【91日目(10月16日) 朝食】(月曜日)
米飯…250g
味噌汁(お揚げ&タマネギ)
ハムとズッキーニのソテー
ほうれん草の白和え
ふりかけ
のり佃煮
牛乳(200ml)
蛋白質…17.2g
食塩相…3.0g
【91日目(10月16日) 昼食】(月曜日)
米飯…250g
たらの味噌バター焼き
白菜の生姜煮
キャベツとツナのさっぱり和え
のり佃煮
CP10
蛋白質…22.6g
食塩相…1.9g
【91日目(10月16日) 夕食】(月曜日)
米飯…250g
鶏肉の治部煮
ピーマンと竹輪の炒め物
カリフラワーのオーロラサラダ
フルーツ(黄桃缶)
のり佃煮
CP10
蛋白質…24.6g
食塩相…1.9g
こちらの病院に転院をしましてから、ハムやソーセージ、ベーコン等の加工肉を食べる機会が増えてまいりました。
よく、「加工肉は癌になる」と言われておりますが、大腸癌の摘出手術で入院しております私が、食べても良いのでしょうか?
それこそ、(一般的には)次に癌が出来たら終わりとなりますし、どうなんでしょうね(笑)?
「加工肉を食べると癌になる」と意識付けられましたのは、2015年10月に世界保健機構(WHO)の国際癌研究機関(IARC)が、
『赤い肉と加工肉の摂取による発癌性』
という報告書を発表した事が発端となります。
そこには、
「赤身肉(レッドミート)について、恐らく発癌性が有る」
「加工肉は発癌性が有る」
という内容でして、この報告書の“悪いところだけ”を切り取りましてメディアが報道しました。
この報告書は、IARCで専門家が研究して出た結果ではなく、入手可能な世界中の論文を基に、「どのくらい論文の内容が一致しているか」等から、発癌性の判定に至った訳です。
このIARCの発表以前(約20年以上前)から、この手の論文は発表されていました。
例えば1994年の所謂『ホットドック戦争』と呼ばれた事案ですね。
南カリフォルニア大学の教授達が、ロサンゼルス地区の白血病の子供達約230人を調査しましたところ、1ヶ月に12個以上のホットドックを食べた子供は、食べなかった子供の「9倍も白血病のリスクが高まった」というレポートを公表しました。
このレポートは調査対象者数が「230人」と母数が小さいのですが反響が大きく、『ロサンゼルス・タイム』やテレビでも取り上げられまして、それが全米に飛び火した訳です。
この背景としまして、米国で子供の白血病が過去20年に渡り増加しておりまして、社会問題となっておりました。
米国の食肉協会が反論のパンフレットを配布しまして、この場は沈静化したそうですが、この時、加工肉に含まれております添加物、『亜硝酸ナトリウム(亜硝酸Na)』が“犯人”として浮上して来る訳です。
そして1995年10月、日本癌学会総会に於きまして、国立衛生試験所病理部が、
「亜硝酸塩を入れた水と魚粉で二年間ラットを飼育し、より多くの魚粉と亜硝酸塩を与えたラットが、膵臓癌になり易い」
という結果を報告しました。
日本の食肉業界でも1991年7月の食品法改正で、表示にも登場する様になったという事もございまして、健康志向の強い方達の間ではチェック対象の添加物になってはいたのです。
もっとも、この報告書に対しまして食品業界は反論します。
日本ハムのホームページには、以下の記述がございます。
2007年には、米国癌研究基金と米国癌研究協会が、
「レッドミート(赤身肉)と加工肉が大腸癌の“確実なリスク”」
と評価した報告書を発表しました。
ここで「加工肉に対する懸念」が加速します。
日本でも日本医師会雑誌等で、
「肉類の調理加熱中等に生じる物質が大腸癌に関連するのではないか」
といった研究を発表されました。
2013年3月7日には、スイスのチューリッヒ大学の研究チームが、以下の内容を英国医学公表雑誌に公表しました。
・研究対象国…英、仏、伊、独等の欧州10ヶ国
・対象人数……44万8568人
・対象年齢 男性40~70歳
女性35~70歳
・対象期間……平均約13年に渡る追跡調査
・研究結果……加工肉の摂取量が1日50g増加毎に死亡リスクが18%上昇
これが、IARCの発表論文の“元ネタ”と言えましょう。
IARCの『発癌性分類』に於きまして、二番目にリスクが高いとされます【恐らくは発癌性が有る(ほぼ確実)】にカテゴライズされます。
発癌性が有る事を発表する時は、第一段階としまして、まず
「その食品にどの様な危険性が有るのか」
を発表します。
そして第二段階では、
「癌になり易い職業的な背景等」
を発表します。
更に第三段階では、
「どの様な行動を採るべきか」
を発表します。
この第三段階まで発表されるのが、リスクが高い状態と判断されます。
2005年や2007年の論文では第三段階の行動指針まで提示されておりますので、リスクとしましてはかなり高いという内容となっております。
ところが前述しました2015年のIARCの報告によりますと、第一段階までの発表にとどまっておりました。
つまり、WHOが定めますリスクとしましては、最も低いレベルと判断された訳です。
この行動指針まで出されていない場合は、この発表を基にどの様に行動するかは各国の判断に任せられます。
そこで日本癌研究センター予防研究部部長の笹塚静氏は、
「この判定は“結果の一致度”を示したものであり、決して“リスクの高さ”を示すものではない」
「もし“リスクの高さ”について言うならば、加工肉をたくさん食べる人が大腸癌になる確率は、食べない人に比べて何倍といった話になるが、このグループ訳はそういった話ではない」
「飽く迄も今回で言うと世界中の研究の約3分の2が『加工肉の摂取が大腸癌のリスクをあげる』という方向で一致しているという話」
「それだけ一致しているという事は、加工肉の摂取と発癌性に何らかの因果関係が有るという結論に至ったという訳である」
と発言されました。
つまり、発癌性の有無を多数決で決める様なもので、それによってリスクが増えるか否かは別の話という訳ですね。