年末年始は実家に帰ってきました。

普段なかなか会えない兄に会えて、家族とお酒を飲みながら長らく語らったり、

じんわりゆっくり流れていく時間に、感傷的になってしまったのは、大人になった証なんだろうか。

私は早く大人になりたいと、背伸びして大きくなったタイプの人間だから、

子供のままでいたいとか、大人に中指を立てて生きてきた訳ではない。

だから、このむず痒い感情も愛おしく感じれるのです。求めていたものを手に入れた気分さえする。

 

そんなこんなで、ダラダラと過ごしていた年始。

初詣も行けず、新年始まった感じしないなあと思っていたのもあって、

妹と2人で初詣ならぬ初映画を観に出かけました。

妹と観に行こう!と前々から計画していた、『えんとつ町のプペル』。

 

馬鹿みたいに泣いてしまいました。

大人も泣ける絵本という謳い文句がありましたが、これは大人“が”泣ける映画だと思います。

特に息子を持つお父さんとか、心にくるものがきっとあるんだろうな。

 

幼かった頃、地元の川によく父と兄たちと出かけました。

上流は流れが早く、でこぼこした岩場は不安定で、恐かった。

どんどん先に進む兄たちに、負けじと必死についていこうとしていた私。

そんな私の前に大きな岩が立ちはだかった。悠々と飛び越える兄。足が震えて前に進めない私。

その時、大きな手が私の前に差し出された。父の手だった。父は私をひょいと持ち上げて、岩の向こうへ連れていってくれた。

今でも思い出せる、あの手の温かさと安心さ。この手に捕まっていればいいんだ、私は安全だって、思えた。

何よりも信じられる、父の手。

 

プペルを観終わった後、そんなことを思いだしていました。

妹も泣いていたようだけど、恥ずかしくて、隠れながら涙を拭いた帰り道。

大人の私には、大きな岩が前に立ちはだかっても、もう父の手が側にある訳じゃない。

でも、あの日の、あの時の、父の手の記憶がいつでも私の側にいてくれてるような気がする。お守りみたいに。

 

いつかできる自分の子供にも、この手の温かさを伝えられるかな。頑張るよ、お父さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年1月。

同じ年を生きる同級生たちは、ほとんどが22歳になったが、私はまだ21歳だ。

これが、私にとって人生で初めてもらった“ハル”だった。

 

“ハル”とは、《衝撃や驚き・小さな幸せ》のことであり、もちろん私が作った造語。

季節の春が、前触れもなくいつの間にかやってきていることが由来で、

私がこの一年の中で一番好きな季節だから、という理由。

そもそも春の境界線ってもの凄く曖昧で、3月って春?論争から6月って春?論争まで繰り広げられる、へんてこな季節。

私の“ハル”も、他人から見たらもの凄くへんてこで、曖昧なものかも知れない。だから、この言葉はピッタリなのです。

 

21歳、水瓶座、A型の私は、映画の世界で働いています。

 

職種は主に、助監督。気まぐれでAP(アシスタントプロデューサー)をやったりも時々。

助監督ってなんぞやの話は、長くなるので今度じっくりゆっくり、ね。

ほとんどがフリーの裏方業界で、私は変化球を好み、とある制作会社に勤めています。

今年で早くも2年目。右も左も分からない私にとっては怒涛の2年でした。

連ドラ3本に映画2本、単発ドラマ2本、情報番組とか、オムニバスドラマも撮りました。

とにかくがむしゃらに駆け抜けて。辛いことの方が多くて、何度も泣いて。

でも、映画作りの現場には、小さな幸せが、本当に沢山散らばっているんです。

“ハル”がそこかしこにあって、時々、空から唐突に降ってきたりなんかするんです。魔法みたいに。

沢山のハルを拾い集めて心に刻んだ、かけがえのない2年間だったなあ、と2020年の年の瀬に、想い馳せました。

 

2021年のハルを見つけるのが今から楽しみで、ワクワクしています。

 

まずは、年明け一発目の連ドラ撮影から、頑張ろう!