あちこちから蕗の薹が顔を出してきた。
土の中から萌えいずる春。
あのほろ苦さは、春のいのちである。
やっとミラノの冬季オリンピックが終わった。
3月6日からはパラリンピックが始まるが、潮が引くように静かになってしまった。
たしかに、オリンピックでは感動する場面がたくさんあった。
でも、もう国別でメダルの数を競うことなどやめようよ。
個人やグループの称賛でいいじゃないか。
オリンピックなど関係なく、戦っている兵士がいる。
オリンピックなど関係なく、逃げ惑う市民がいる。
腕や脚を失った兵士。
腕や脚を失った市民。
心に深い傷を負った兵士。
心に深い傷を負った市民。
帰らぬ人になった兵士。
帰らぬ人になった市民。
日本でも軍靴の響きが近づいているように感じる。
お昼に食べた蕗の薹のほろ苦さが、いつまで経っても平和にならない地球の悲しみのようであった。

