依存”や“ホスト依存”も、『プロセス依存』にカテゴライズされます。

依存症の人達は、それを楽しくてやっているというよりは、現実の苦しさや辛さを紛らわす為に、手を出してしまう事が多い様です。

この様に、「何かにストレスを感じ、それに対処する」事を、【コーピング】と言います。

健全なコーピングは、問題そのものに向き合い、行動や自分の考え方を変えまして、ストレスに対処します。

【図3 健全なコーピング】

一方で健全でないコーピングの場合、一時的な辛さを紛らわす為に始めたものに対しまして、「もっと欲しい」となり、「それが無いと生きて行けない」と錯覚します。

そして、その事に対しまして“耐性”がついてしまい、同じ様な快感等の結果を得る為に、使用量や金額が増加する様になります。

【図4 健全でないコーピング】

その結果、健康面や経済面、人間関係に於きまして、長期的な人生に悪影響を及ぼす様になります。

また、ホスト依存や恋愛依存に陥る人達は、総じて自尊感情が低い傾向に有る様です。

献身的に相手に尽くす事で自分の価値を見出だしたり、他人の自己実現を自分の自己実現と同一視したりする事で、社会への自己表現となってしまいます。

つまり依存症は、
「現実の辛さから逃避したい衝動」
が“トリガー”となるのです。

ところが、本人が依存症になっている事に気付きません。

また、気付いたところで、周囲に相談する事も出来ない状況が、より深刻化して行きます。

ですから、このホスト依存の女性客を根本から救済するには、これの治療を進めなければなりません。

とはいえ、売掛金問題が残ってしまう事も現実です。

そこで新宿区議会では、『売掛金禁止条例』が日本維新の会の区議会議員から発案されました。


日本維新の会の区議会議員と申しますと、一人しかいらっしゃいませんから、恐らくは古畑まさのり区議会議員でしょう。



そして、これは私見ですが、
「債務整理でのリスケ」
「弁護士費用は法テラス」
ですね。

つまり、
・ホストクラブ業界の健全化
・債務者(多額の借金を抱えた女性客)のリスケ
・依存症の治療
の3本立てが、解決策になり得るのではないかと、私は考えます。

これでしたら、現行法でも出来ますし、直ぐ様動く事が出来ます。

勿論、低予算で賄えるでしょう。

もし、NPO法人を(どうしても)絡めるのでしたら、
・この手の作業に慣れている弁護士の紹介
・心療内科の紹介
としての“窓口業務”くらいでしょう。

誰の事かは申しませんが、
「オジさんキモい」
と叫んでいるだけでは、何も解決しないのです。