【静鉄1000形・JR211系と315系】2024年末までに静岡から消える車両・入る車両

静岡市周辺の鉄道車両は短期集中で新車への置き換えが進む。
JR東海は2024年度中(多くは2024年末=2024年12月31日までに)211系5000番台が撤退。新型車両315系3000番台(4両・U編成・オールロングシート・トイレあり)が6月1日から運行開始した。11月頃までは東海道線(熱海~豊橋)主体の運用だが、以後は御殿場線と身延線でも運行開始する。
一方で静岡鉄道(静鉄)は旧型の1000形が残り1編成となった。6月30日に「さよならイベント」を開催との事で、この日を持って現役引退となる。なお、1000形は福井(えちぜん鉄道)・熊本(熊本電鉄)の私鉄に転属しそちらで走っているので、この車両自体「乗る事が出来ない」わけでもない。
今まで「空気のように当たり前」だった211系と1000形。乗車・撮影は数えきれないほど行った。「最後の姿もしっかり記録しておく」と言うオタク魂なのか、コンプリート精神なのか、1回でも多く乗って(見て)おきたいという惜別感なのか、その辺は「人それぞれ」だが、私の中では「もういいや。最後は簡単に」と思っている所がある。一応「記録」と言う後世に残る「資料作り」のために写真程度は撮影する事にした。
1000形は明確な引退日がわかっているが、211系はそれが公表される事はなかろう。ある日突然消えて終わり。そうなる事を知りつつ…。
2024年4月22日と4月28日に撮影
 

【静鉄×ヒロアカ】

 
↑静岡鉄道と漫画「僕のヒーローアカデミア」(通称ヒロアカ)とのコラボレーション企画を3月17日~6月16日まで実施中。色の付いたA3000形(7編成)にヒロアカのキャラクターが登場し、ヘッドマークも付く。A3004編成では登場人物による車内放送も実施していた。
ヒロアカ人気でどうやら増客になっているように見える。駅では若い女性がスマホで撮影。それは鉄道車両や鉄道施設が対象では無く、車両や駅にあるヒロアカのキャラクターと一緒に撮影するものである。第一にヒロアカなのだ。
 
 
↑…とは言え「ヒロアカ」はなんなのかさっぱりわからない。漫画なんて十数年読んでいない(それに驚く読者の方が圧倒的に多いと思う)。とりあえず「教習中」としておく🤣
 

【静鉄1008編成×ヒロアカ】

 
 
↑1008編成×ヒロアカ
1000形1008編成は特にヒロアカとは関係ない。柚木駅のホームにヒロアカのパネルがあったので、これとセットで記録(撮影)しておく。どうやらこういう撮り方はフツーやらないようで、「ヒロアカのパネル単品撮影」が多いようだ。

【これで満足。1008編成最後の活躍シーン】

 
↑柚木にて
 
 
↑柚木~長沼(新清水行き)
 
これを撮っただけで「満足」となった。自己評価になるが(読者の皆さんの評価はここでは考えない)「完璧に撮れた1000形」であった。「今日はこれで終わり」と思ってしまう。
しかし、静鉄電車1日乗り放題のきっぷ(700円)で柚木駅に来ている。新静岡駅からだと片道170円に過ぎない。これで戻ったら340円で終わり。「金額以上乗り倒す」と言うのが私の中では第一目標にしているので、この考えが支配的になり引き下がるわけには行かなかった。
 
 
↑長沼~柚木(新静岡行き)
静岡県護国神社の辺りに移動して折り返しの新静岡行きも撮っておく。
 

【平均的な静岡市民ならば明らかに分かる場所に315系が堂々と置いてあった】

 
 
↑柚木駅から少し歩く。大型商業施設マークイズ静岡の裏手に進む。ここにはJR東海静岡車両区がある。新幹線と東海道線をオーバーパスする道路(東静岡大橋)があり、このおかけで国道1号線(現道)と南幹線(静岡県道407号線・昔はカネボウ通りとも言っていた・俗にテレ静通りとも言う)と言う静岡市内における最重要道路を南北に一直線に接続している。もちろん交通量も多い。
ところで、一般に鉄道の車庫と言うのは公道から見えない事が多い。見えたとしても巨大な柵によって塞がっている。静鉄の長沼車庫のようにホームから見える所もあるが、これは私鉄や九州のJRで多い。一応は静岡県内のJRも公衆から見えにくい所に車庫や工場があるものだが…
 
↑堂々とマークイズ静岡の裏に車両が止めてあった。平均的な静岡市民(静岡県中部民)ならばスグにわかってしまう場所である。しかもこんなわかりやすい場所に見た事のない車両がある。ナント315系だ。
編成番号はC112、東京方の先頭車はクハ315-3012となっている。静岡の車両ではない事がわかる。これは神領車両区から貸出中の車両。静岡県内で試運転をしていた。主に設備の確認、メンテナンス作業の確認、乗務員のハンドル訓練である。この日は偶然休みで、他に止めておく線路もなかったので、マークイズの目の前になったのだろう。という事情はわかっているが、それにしては「大サービス」し過ぎである。
 

【静岡県内唯一の複々線区間で静鉄とJRを同時撮影】

 
 
↑県立美術館前駅付近でもA3000形や1000形を撮影する。
この後向かったのは狐ヶ崎駅である。入江岡駅付近まで東海道線と並走する区間で、見た目は静岡県内唯一の複々線である。しかし、実際には渡り線があるわけではないし、架線電圧や保安装置も異なるので、静鉄とJRの車両が相互乗り入れする事は不可能である。狐ヶ崎駅ホームからだと静鉄とJRの車両が同時撮影出来る「お立ち台」なのだ。他にも桜橋駅や入江岡駅も同様であるが、個人的には狐ヶ崎駅の方が気に入っている。
 
 
↑785М浜松行き(313系T17編成+T12編成・6両)
 
↑760М沼津行き(313系W6編成+211系GG8編成・4両)
 
 
↑471М浜松行き(211系GG7編成+313系W8編成・4両)
 
 
↑1008編成(新清水行き)
 
 
↑480М熱海行き(313系W1編成+211系GG1編成・4両)
 
 
↑787М浜松行き(211系LL20編成+LL16編成・6両)
 
 
↑1008編成(新静岡行き)
 
 
↑473М島田行き(211系SS1編成+313系8000番台S?編成・6両)
この組み合わせが見られたのは2年弱と意外と短かった。
 

【1008編成で新清水~新静岡を1往復】

 
 
↑乗る事も忘れてはいない。フリーきっぷなので新清水~新静岡を1往復する。「昭和の電車」と言うのは2020年代になると「遠い昔の物」と思ってしまった。ボンヤリと乗っているのは最高の至福である。独特な走行音、乗り心地、静鉄で体験出来るのはもう1カ月切っている。時代の流れを感じたとともに、それはその分自分の年老いたのだとしみじみと思った。
 

【車庫への入庫列車。新静岡発長沼行きに乗る】

 
↑最後に簡単にこれも書いておく。新清水19時52分発(土日祝日ダイヤ)は長沼行き。純然たる車庫への入庫列車であった。静鉄電車は19時以降は本数が減る。このタイミングで車庫へ入れる営業列車があるのだ。但しこれは新清水発だけで、新静岡発(この場合長沼駅の配線の関係上1つ手前の柚木行きとなる)は平日朝のみの設定である。
清水区内だけの利用も多いので、新静岡まで行く必要が無い列車を設定したのかと思うが、回送にして車庫に戻すのは出来ればやりたくないだろう。
案の定車内はガラガラ。草薙駅までで多少の乗り降りがある程度で、あとは全員長沼までの乗車。そのお客も目的地は長沼と言う事で重宝しているのかと思った。逆に乗り継ぎで新静岡へ向かうお客は3~4人程度しかいない。乗り換えがわかるのであれば、最初から乗っていないのだ。
長沼駅に到着するとお客を即座に下車させる。30秒もしないうちにドアが閉まり、新静岡方へ動き出す。本線上で停止し向きを変える。渡り線を通り長沼車庫へと吸い込まれる。これでこの日の運行は終了。長沼駅のホームには今日は使わない車両が1本止まっていた(夕方ごろに車庫からここへ移動する)。
新静岡行きに乗り換えて、新静岡駅に着くと1番線と3番線は既にA3000形が2本止まっている。消灯していたのでそのまま翌朝まで”マルヨ”だ。驚いた事に19時30分以降終電(24時前)まで2番線だけで発着させていた。この事は初めて知った。