という事で、続きです。
 

 
これは 一見歩み寄りに見えますが、実は「疑念を温存する」ための典型的な着地点 です。
 

①最初の確認部分への正確な答え

「入っていようがいまいが健康被害の数に差は無し、で良いか?」
はい、その理解で概ね正しいです。
 
より正確には、「疫学的に検出可能な健康被害の増減は確認されていない」となります。
 
特に、
  • 神経発達障害
  • 自己免疫疾患
  • 免疫抑制による疾患
につきまして、除去前後で有意差はございません
 
これは、「影響がゼロと“証明”された」ではなく「実社会レベルで問題となる差は観測されていない」というのが科学的表現です。
 

②では「なぜ禁止(削減)されたのか?」

ここが最大の誤解ポイントです。
 
❌よくある誤解→危険だったから禁止された
⭕実際→不要になった上に、誤解を招くから外した
 

③チメロサール削減の本当の理由

1.製造・流通技術の進歩

  • 多回接種バイアル→単回接種化
  • 無菌充填技術の向上→防腐剤が不要になった

2.予防原則(Precautionary principle)

  • 明確な害はない
  • だが、理論的リスクがゼロとも言い切れない
  • ならば、不要なら外す
これは医薬品行政では極めて一般的な判断です。
 

3.社会的要因(信頼維持)

  • ワクチン忌避の拡大
  • 「水銀」という言葉の心理的インパクト
  • 科学的議論と社会受容は別問題
つまり、安全性ではなく信頼性の問題の話という事ですね。
 
 

④「禁止」という言葉のトリック

実際には、
全面禁止ではない
◎WHOは現在でも、
  • 多回接種バイアルが必要な地域では使用を容認
  • 理由→感染防止効果 > 理論的リスク
「本当に危険」でしたら、全世界で即時禁止されます。
 

⑤自然実験の結果

チメロサール除去後、何が起きたのでしょうか?
  • 自閉症→減らなかった
  • 発達障害→減らなかった
  • 自己免疫疾患→減らなかった
つまり、「除去しても何も変わらなかった」というのが現実なのです。
 
これは最も強い反証です。
 
本当に有害性が確認されているのでしたら、チメロサール除去後にはそれぞれの疾患が減少しているはずですからね。

こちらの続きです。
 
この様なレスポンスを戴きました。
 
で、ここに記されております、
「スウェーデンの研究」
というのが、こちらになります。
 

 

という事で、この論文につきまして考察してみます。
 
 

①研究内容(事実)

【目的】

チメロサール(エチル水銀化合物)が免疫系に与える影響を調べるため、遺伝的に自己免疫に敏感なマウス(A.SWなど)に飲水で曝露した研究ですね。
 

【主な結果】

  • 初期曝露では免疫抑制様の反応が見られた。
  • その後、一定期間の曝露で免疫刺激や自己免疫反応(抗体増加、免疫複合体沈着など)が観察された。
  • 反応はマウスの遺伝的背景に依存していた。

②これが何を意味するのか(科学的に正確な理解)

◎ヒトの疫学研究ではない

  • マウスに高用量を経口投与したモデル研究
  • ヒトでの注射ワクチン曝露とは経路・量・時間スケールが全く違う
これは、そのまま「ワクチンで自己免疫になる」と直結するものではありません。
 

◎マウスで免疫反応が変化することは珍しくない

動物モデルで
  • 免疫抑制
  • 免疫刺激
  • 自己免疫関連マーカーの変動
が出る事は、物質を高用量・長期間与えた場合にしばしば見られる現象です。
 
これは毒性の原理(用量反応性)と一致しています。
 

◎比較ポイント

 
マウスで作用が出る量は、ヒトのワクチンで使われる量(1–5 μg/回)より数十〜数百倍以上高い濃度です。
重ねて重要な事はと申しますと、
 
小児期のチメロサール曝露と神経心理学的転帰研究(例:NEJM の大規模コホート研究)では、関連は認められなかったという報告があります。
 
また、CDC や WHO は、ワクチン由来のチメロサールが 臨床的な免疫抑制や自己免疫疾患を引き起こすという証拠は確認されていないとしています。

 

こうした点は、実臨床の人間集団での証拠に基づく評価です。
 
 

③まとめ(科学的に正確な整理)

そのスウェーデン研究(Linköping Univ. の論文)は、動物モデルにおける免疫系反応の変化を調べた論文であり、
  • マウスでは高用量曝露で免疫抑制・自己免疫関連反応が見られた
  • ヒトの通常のワクチン安全性とは直接対応しない
  • ワクチン用量・曝露経路・期間が全く異なる
という重要な制約があります。
 
という事で、その旨をザックリとまとめてレスポンスを送りましたが、それに対するレスポンスがこちらになります。
 
これは議論を科学から疑似科学へずらす定型ムーブです。
 
先方の主張は、以下の通りになります。
「チメロサールと生理食塩水での二重盲目検証をしていない
→ 安全性/危険性の確固たる証拠はない」
これは一見もっともらしく見えますが、医学研究の前提を取り違えています
 
という事で、整理してみましょう。
 
 

①そもそも「二重盲目RCTでしか安全性は証明できない」は誤り

医学・薬学の現実としまして有害性評価の主力は、
  • 疫学研究(コホート・ケースコントロール)
  • 用量反応関係
  • 時間的前後関係
  • 生物学的妥当性
    再現性(Bradford Hill基準)
になります。
 
「毒性評価=RCT必須」という考え自体が誤り(環境毒性学・薬剤疫学では常識)なのです。
 
 

②チメロサール単独 vs 生理食塩水RCTが存在しない理由

理由は単純で倫理的です。
  • チメロサールは治療効果を持たない防腐剤
  • それ単独をヒトに注射する倫理的正当性が存在しない
  • 医学倫理審査(IRB)で即却下されます
「やっていない」のではなく、「やってはいけない」のです。
 
これは研究者の怠慢ではありません。
 
 

③では安全性はどうやって評価されたか(一次資料ベース)

実際に行われた評価としまして、

1.曝露量比較

  • ワクチン由来エチル水銀量
  • 食事由来メチル水銀量
  • 血中・尿中濃度推移

2.大規模疫学研究

  • NEJM(2007)
  • デンマーク全国コホート
  • CDC VSD(数十万人規模)

3.自然実験

  • チメロサール除去前後での疾病発生率比較
    → 自閉症・神経疾患・自己免疫疾患は減少せず
これはRCTより強い外的妥当性を持ちます。
 
 

④この主張が成立すると何が起きるか(論理的帰結)

相手の論理を採用しますと、
  • 大気汚染
  • アスベスト
  • メチル水銀
  • タバコ副流煙
これら全て「安全性は確立していない」ことになります。
 
なぜなら、これらも生理食塩水との二重盲目RCTは存在しないからです。
 
これは明らかに不合理です。
 
 

⑤これは「疑い続ければ勝ち」の論法

今回の文は、典型的な、
  • 無限懐疑論
  • 証明責任のすり替え
  • 達成不能条件の設定
です。
 
「絶対的証明がない=危険」ではなく、医学は確率と比較で判断します。
 
ここまで来ると相手は、
エビデンスで反論できなくなった → 方法論そのものを否定し始めた
という状態で、これは事実上の“詰み”です。
 
さて、この後どう来るのでしょうか。
 
おおよそ、想像に難くはありませんけどね♪

さてさて、新年早々面白い反応がございました。
 
この投稿は、事実・概念・意図が混線 しています。
 
取り敢えず、科学的にどこが誤りで、どこが言い逃れなのかを整理しますね。
 
 

1.そのレスポンスの構造

文を分解しますと、三つの主張が混在している事が分かります。
  1. チメロサールには脳神経毒という観点が有る
  2. ただし防腐剤・殺菌剤であるという限界がある
  3. 毒性の高い重金属(チメロサールやアルミニウム)がアジュバンドとして混ぜられている
この1と2はミスリーディングですし、3は明確に誤りです。
 
 

2.チメロサールについて(何が正しくて、何が間違いなのか)

◎正しい点(限定付き)

  • チメロサールは殺菌剤・防腐剤(preservative)
  • 高容量では神経毒性ポテンシャルが有る
ここまでは事実です。
 

◎誤り…「チメロサールがアジュバンドとして混ぜられている」

完全に誤りです
  • チメロサール=防腐剤
  • チメロサール≠アジュバンド
です。
 
そもそも「アジュバンド」とは、抗原に対する免疫反応を増強する成分です。
 
一方でチメロサールには、
  • 免疫増強作用が無い
  • アジュバンドとして免疫反応を高める働きが無い
のです。
 
これは用語レベルの初歩的な誤りで、医学・薬学・免疫学のいずれでも通用しません。
 
 

3.アルミニウムとチメロサールを「同列」にしている点が最大の問題

このレスポンスの本格的な誤導は、ここです。
 

◎アルミニウム

  • 目的………アジュバンド
  • 作用………抗原提示を強化
  • 化学形……アルミニウム塩
  • 毒性評価…用量依存・腎排泄
 

◎チメロサール

  • 目的………防腐剤
  • 作用………細菌・真菌の増殖抑制
  • 化学形……有機水銀(メチル水銀)
  • 毒性評価…速やかな排泄
役割・作用機序・評価軸が全く異なるものです。
 
「重金属」という言葉で括ることは、科学的にも医学的にも意味を持ちません
 
 

4.「脳神経毒」という言葉のすり替え

このレスポンスは、毒性学の基本を意図的に省略しております。
 
毒性学の基本は、用量が毒を作る(The does makes the poison)です。
 
チメロサールにつきましては、
  • 神経毒性が確認されているのはmg/kg級以上
  • ワクチンでの曝露はµg単位
  • 2~3桁以上の差
この前提を言わずに、
「神経毒という観点がある」
という主張は、正確ですが誠実ではない表現です。
 
 

5.「各自お調べください」という言い逃れ

これは科学的議論におきましては、事実上の「GIVE UP」です。
 
と申しますのも、
  • 根拠を示さない
  • 文献を出さない
  • 反証不能な形で終わらせる
当然の事ですが、科学では「調べた結果」が提示されまして初めて主張になります。
 
 

6.科学的に正しい整理

  • チメロサールはアジュバンドではなく防腐剤
  • チメロサールの神経毒性は高容量の話であり、ワクチン使用量で人の神経毒性が確認されましたエビデンスは無い
という事になります。
 
簡単にまとめますと、
  • チメロサールを「アジュバンドとして使用」という明確な誤り
  • 用量の概念を意図的に欠落
  • アルミニウムとの不適切な混同
という3点で、科学的には成立しないものという事です。



米国が、ベネズエラに対しまして軍事作戦を決行し、マドゥロ大統領夫妻の身柄を確保、そのまま米国に連行したというニュースが新年早々飛び込んで来ました。

 


それに対しまして、日本政府も声明を出した様です。


外務省報道官の談話は、こちらになります。

 

 

ご覧の通り、米国の戦略に対しまして支持も非難も避け、ベネズエラの今後の発展を願うという、おサヨク様が大好きな「曖昧戦略」なのですが、この“姿勢”が気に入らない人もいらっしゃる様です。

 

 

 

確かに、国連憲章第2条4項に抵触し、且つ例外規定でもあります、

  • 国連憲章第42条(国連安保理決議)
  • 国連憲章第51条(自衛権行使)
にも該当しませんので、「武力不行使」を謳う国連憲章に違反しているという様に思えます。
 
こちらの方も、その様に見ていらっしゃる様ですね。
 
では、米国の今回のベネズエラに対する“軍事作戦”を、国際法(国連憲章)上はどの様な評価となるのでしょうか?
 
国際法の専門家たちの間では、
「国連憲章違反の可能性が高い」
という見解が指摘されております。
 

①国連憲章第2条4項に違反

他国の主権国家に対し、自衛権や国連安保理決議なしに軍事力を行使することは原則として禁止されています。
米国側は麻薬・テロ関与を理由にしているものの、これを自衛権の行使や国連安保理決議による正当化につなげるのは国際法上弱いと見られています。
 
 

③国連安保理の承認がない

国際的に見ても、安保理の承認や正当な集団的自衛の根拠なく他国に武力を用いたことは、国際秩序に反する行為との批判が強いです。

 

従いまして、今回の米国の軍事行動は、国連憲章上重大な問題があると評価されるのが国際法の一般的な見解です。
 
ただし、現実に安保理制裁や拘束措置が行われる仕組みはなく、米国が実際に処罰される可能性は低いという議論もあります。
という意見も出て来るでしょうし、実際の話、今回の米国によります軍事行動を、ベネズエラ国民は大歓迎の様です。
 
ただし、その後の処理(事後的整理)は大きく変わり得ます
 
段階的に整理してみましょう。
 

①国際法は「国民」ではなく「国家」を単位にする

国連憲章秩序の基本は、
  • 主権主体…国家
  • 同意主体…正統政府
です。
 
従いまして、
  • 「国民の多数が歓迎している」
  • 「独裁者が嫌われていた」
という事情は、武力行使の合法性判断(2条4項)には原則として影響しません
 
ここが、しばしば人々の感覚とズレる点です。
 

②それでも「事後的に処理が変わる」理由

しかし現実の国際社会では、違法性の有無と、その後の扱いは別問題として処理されることが多いです。
 
今回想定される流れは、かなり典型的です。
 

③想定される「国際社会の処理パターン」

【パターンA】事実上の黙認(最も可能性が高い)

国連総会・安保理 → 強い非難決議は出ない/出ても実効性なし 
  • 「遺憾」「深刻な懸念」止まり
  • 新政権が成立し、治安が安定
  • 国民投票や選挙が比較的早期に行われる
この場合、法的にはグレー〜違法ですが、政治的には既成事実として受容されます。
 
イラク2003やパナマ1989に近い処理ですね。
 

【パターンB】「招請による介入」への書き換え

事後的に暫定政府が、
  • 「我々は米国に支援を要請していた」
  • 「マドゥロ政権は正統性を失っていた」
と宣言するケースですね。
 
これは後付け理論ですが、実務上はしばしば使われます。
 
※厳密な国際法理論では弱いですが、政治的には非常に有効です。
 

【パターンC】人民自決・人道介入論の援用(補助線)

  • 「国民の圧倒的支持」
  • 「深刻な人権侵害」
  • 「平和的手段が尽きていた」
が強調されまして、
「例外的に許容される介入だった」
という道義的正当化が前面に出ます。
 
ただしこれは、国連憲章上の明確な合法根拠にはなりません
 
 

④逆に「違法性が残り続ける点」

どれだけ歓迎されましても、以下は消えません。
  • 武力行使があった事実
  • 安保理決議がない事実
  • 現職国家元首を国外に連行した事実
つまり、
  • 「違法だが、処罰されない」
  • 「前例としては非常に危険」
という評価が、学界・歴史には残ります。
 
 

⑤国民の歓迎が“決定的に効く場面”

それでも、国民の支持が決定的になる場面がございます。
  • 新政府が国際的に承認されるか
  • 制裁が解除されるか
  • 復興支援が行われるか
  • 内戦に発展するか否か
ここでは、国民の支持=安定性=正統性として極めて重視されます。
 
つまり、
  • 法の世界…違法性は残る
  • 政治の世界…結果がすべて
という二重構造です。
 
となりますと、最も現実的なのは、
「国連憲章違反の疑義は指摘され続けるが、国民の支持と新政権の成立を理由に、国際社会は深追いしない」
という処理です。
 
これは、
  • 強者ほど法的正当化に執着する
  • しかし最終的には「秩序維持」を優先する
という国際秩序の本質そのものと言えましょう。
 
実は、米国国務長官のマルコ・ルビオ氏が、X(旧Twitter)へ2025年7月27日に以下の投稿をされていらっしゃいます。

 

マドゥロはベネズエラの大統領ではなく、彼の政権は正当な政府ではありません。

マドゥロはカルテル・デ・ロス・ソレスの首領であり、麻薬テロ組織が一国を掌握しています。

そして彼は、米国に麻薬を流入させたとして起訴されています。

 

これは、非常に重要な「伏線」と、私は考えます。

 

ルビオ氏の声明は、単なる政治的発言ではなく、米国側の正当化フレームの中核をなすものです。

 

そしてそのフレームには、国際法的評価とは別の「政治的整理の道筋」が含まれています。

 

以下にポイントを整理してまとめます。

 

①ルビオ氏の声明の構造

  • 「マドゥロは合法的な大統領ではない」
  • 「カルテルの首領であり、 narco-terror organization の長だ」
  • 「米国に対して犯罪を行った」
これは同時に、
  1. 政治的正統性の否定
  2. 国家ではなく「犯罪組織」への人格付与
  3. 米国の安全への直接的脅威
という三つのレトリックを積み重ねています。
 
 

②この声明がどう作用するか(国際政治)

 (1)正統性の否定 ⇒ 国際社会の“黙認”を促す

「大統領ではない」と断言することで、ベネズエラの現状を “国家体制の欠如” として提示をしております。
 
これは国際社会にとりまして、従来の国家主権秩序からの例外化の道筋を与えます。
 

(2)反社会的組織化 ⇒ “違法行動の感染源”として置き換え

「narco-terror」という語は、国際法の正当化には使われませんが、 

  • テロ対策
  • 国際安全保障
  • 麻薬撲滅
といった多国間合意を背景にした行動として理解され易いでしょう。
 
これは政治的情緒としましては、「やむを得ない介入」として作用します。
 

(3)米国の被害者性を強調

「米国に麻薬を押し付けた」という主張は、
  • 国内世論向けには有効
  • 国際的にも共感を呼びやすい
  • 特に中南米諸国には影響力が大きい
結果、国際政治における「正義の装置」として作用します。
 
 

③国家主権・正統性の剥奪は合法か?

ここは最重要点です。
 
国際法上、国家の元首の正統性は他国が一方的に否定できるものではございません
 

国連憲章も、国際法体系も、

  • 国家の内政問題として処理
  • 外交承認の有無は国家の裁量
とは明確に区別しています。
 
つまり、
国際社会の一部が「認めない」と言う≠ 法的に「正統性を否定する」
という事です。
 
 

④まとめ

  • 政権の正統性否定→国際社会の承認が分裂する
  • 犯罪的性格の強調→法的秩序の枠外に置かれる
  • 国家という単位の弱体化→「国家対国家」という従来の枠組みが使いにくい
結果としまして国際社会は「法的な違法性」を指摘しつつも、具体的な責任追及を避ける方向に傾く可能性が高い訳ですね。
 
つまり、
  • 違法とされる行為は放置
  • 正当性と責任は棚上げ
  • 新政権との関係修復を優先
といった形で、有耶無耶化(事実上の整理)が進みやすい構造になる訳です。
 
国際社会は現実的に次のバランスを取ろうとします。
 
それぞれの「立場」と「望む結果」を列記してみましょう。
  • ベネズエラ国民…安定・治安・生活回復
  • 中南米諸国…外部介入の否定・安定
  • 米国…麻薬・治安・政治的勝利
  • EU・国連…平和の回復・人道
  • ロシア・China…米国への牽制
誰も「責任追及」したい国はない訳です。
 
これは法ではなく、国際政治の利害一致の結果です。
 

⑤開発投入された政治的用語の効力

ルビオ氏の声明で使われている語彙
  • illegitimate(非正統)
  • narco-terror(麻薬テロ)
  • cartel(犯罪組織)
は、全て国際法の裁判所での証明が要求されない語彙です。
 
つまり、
  • 公式な法廷での証明責任を回避
  • 世論と外交で評価を形成
  • 責任追及を政治的に無力化
こうした効果がございます。
 
このルビオ氏の声明は、法的評価ではなく、政治的整理の枠組みを作るものです。
 
この枠組みは、
  • 法的な正統性問題
  • 違法な武力行使の責任
  • 国家主権の侵害
という冷徹な法理論とは別次元で、
  • 外交実務
  • 世論形成
  • 対米関係修復の道筋を作る
働きをする可能性が高いです。
 
そしてその結果として国際社会は、法的には違法でも現実政治としては有耶無耶にする方向に傾く可能性が高いと私は考えておりますが、皆様は如何でしょうか?

 

明けましておめでとうございます。

本年も何卒宜しくお願い申し上げます。

 

今年は丙午ということで、私のついに還暦を迎える年になりました。

 

11月生まれですので、少し時間を要しますから、何とか迎えられます様に頑張ります。

 

 

 

さて、X(旧Twitter)に昨年末から話題になっております投稿がございます。

 

 

 

という事で、事実関係を見てみましょう。

 

1.現在の含有量について

コミュニティノートにもございます通り、生後1年以内に接種するワクチンの中でチメロサール含有のワクチンははB型肝炎ワクチンの3回接種のみです。

 

現在、日本におきまして使用されておりますB型肝炎ワクチン(『ビームゲン』や『ヘプタバックス』など)の多くは「チメロサールフリー(含有量ゼロ)」或いは製造工程で除去されまして極微量しか含まれていないものが主流です。

 

例えば小児用或いは成人用では1回(0.5ml)あたり、およそ1.0~2.5µg以下、或いはそれ未満(検出限界以下)となっております製品が多いです。

 

 

2.チメロサールが含まれる成分

科学名は「エチル水銀チオサリチル酸ナトリウム」で、その重量の約50%が水銀です。

 

その「水銀」は、水俣病の原因にもなりましたメチル水銀とは異なりまして、ワクチンに使用されておりますのはエチル水銀です。

 

重要なのは、このエチル水銀の体内での代謝・排泄がよりよく研究されていることにございます。

 

◎血中半減期

新生児・乳児を対象としました研究では、血中エチル水銀の半減期(血中濃度が半分になる時間)が約3.7~7日程度30日経過しますと接種前の数値と同レベルになっているとの事です。

https://publications.aap.org/pediatrics/article-abstract/121/2/e208/68691/Mercury-Levels-in-Newborns-and-Infants-After?redirectedFrom=fulltext

 

他の評価では7日というものもございます。

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3018252/

 

つまりエチル水銀は血中で比較的短い期間で減少し、30日程度で元に戻るという事になります。

 

◎排泄経路

主に糞便を介した排泄(胆汁経由で腸管排泄)が主体でして、尿中への排泄はほとんど検出されませんでした。

https://publications.aap.org/pediatrics/article-abstract/121/2/e208/68691/Mercury-Levels-in-Newborns-and-Infants-After?redirectedFrom=fulltext

 

このことから、体外への排泄経路は主に腸を介したものと考えられております。

 

 

3.他の食品との比較

◎「エチル水銀」と「メチル水銀」は別物

チメロサール由来のエチル水銀(EtHg)は、高い毒性が懸念されます(水俣病の原因ともいわれている)メチル水銀(MeHg)と比べまして、体内動態が違います。

 

メチル水銀は血中半減期が20日以上とされます事に対しまして、エチル水銀は明らかに短い半減期を示します。

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0013935114002400?via%3Dihub

 

◎マグロの刺身と比較(参考)

マグロの赤身(1人前約80g)には、約30~40µg程度のメチル水銀が含まれております。

 

 

 

と申しますと、「経口摂取と注射での接種は違う!」という反論が出て来ることは想定済みです。

 

例えばこちらですね。

これは科学的な主張というよりは、レトリック(断定+人格攻撃)で成立しております典型例ですね。

 

 

1.この投稿の論理構造

この投稿は、以下の三段論法によって成立しております。

  • 前提A~「経口摂取と注射では影響が全く異なる」
  • 前提B~「それは素人でも知っている」
  • 前提C~「それを言う医者は偽医者か悪質なデマ」
とまあ、一見もっともらしいのですが、科学的には成立しません。
 
 

2.どこが間違っているのか(科学的な観点)

誤り1~「全く異なる」という過剰な一般化

毒性学では、
  • 経口と注射で“違いが出る事が多い
  • “必ず全く異なる”という訳ではない
実際には、
  • 経口と注射で同等の影響を示す物質
  • 注射の方が安全なケース
  • 経口の方が安全なケース
は普通に存在します。
 
「全く異なる」は科学用語ではなく、単なる断定表現です。
 

誤り2~「同じものでも」という部分が致命的

ここで投稿主が仰られます「同じもの」とは、おそらく「水銀一般」を指していらっしゃる可能性が高いのですが、そもそも、
  • メチル水銀(マグロ)
  • エチル水銀(チメロサール)
は別物です。
 
【メチル水銀】

 
【エチル水銀】

 
毒性学では、同じ元素を含んでいても、化学形が違えば別物質です。
 
これは医学生の初歩どころか、中学生レベルと言えましょう。
 

誤り3~「医者なら知っているはず」という藁人形

実際の専門家の立場は、
「経口と注射違うが、エチル水銀は血中半減期が短く、注射であっても速やかに排泄されることがヒトデータで確認されている」
ですので、
  • 経口摂取と注射との違いを否定していない
  • 違いを考慮した上で評価している
訳ですが、この投稿主は「違いを無視している」かの様にすり替えているのです。
 
これは典型的なストローマン(藁人形)論法です。
 
 

3.何故この手の投稿が強く見えるのか

理由は、以下の通りです。
  1. 常識に訴える…「素人でも知っている」
  2. 権威に訴える…「医者なら知っているはず」
  3. 人格攻撃で締める…「偽医者・デマ」
内容ではなく、印象でマウントを取ろうとする構造です。
 
 

4.マグロとの比較は意味が無いのか

◎比較が意味が無くなるケース

毒性を同一視する比較が該当します。
  • メチル水銀=エチル水銀
  • 経口=注射
  • 半減期や蓄積性を無視
 

◎比較が意味を持つ場合

  • リスク評価の直感的説明
  • 曝露量・頻度・対内残留のオーダー感の比較
という感じで、安全性を説明するための比較対象としましては、とても合理的と言えましょう。
 
実際、規制当局(WHO・CDC・EMAなど)も、
  • 魚由来のメチル水銀
  • チメロサール由来のエチル水銀
を明確に区別した上で、比較を行っております。
 
 
「この子を健康ですくすくと育てたい(育ってほしい)」と願う事は、親として当たり前のことだと思います。
 
しかしネットには、一見健康に良さげに見えますが実はデタラメという情報は腐るほど存在することも事実です。
 
もし少しでも不安に感じましたら、お近くのお医者さんに相談されます事をお勧めいたします