-------- AUTHOR: khanczy TITLE: 舟と船、蝴蝶と胡蝶、車輌と車両、我と吾 DATE: 08/23/2011 15:05:00 PRIMARY CATEGORY: 一  漢字、字源を「中国語」で解析 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 ALLOW PINGS: 1 CONVERT BREAKS: 1 CF50_USERNAME:ivory.ap.teacup.com/khanczy/ ----- BODY:  

 

漢字の基本は象形文字、会意文字だが、大多数は形声文字である。「船」chuánという字に「沿」の右のようなものがついており、 「沿」yánと似た音または同系のことばが派生して「舟」の一種を指すようになったと解釋(解释、解釈)できる。  

したがって、重要なのは形声文字の音符(声符)であり、 「蝴蝶(こてふ)」húdiéが「胡蝶」húdiéになり、 中国で「人材」réncáiが「人才」réncáiになり、日本で「車輌(しゃりゃう>~りょう)」の「輌」の「車」が省かれ、「車両」となるのも、音で十分だからである。  

 

漢字の形を古い形までさかのぼって、これは人、これは手、これは水をあらわし……などと考えていては字の意味はわからない。 

 

特に「我」wŏや「吾」wúが「われ」を指す理由も音を考えないとわからない。これは一種の假借字である。  

 

「我」はもともと、「ホコ」を指したが、上古代漢語でŋarであり、古代シナ人が一人称をŋaのような語であらわしたようなので「我」であらわされた。「你」nĭと「妳」nĭ(廣東語nei)、「他」tāと「她」tāは人称代名詞だが、「俄」éと「娥」éは人称代名詞になっていない。 

 

日本で現代漢語を印刷すると、「嗎」が「鳴」に、「你」が「称」なっていたことがある。これは作者のミスでなく、活字を拾った編集者のミスであろう。日本では「您」が「恁」や「悠」と区別されず、「李」も「季」と混同されている。特にインターネットではひどい。これでは「後」を「俊」と勘違いする中国人を笑えない。  

 

「吾」は「ことば」が原義だったが、ŋagという古音だったので一人称になった。ŋar とŋagのように、古代漢語では同系語や音符の同じ形声文字同士で語末のrとgが対応している例が多い。「吾」wúをよく見ると上の「五」wŭが音符で、下に口がついているから、それで「ことば」をあらわしたのだろうが、これが「われ」の意味になったので「言」が追加され、「吾」の原義は「語」ŋɪag>ü=y(yŭ)が受け持った。

 

「語」は下で「口」が二つ重複しており、手をあらわす「爪」と「又」が 重複していた「受」shòuに「扌(手偏)」が 追加された「授」shòuや、「灬」と「火」が 重複した「然」rán>「燃」ránのように、意味の強調のために部品を重複させたものだ。  

 

序論まえがき

 

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関連語句 

蝴蝶 胡蝶 人材 人才 ----- -------
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参照

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平成13年、中国政府による漢字の規範

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