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中国には56の民族がいると言われる。
しかし、漢族の話す漢語の各「方言」は欧洲に持っていけば独立した言語に匹敵すると言われている。
それなら漢語の7つの方言(北方、呉、閩、粤、客家、湘、贛)を話す漢族は漢系、シナ系の7民族で、中国は62民族か。

一方で、漢族以外の「少数民族」も55が互いにまるで関係ないわけがない。
満州族以外にもトゥングース系民族がいくつか存在するし、ウイグルとウズベク、カザフ、キルギスはトルコ系民族だ。
壮族はタイ系の民族で、壮族だけでも西暦2000年で1617万8811人、1618万人近くいる(中国地図出版社『新編実用中国地図册』2003年)。タイ系の諸民族にはその名もタイ族というのがいて、東南アジアのタイが「泰」であるのに対し、中国のタイ族は「傣」、發音も「泰」は Tai で「傣」は Dai である。
この壮族とタイ族を含めたタイ系の諸民族の人口を合わせると2000万台に達する。

同様にチベット族も西暦2000年で541万6021人いるらしい(前掲書『中国地図册』)が、これは蔵族とされる民族の人口で、中国のチベット系諸民族を合わせると、やはり2000万台に達する。

そしてモンゴル系、トゥーングース系などをそれぞれ一つづつのグループにすると、漢族以外で15のグループに絞られる。漢族を入れれば、当然、16民族になる。
そして漢族を7つの漢語方言に話者に分け、これらを7つの「民族」と解釋すると、22民族になる。

漢語の「方言」の中でも少数派に属する湘方言、贛方言はおよそ2000万~3000万の人口で、統計のデータによれば、タイ系、チベット系のそれぞれの合計は、漢語の1つの「方言」の話者よりも多くなる。

北京の中国地図出版社『新編実用中国地図册 XINBIAN SHIYONG ZHONGGUO DITUCE』(2003年)には中国の民族分布は色分けの地図で示されている。廣西と雲南のあたりは色のモザイクだ。
また、チベットは西蔵自治区だけでなく、青海省南部と四川省西部もチベット人居住区になっていることがわかる。
これは民族分布図なので、漢族地域は漢族を示す色で塗られており、地理的な漢語の方言の違いはわからない。

一方、三省堂の『クラウン中日辞典』(2001年)では裏表紙の裏見開き、同社の『デイリーコンサイス中日辞典』では表の表紙の裏見開きで中国漢族地域の方言区分が色分けの地図で示され、内モンゴルとウイグルとチベットの色分けがない代わりに、沿海南東部の江西省、浙江省、湖南省南東部、福建省、廣東省、廣西壮族自治区南東部がほかと違った6種類の色で塗られている。

この「中国の民族分布図」の漢族の部分と「中国漢族地域の方言分布図」を頭の中で合わせてみると、中国の民族と言語の分布がよくわかる。
└→「民族分布図」と「方言分布図」を重ねてみると

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2009年2/4前後


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