雨が降っている。

暦の上では春雨になるのだろうが、やや冷たい雨だ。

数ヶ月も雨らしい雨が降らなかったので、恵みの雨になるだろう。

 

レモンの木に、1個だけ鮮黄色の実がついている。

一ヶ月ほど前に全部採り切ったと思っていた実が、ひとつ採り零していたのだ。

 

降る雨を見ながら、無聊を託つため大岡昇平の「事件」を再読してみる。

再読していると、自分でも驚くほど読み落としがあった。

新しい発見といえば悦ばしいが、きちんと読んでいなかったということだ。

 

いやいや、レモンにも採り零しがあったように、完璧な人間なんていないよな。

バートランド・ラッセルだって「怠惰への讃歌」を書いてるじゃないか。

 

それにしても、最近やけに眠い。

「春眠暁を覚えず」と言うが、やはり春なのか。

 

「朝寝せり猛浩然を始祖として」 水原秋櫻子