X(旧Twitter)の私のタイムラインに、こちらの投稿が流れて来ました。



それを受けまして、物理学者の菊池誠先生が、以下の投稿をされていらっしゃいます。



私はこの主張に、違和感を禁じ得ませんでした。


まず、整理しますね。


①「高圧経済」とは何か

「高圧経済(High-Pressure Economy)」という概念は、主にジャネット・イエレン(元FRB議長・米財務長官)らが言及して来た考え方です。


概念の中身と申しますと、

  • 失業率を自然失業率より低く維持する
  • 需要を強めに押し上げる(財政・金融で)
  • 企業に投資・賃上げ・生産性向上を促す
  • 労働市場の周辺層(高齢者・若年層・低技能層)も取り込む
つまり、多少のインフレリスクを許容してでも、需要を強く維持し、潜在成長率そのものを押し上げるという発想です。


②高市早苗氏の「責任ある積極財政」とは

高市早苗氏の主張は、概ね以下の様に整理出来ます。

  • 防衛費増額
  • 科学技術・半導体・経済安保投資
  • 減税(特に所得・投資関連)
  • 供給力強化
  • ただし「無制限ではなく責任ある」 
特徴は、需要拡大型というより「供給力強化型」という色合いが強い事です。


もう少し細かく見てみましょうか。


高市政権が掲げます経済政策の特徴的なところを、整理してみます。


①一般予算で平地に組み、補正バラ撒きをやめる

高圧経済は、景気が過熱気味でも需要を意図的に強く維持する
という思想です。


一方で、

  • 補正乱発を抑える
  • 予算編成を平時型に戻す
というのは、マクロ安定重視・制度規律重視の発想です。


これはむしろ財政の質改善であって、需要押上げ型ではございません。


②複数年予算の容認

これは完全に供給側投資の効率化政策です。

  • 防衛
  • 半導体
  • 研究開発
等は、単年度主義ですと非効率になります。


高圧経済は「総需要管理」ですが、複数年予算は「投資効率管理」です。


方向性が違いますよね。


③所謂“年収の壁”のインフレ連動

これは重要です。

  • ブラケット・クリープ回避
  • 実質増税の防止
  • 労働供給の歪み是正
つまり、労働供給制約を減らす政策であり、これも供給側強化です。


高圧経済は「需要で押し込む」発想ですが、こちらは「労働参加率改善」です。


性格が異なりますね。


④政府債務対GDP比の縮小

ここが決定的です。


高圧経済は理論上、名目GDP成長>金利でしたら債務比率は自然に下がるという楽観に立つ事が多いです。


しかし、明示的に債務比率縮小を掲げるのでしたら、

  • 財政規律
  • 成長による分母拡大
  • プライマリーバランス改善志向
が入ります。


これは持続可能性重視型の積極財政であって、典型的高圧経済ではございません。


⑤結論

整理しますと、

  • 高圧経済=需要を強めに維持し潜在成長率を押し上げる思想
  • 高市構想=供給力強化+制度規律を伴う成長戦略型積極財政
より近いのは、

  • 成長重視の保守的積極財政
  • 供給制約解除型財政
であって、
イエレン型の高圧経済とは別物です。


高市政権が掲げます経済政策は、飽く迄も【責任有る積極財政】である事に、留意が必要です。

反ワクチン厨が時折こちらの画像を以て、ワクチン不要論を主張したりします。



ネタ元は、こちらの「反ワクチンサイト」です。
死亡率がワクチン前に下がっていた
   ↓
だからワクチンは不要
という三段跳びです。

勿論、、このグラフだけでワクチンの効果を否定する事は出来ません。

むしろ統計の読み方としまして、重要な点がいくつも抜け落ちています。

それを一つずつ整理して行きましょう。

①「死亡率」と「罹患率」は別物

この図が示しておりますのは、主に死亡率(death rate)です。

しかしワクチンの主目的は、
  • 感染そのものの予防(罹患率の低下)
  • 重症化の予防
  • 流行の抑制
です。

19〜20世紀前半に死亡率が大きく低下しました理由は、
  • 上下水道整備
  • 栄養状態の改善
  • 抗菌薬の導入
  • 医療体制の向上
といった要因が大きい事は事実です。

しかしそれは 、「死亡が減った」という話であって、「感染が減った」とは限りません。

実際、多くの疾患で罹患率はワクチン導入後に急減しています。

②疾患別に見ると結論は違う

■ 麻疹(はしか)

麻疹は死亡率は戦前から低下していましたが、1963年のワクチン導入後に患者数が激減しています。

アメリカでは年間数百万例 → 数百例以下へと減少しました。

■ ジフテリア

ジフテリアは死亡率は低下傾向でしたが、
ワクチン導入後に流行自体がほぼ消滅しました。

■ ポリオ

ポリオはワクチン導入(1955年)後、麻痺症例が急減しています。

死亡率よりも「麻痺」という重大後遺症の減少が重要です。

③「ワクチンが不要だった」論の論理的問題

この画像の主張は、
死亡がワクチン前に減っていた → ワクチンは不要
という論理ですが、これは以下の誤りを含みます。

●因果のすり替え

「死亡率が下がっていた」事は、「ワクチンが無意味」事を証明しません。

●反事実が考慮されていない

もしワクチンがなければ、流行は継続・再燃していた可能性がございます。

実際に、
  • ワクチン接種率が低下した地域では麻疹が再流行
  • 旧ソ連崩壊後、接種率低下でジフテリア大流行
が起きています。

④なぜこの図は説得力が有る様に見えるのか

このグラフは心理的に強い印象を与えます。
  • 赤い面積グラフで視覚的インパクト
  • 「90%減少」という強い表現
  • ワクチン導入前から下がっていることを強調
しかし欠けている情報はと申しますと、
  • 罹患率データ
  • 接種率データ
  • ワクチン導入後の再流行比較
  • 国際比較
が挙げられます。

⑤結論

この図は、衛生改善が死亡減少に大きく寄与したという点では正しい部分もございます。

しかし、それを以て「ワクチンは効果が無い」と結論するのは不適切です。

つまり、選択的提示による因果の飛躍です。

このグラフの出典となりますサイトを運営しておりますLearn The Risk は、米国で活動する反ワクチン団体として広く認識されています。

また創設者の
Brandy Vaughan は、ワクチン批判活動で知られていました。

つまり、明確な思想的立場を持つ団体であることは確かです。

早い話が、プロパガンダに過ぎないという事です。

反マスク厨はいまだに、マスクにつきましてネガティブなガセネタを吹聴しております。

  1. 新型コロナは空気感染だからマスクは効果が無い
  2. マスクの漏れ率が云々
というものが、代表的と言えましょう。

という事で、一つ一つ見てみたいと思います。

1.新型コロナは空気感染だからマスクは効果が無い

結論から申しますと、
「SARS-CoV-2は空気感染だからマスクは意味がない」
という主張は、科学的には成立しません。

むしろ逆です。

空気感染(エアロゾル感染)するからこそ、マスクは重要になります。

①まず前提:SARS-CoV-2は空気感染するのか?

現在は国際的にエアロゾル(微小飛沫)による空気感染が主要経路の一つと認識されています。

WHOもCDCも、いずれも空気中に浮遊する粒子による感染を明確に認めています。

②「空気感染=マスク無意味」という誤解のロジック

この主張は、だいたい次の様な理屈です。
  • ウイルスは極小(約0.1μm)
  • マスクの目はそれより大きい
  • だから素通りする
  • よって意味がない
一見もっともらしいですが、物理学的に間違っています

③マスクが効く理由(物理学)

マスクは「ふるい」ではございません。

以前も記しましたし、動画でも説明させて戴きましたが、粒子捕集の仕組みは、
  • 慣性衝突
  • 拡散(ブラウン運動)
  • 静電吸着
  • さえぎり効果
特にエアロゾルはブラウン運動により繊維に衝突しやすくなります。


更に重要な事は、ウイルスは裸で飛んでいないという事実ですね。

実際には呼気中の水分を含んだ粒子(エアロゾル)に乗っておりますので、粒径は0.1μmより大きいことが多いのです。

④ 実証データはどうか?

複数の研究で、
  • マスク着用で感染リスク低下
  • N95でより強い予防効果
  • 屋内でのクラスター減少
が確認されています。

特に医療現場では、
  • N95着用で明確な防御効果
  • マスク未使用群で感染率上昇
というデータが多数あります。

⑤では、「意味がない」と言われる理由は?

理由は大きく3つございます。

  1. 完全防御ではない
    → 100%防げない=意味がない、という極論
  2. 布マスクの効果が限定的
    → 全てのマスクが同じではない 
  3. 換気が最重要なのは事実
    → しかし「換気が重要」=「マスク不要」ではない

⑥科学的な結論

SARS-CoV-2が空気感染するからこそ、
高性能マスク(特にN95)は理にかなっている
のです。

「空気感染だから無意味」というのは、 飛沫感染モデルしか知らなかった初期の混乱を逆に誤解した議論なんですね。

2.マスクの漏れ率が云々

この「漏れ率ガー!」は典型的な論点ですね。


これも半分は正しいが、結論が飛躍しているタイプです。


①漏れ(フィット不良)は実在する

事実としまして、

  • 顔との隙間から空気は漏れる
  • 特に布マスクはフィット差が大きい
  • 不織布も着け方で性能が変わる
これは本当です。


医療現場ではCDCも
フィットの重要性を強調しています。


②では「漏れる=無意味」なのか?

ここが論理の飛躍です。


感染リスクは、ウイルス曝露量(吸入量) × 時間で概ね決まります。


仮に漏れがございましても、全体の吸入粒子が30〜70%減るのでしたら、リスクは確実に下がります


「完全密閉でなければ意味がない」は
100%防御モデル
という誤った前提です。


③漏れは“相殺”される場合もある

重要なのは、

  • 出す側もマスク
  • 受ける側もマスク
の場合です。


両方で粒子を減らせば、例えば、

  • 出す側50%減
  • 受ける側50%減
 → 総曝露は約75%減

になります。


これは確率の掛け算です。


④実測データは?

実験では、不織布マスクの場合、

  • フィット改善で漏れ大幅減少
  • ノーズワイヤー有無で差
  • 二重マスクで改善
などが確認されています。


一方、
布マスク単体は性能のばらつきが大きいのも事実です。 


⑤「漏れ率ガー!」論法の構造

よくあるロジックとしまして、

  • 完全遮断でない
  • 漏れがある
  • よって無意味
これは、「傘は横殴りの雨で濡れるから意味がない」と言っているのに近いです。


⑥科学的に正しい整理

  • フィットは非常に重要
  • 漏れは確かに性能を下げる
  • しかし無意味にはならない
  • 高リスク環境ではN95が望ましい

⑦ 結論

「漏れ率がある」
という事実は正しいです。


しかし、「だから無意味」
という結論は誤りです。


インフルエンザB型が蔓延しております。



麻疹もあちらこちらで感染者が出ております。


少しでもリスクを下げる手段が有るのでしたら、その手段を採らないという手はございません。


マスクを正しく着用しまして、リスクを下げたいと考えますし、下げて戴きたいと感じます。

いよいよ明日、第51回衆議院議員総選挙の投開票日となっております。

 

ちなみに私は、期日前投票を初日に済ませて来ました♪

 

各党が政策を掲げている訳ですが、先の第27回参議院議員通常選挙で躍進されました参政党の公約で、目を引きましたのがこちらです。

 

 

 

相変わらず、「オーガニック推し」という事が記されております。
 
何故、参政党がここまで“オーガニック推し”なのかと申しますと、その答えがこちらになります。
 

 
いやあ、ブッ飛んでおりますな(笑)
 
すると、この様なレスポンスがございました。
という事で、当該論文を見てみましょう。

◎目的

農薬残留の多い果物・野菜をどれだけ食べるかと、男性の精液の質(総精子数・形状など)との関連を調べるというものです。
 

◎対象

  • 不妊治療クリニックに来院した155名の男性
  • 合計338の精液検査データを解析

◎食事評価

食事アンケートを用いまして、摂取した果物・野菜を
  • 高残留農薬群
  • 低〜中等残留農薬群
に分類しました。
 
農薬の多い・少ないは、米国農務省(USDA)のPesticide Data Program のデータに基づいています。
 

②主な結果(重要ポイント)

◎全体の果物・野菜の摂取量

総摂取量自体は、精液の質に有意な関係は見られなかった
 

◎高残留農薬果物・野菜の摂取

多く摂取する人は次の様に 精液の質が低い傾向が有った
  • 総精子数が平均約49%低い
  • 正常形態の精子の割合が約32%低い

◎ 低〜中等残留農薬果物・野菜

逆に、低〜中等残留のものを多く食べている人では、正常形態の精子割合が高い傾向が観察されました。
 

③解釈上のポイント(科学的に重要)

◎観察研究である

  • この研究は観察データの解析なので、「因果関係(農薬残留そのものが精液を悪くした)」とは断定出来ない
  • 他の食生活・生活習慣が影響している可能性もあります。

 ④どこがこの研究の新しさ?

この研究が注目されましたのは、
「食事に含まれる農薬残留の多さが、男性の精液の質と関連するか?」
という問いを、疫学的に初めて系統的に検討した点です。
 
それまでの研究は、
  • 職業的曝露(農薬工場・農作業など)
  • 環境曝露
が中心でしたが、この研究は日常の食事を通じた曝露を対象にしています。
 

⑤論文自体の限界(参考にすべき点)

農薬測定は食品カテゴリーに対する一般データに基づいておりますので、個々の参加者の体内の農薬量の評価ではありません。
 
つまり、
  • 参加者の体内の農薬濃度を直接測ったものではない
  • USDAの統計データ(米国の残留データ)が基礎になっている
という点から、推定の精度には限界がございます。
 

⑥この論文が示しているもの

この論文は、日常的な食事を通じた農薬残留への曝露と男性の精液の質との関係を観察データで初めて示した疫学研究である
という点で価値があります。
 
ただし、
  • 結果は 因果関係を証明するものではない
  • 米国の食品・農薬事情に基づいている
  • 実際の農薬濃度の体内測定ではない
という限界もあります。
 
では、この論文を日本に当て嵌める事が出来るのでしょうか?
 

①そもそも「高濃度残留農薬」とは具体的に何か?

この論文では、個々の作物を次のように分類しています。
 

◎残留農薬評価の指標

 農薬残留物データに基づいて、Pesticide Residue Burden Score(PRBS)という指標を作成しております。
 
そしてこのスコアをもとに、
  • PRBS ≥ 4 → High pesticide residue foods(高残留
  • PRBS < 4 → Low-to-moderate pesticide residue foods(低〜中等残留
としています。
(※PRBS は「複数の検査指標における残留農薬の高さ」を合算した尺度で、数字が大きいほど高残留の可能性が高い事を示します。)
 
つまり、この研究でいう「高濃度残留農薬」とは、単一の農薬が法律の基準値を超えるような状態ではなく、USDA のモニタリングデータ上で「検出頻度が高い」「複数種類の農薬が検出されやすい」食品として分類されたグループを指します。
 

②「高濃度残留農薬」と日本の基準値(MRL)との比較

日本におけます農薬の残留基準値(MRL: Maximum Residue Limit)は次の様に定められます。
 

◎日本の農薬残留基準(MRL)

◎日本と論文で使われている分類の違い

 したがいまして、論文で高残留とされた食品が必ず日本の基準値(MRL)を超えるという意味ではございません
 
むしろ、
  • USDA データで比較的検出される農薬量が多い食品群を指す
  • 日本の基準値MRLはその農薬ごとの法的上限という別の尺度を比較する必要があります。

 

③どの程度違うのか?(具体例)

残念ながら論文自体には、個々の農薬濃度(mg/kg)が記載されておらず、具体的な濃度値で「日本基準と比較」する事はできません
 
論文では、残留量をカテゴリ(高 VS 低)で評価しているため、具体的な濃度値は評価対象としていません。
ただし

④まとめ

  •  論文の「高濃度残留農薬」…USDAデータで比較的多く農薬が検出される食品群(PRBS ≥4)
  • 日本のMRL…一つ一つの農薬について法令で定められた最大許容量
  • 比較の可否…論文だけでは日本のMRLとの定量比較はできない
つまり、この論文で「高濃度」とされた食品は、必ずしも日本の法律で禁止されるレベル(MRL超過)ではない可能性が高い訳です。
 
飽く迄も「相対的に残留が多い食品群」の定義であり、日本の基準値との直接比較には別途、実際の濃度データが必要になります。
 
つまり、この論文をそのまま日本に当て嵌める事は出来ない訳ですね。
 
その辺りを、整理してみましょう。
 

①農薬評価の前提が「米国専用」

両論文で使われている農薬評価は、
  • USDA(米国農務省)のPesticide Data Program
  • 米国で許可・使用されている農薬
  • 米国の使用量・散布回数・収穫前日数
です。
 

◎日本とは何が違うか

  • 使用農薬の種類が違う
  • 散布設計が違う
  • PHI(収穫前日数)が厳しい
  • 結果として残留濃度の分布が違う
同じ作物名でも、残留の「意味」が変わります
 

②「高残留農薬」という言葉の誤解

論文中の high pesticide residue は、
  • 基準値超過
  • 健康被害が確認された量
  • ADI超過
ではございません
 
米国内の作物同士を相対比較したカテゴリー、つまり「米国の中で、比較的残留が多い作物群」という統計上のラベルです。
 
日本のMRL・ADI体系とは評価軸が別物という訳ですね。
 

③日本ではPRBSの「差」が成立しにくい

この二つの論文の肝はPRBS(相対残留スコア)ですが、日本で同じ事をやりますと、
  • 検出率…高い
  • 種類数…多い
  • 濃度…非常に低い
  • 作物間の差…小さい
となりまして、高群 vs 低群のコントラストが弱くなります
 
疫学的に申しますと、
exposure contrast が不足する=差があっても検出できない
という事になる訳です。
 

④被験者が「日本一般男性」ではない

  • 不妊治療クリニック来院者
  • 精液所見に既存の偏りあり
 これは、
  • 日本の一般集団にそのまま外挿不可
  • 日本人男性全体の話にはならない
となります。
 

⑤何が使えて、何が使えないのか?

◎日本に当てはめてはいけない主張 

  • 日本の野菜は危険!
  • 基準値内でも精子が減る
  • オーガニックでないと有害
  • この論文が日本の安全基準を否定している
 全部、論文の逸脱・誤用です。
 

◎日本でも「参考にできる」点

以下に限定されます。
  • 農薬をゼロ/非ゼロでなく「相対量」で見る視点
  • 食事パターンによる推定暴露差を疫学的に扱う方法
  • 職業曝露ではなく日常食事に焦点を当てた設計
考え方・方法論の参考としてでしたら、有用です。
 
つまり、
  • 直接適用…不可
  • 方法論の参考…可
  • 日本の安全性否定…不可
  • 基準値内有害性の証明…不可
ここまで整理が出来ておりましたら、 この二つの論文を使った過剰な主張や扇動には釣られる事は無いでしょう。

 

高市早苗総理が、2月1日のNHK番組『日曜討論』をドタキャンした事に対しまして、「サボった!」「逃げた!」「仮病だ!」といった憶測が飛び交っております。

 


それに関しまして、情報が出揃った感がございます。

 

一つ一つ整理しながら、見てみましょう。

 

①文春オンライン

 

  • 高市早苗首相が2月1日にNHK「日曜討論」への出演を直前で取りやめた件について、週刊文春がスクープとして報じた記事
  • 放送の2日前(1月30日)には出演キャンセルの準備が始まっていたと、官邸関係者の匿名証言を紹介
  • 当初、高市側は小林鷹之政調会長に代役を打診したが、調整が付かず、最終的に田村憲久政調会長代行が出演したとされる。
  • 記事は「本当の理由」について官邸関係者の証言も含めつつ、「旧統一教会」関連の別スクープにも触れており、背景や詳細は有料部分としている。

 

 

②朝日新聞

 

  • 欠席判断は木原官房長官が行ったと政府高官が説明したという報道
  • 高市総理は握手等で体調悪化があったとされ、治療優先の判断に至ったという位置付け
  • 首相自身は出演意向を示していたが、官房長官判断で取りやめになったという説明になっている。
  • 政府として詳細な説明は控えるという立場も示されている。

③毎日新聞

 

  • 高市早苗首相が2月1日朝のNHK「日曜討論」出演を欠席したことについて、政府高官が 「首相は深刻な手の症状で、私が出演キャンセルを決めた」という趣旨の説明をしたと報じられている。
  • 高市首相は衆院選公認式で多くの握手を重ねた際に関節が腫れ、痛みが悪化していたとされ、当日は治療を優先し、代わりに政調会長代行が出演した。
  • 佐藤啓官房副長官が記者会見で「政府として逐一説明は控える」と述べつつ、欠席判断は政府高官の見送り判断であると伝えている。

 

④須田慎一郎のただいま取材中!

  • 総理本人からの回答…須田氏が高市総理に直接メールで取材したところ、深夜1時前に5通の返信があったことが明かされています。
  • 代打依頼の否定…総理自身は「誰にも代役を依頼していない」と断言党本部や官房長官が、彼女の深刻な体調を案じてピンチヒッター(田村氏)を探したのが真相です。
  • 左手での執筆…メールの中で総理は「右手でパソコンが打てないため、左手で打っており文章が変になった」と伝えており、身体的な不自由さがリアルに伝わる内容となっています。
  • 出演の意思…日曜朝に医務官の治療を受ければNHKに出られると考え、当日の出発時間を遅らせるなどの調整を事前に行っていたという「出る前提」の事実が語られています。
 

⑤SAKISHIRU~サキシル~

 

  • 現場の証言…NHKのスタジオには、官邸スタッフが総理が来るものだと思って待機していたという、文春報道を根拠から覆す現場の状況を独自取材で指摘しています
  • 田村氏の急行…代役を務めた田村氏は、本番直前にキャリーカートを引いてメイクの時間もないほど慌てて駆け込んでおり、これが「周到に準備された計画的欠席」ではないことを証明しています。
  • 持病の裏付け…高市総理が13年以上前(2012年)のブログですでに「持病の関節リウマチで激痛が走る足を引きずりながら活動している」と記していた事実を引き、今回の痛みが急造の嘘ではないことを強調しています。
といった感じですね。
 
ここまで出揃いますと、全体図が見えて来るかと思います。
 

①まず「確定度が高い事実群」(媒体横断で一致) 

◎ 高市総理は「出る前提」で動いていた

  • 須田氏への総理本人メール
  • 出発時間を遅らせる調整
  • NHKスタジオに官邸スタッフが待機(サキシル)
これは「欠席ありき」では絶対に起きない挙動です。
 

◎ 病状悪化は実在(しかもかなり深刻)

  • 左手でしか打てないメール
  • 写真で確認できる明らかな腫脹
  • 2012年ブログによる長年の持病の裏付け
仮病・言い訳説はここでほぼ排除されます
 

◎官邸(官房長官ライン)は「止める方向」で動いた

  • 朝日…木原官房長官が判断
  • 毎日…政府高官証言
  • 文春…代役探しは事前に進行
判断主体は一貫して「官邸」という事が分かります。
 

②ここから見える「決定的な構図」

◎主役は“2人”いる

  • 高市総理本人…「責任は自分が取る」「多少無理でも出る」
  • 官邸(官房長官・医務官)…「倒れたら国家リスク」「止めるのが職責」
どちらも合理的で、どちらも正しいのです。
 
問題は「どちらが悪いか」ではなく、最終判断が共有される“タイミング”が致命的に遅れた事ですね。
 

③これで「ドタキャンに見えた」理由が全部説明できる。

◎NHK・現場が知らなかった

  • 官邸内でも「全体共有」が未完了
  • 現場スタッフは「来るもの」と認識

◎田村氏がガチで準備不足

  • キャリーケース
  • メイク時間なし
  • 本番直前に駆け込み
“計画的欠席”でしたら、これは100%起きません
 

④文春は「外してない」が「刺し切れてない」

重要な評価点です。
 
文春の
  • 2日前から体調悪化
  • 代役検討
これは“当たり”ですが、「ドタキャン」「逃げた」というニュアンスは、須田・新田両氏の取材で否定された形になります。
 
つまり、文春は途中経過は掴んでいた訳ですが、最終局面を誤読したという訳ですね。
 

⑤政治的評価

◎内向き(国内)

  • 説明不足で叩かれた
  • 文春に物語を作らせた

◎外向き(外交・安全保障)

  • 重病隠し・権力空白を見せなかった
  • 短期離脱→即復帰で「統治継続性」を示した
国家運営としましては後者の方が圧倒的に重要です。
 
この騒動を一言でまとめますと、これは「誰かが嘘をついた事件」ではなく、「責任感の強い首相」と「止めざるを得ない官邸」が最後の最後ですれ違った、極めて人間臭い政治の現場と言えましょう。
 
そして須田・新田両氏の動画は、その“人間の部分”を補完する決定打になっています。
 
文春のこの記事は、
「裏帳簿と統一教会からのバー券購入」の記事
「統一教会に挨拶状を送っていた」という記事
 
その為には、
「高市総理は討論から逃げた」
という“設定”が必要なのです。
 
そもそも文春は、「個々の事実の確度」ではなく、「読者の頭の中に形成される“関係性の絵”」を重視する編集をする媒体です。
 
しかし、レフトスタンドの全国紙二社から否定する記事が出てしまった以上、その“設定”は崩壊したと私は見ます。
 
今回の所謂“文春砲”は、「空砲だった」という様に思えますが、皆さんは如何でしょうか?