★【18きっぷで静岡→水戸・勝田】列車が31分遅れるとこうなる!

【青春18きっぷで朝一番から夜最終まで乗りまくり!静岡から勝田(茨城県)を1日で往復する】

 

 

↑青春18きっぷ1回分を使い朝一番から夜最終まで乗りまくる。とは言っても必ずしもJR線だけではなく、課金(別料金)で私鉄線にも乗る。今回は茨城県の関東鉄道竜ケ崎線とひたちなか海浜鉄道湊線に乗る。

ところで、乗り鉄(鉄道旅行)と言うのは「ダイヤ通り行って当たり前」と言う認識を持たれている方も多いだろう。5~10分程度の遅れならば「気にしない」と言う人も多いと思うが(地域性にもよる・”いらち”が多い関西人に限っては1分遅れでも駅員に苦情を言う客は少なくない)、これが30分、1時間、2時間も遅れれば以後の予定に狂いが生じる。私は意外とそういう経験は少ないのであったが、「まさか」と言う所で列車が遅れ始めて結局は予定変更となった。そうなった時は「どうしよう」と慌てたり怒ったりするよりも、「状況に応じて次の行動を考える」と言う柔軟さは読者の皆さんにももってもらいたいものだ。

 

2023年7月29日(土)乗車

 

【定番の東海道で東へ進む。211系オールロングシート・トイレ無しも終了へ】

 

↑西焼津5時38分発・120М静岡行き(JR東海静岡車両区LL7編成の3両・クハ210-5024)と静岡で乗り継いだ5時54分発・722М三島行き(同GG編成2本連結の4両・GG5編成クハ210-5053)は静岡名物211系であった。

オールロングシート・トイレ無しと青春18きっぷ愛好家(18キッパー)からは嫌われる車両である。

しかも各駅停車。東西に長い静岡県。熱海~新所原(豊橋)を走破するのに3時間以上はかかる。313系であってもトイレこそはあるがロングシートが基本なので、長時間乗車は決して快適とは言えぬ。

地元の車両なので十分乗り慣れた。1時間弱の乗車ならば苦でもないが、これが2時間前後になると流石にしんどい。この当時のダイヤは中運転基本の「ぶつ切りダイヤ」だったので、2時間前後乗車となる列車はそうそう限られていた。乗り換えが1回あれば、同じタイプの車両でも気分転換したかのような感じになって、「1本で2時間」と言うよりも「1時間×2本」(つまり2本の列車に乗車との事)の方が良いと。

ここで211系5000番台と言う車両の評価をすると長くなるので、これくらいにしておくが、この車両は2024年度中の全廃が決まった。少なくても「トイレ無し」は解消される。新型の315系はロングシートなので、18キッパーが期待する転換クロスシートではない。だが大垣や神領から移籍の313系には転換クロスシートが備わっているので、運よくこの列車に乗れれば、それは快適な移動区間にも様変わりと何とも微妙な感じになる。

 

【JR東日本の区間(熱海~東京~勝田)はグリーン車で移動。2024年3月16日から普通列車グリーン券料金値上げの理由は?】

 

↑三島7時05分発5326М宇都宮行き(JR東日本国府津車両センターE233系3000番台10両E14編成・熱海までは1号車クハE232-3014・熱海からは4号車グリーン車サロE232-3014)に乗る。

JR東海管内では「上野東京ライン」と言う名称は原則使わない。「東京経由宇都宮行き」と言う案内である。18きっぷであっても普通列車グリーン車自由席はグリーン券を買い足すだけで乗車が可能だ。首都圏の多くで走っている「2階建てグリーン車」は乗れるのだ。

この時のグリーン料金は800円(土日料金・51キロ以上)であったが、2024年3月16日以降は料金が改定され、50キロまでは750円、100キロまでは1000円、101キロ以上は1550円となった。熱海から乗車の場合は品川までだと1000円で済むが、新橋以東は1550円と倍近い値上げになる。これが往復だと3100円。決して安価ではなくなった。

そうする理由は人手不足対策なのかと思う。グリーンアテンダントと言う専任の乗務員が居るが、必ずしも全列車・全区間で乗務とは限らない。熱海~沼津のJR東海区間ではまず乗務する事はない。車掌が検札に来るわけでも無いので、同区間のグリーン車乗車に関しては事実上の信用乗車方式となっている。JR東日本区間に入っても朝の列車だと熱海から乗務の事は少ない。国府津でやっと乗務開始と言った感じだ。日によっては東京まで乗務なし(これも事実上の信用乗車方式)も意外と珍しくない。

JR東日本の子会社の社員であるが、最近では正社員登用もあるらしいが、基本的には契約社員(数カ月契約と言われている)で、乗務員と同じく泊まり勤務もある。決して給与も高いわけではないらしく、辞めようと思えばいつでも辞められる。正社員にして「囲い込み」と言う考えに転換?らしいが、カスハラも平気である仕事なので、長続きする人は少ないと感じる。そうなれば「給与で釣る」しかなく、その原資はどこから?となれば、それはお客から徴収するグリーン券の値上げなのだ。

…そういう裏事情があるのはわかっていたので、納得するしかない。これは世の中どのサービス・モノの購入でも言えてきている事で、結局は実質賃金アップをしないと一般庶民の生活が豊かにはならない。

 

【東海道線→常磐線どこの駅で乗り換えるか?】

 

↑昔ならば間違えなく「上野一択」である。上野東京ラインが出来てからは上野発着の列車も残されているが、品川行きと言う列車も多数設定。定期の特急列車(ひたち・ときわ)は全て品川発着だし、E531系を使った列車(土浦・水戸・勝田行き)も多くが品川発着。E231系を使った列車(我孫子・取手行き)も同様だ。

そうなると東海道線→常磐線への乗り換えは品川、新橋、東京、上野で可能だ。ではどの駅で乗り換えるか?これは人によって違うだろう。理由はいろいろあると思うが、私は東京駅にしている。

東海道線は「東京駅まで(から)乗るべきだ」と言う考えが支配的であるが(乗り換え相手が総武線快速であっても同じ)、東京駅だと階段を使う事なく対面乗り換えが可能な所が大きい。基本的には東海道線列車は7番線着→常磐線列車は8番線発。逆に常磐線列車は9番線着→東海道線列車は10番線発。北行き・南行きともこれが基本パターンなので、乗り換えがあるとは言え楽に出来る。

 

↑東京駅8番線品川方には「禁止事項」として、脚立・三脚・自撮り棒の使用禁止、フラッシュ撮影禁止、罵声等の危険行為、そして関係者以外立入禁止であった。未だにこういう当たり前の事を知らない輩が居るのは事実だ。ホームでも平気で三脚・フラッシュ撮影をして、その作品を「成果」としてSNS等にアップする。それが「価値のある写真」とは思えない。撮影技術としては「未熟」である。

 

 

↑9時24分発勝田行き特急ときわ55号(E657系・K1編成・クハE656-1)が来た。全車指定席の特急だ。スワローサービス(もう死語か)導入で、チケットレス特急券に対応。首都圏の特急ではそれが当たり前になっている。

18きっぷでは当然乗る事は出来ない。やろうと思えば特急券だけ買っておいて乗車券は18きっぷで誤魔化す(指定の座席に着席していれば、車掌がきっぷを確認する事はほぼ無い)事は理論上十分可能である。そういう事をやる「確信犯的な乗り鉄」の1人や2人居てもおかしくない。そもそもそれをネットに公言した時点で大批判を食らうが。

常磐線特急は勝田以南だと「ひたち」(ノンストップ型)と「ときわ」(主要駅停車型)の2本立て。両者合わせて1時間に1本ずつ、合計すれば同2本(概ね30分に1本)運転と本数も多い。どう考えても都内から茨城県には特急の方が便利で快適で速い。特急券をケチろうならばE531系の普通列車(上野~取手は快速運転だが)だけも選択肢としてあるが、それでも東京~水戸だったら2時間弱だ。特急の倍(ひたちだと1時間10分前後)かかるが、それ程度の時間で済むならば、選択肢としてはアリだろう。但しそれは18キッパーの場合で、地元民は安くて快適な高速バスに流れている土地柄である事も忘れてはならない。

 

 

↑9時35分発1149М土浦行きに乗る。この時間から夕方までは土浦行きしか存在しない。輸送量に差があるので昼間の土浦以北は10両も要らないのだ。5両の付属編成で十分なのだ。

 

【日暮里で運転見合わせ】

 

↑日暮里に着いた所で動かなくなってしまった。理由は次の三河島駅で信号トラブルのため。9時45分発の反対列車も来ず。どうやらこの直前で起きたらしい。輸送障害(設備トラブル、人身事故、踏切事故、大雨など)発生直後は情報が錯綜する。何が起きているかわからないので「念のため止まっています」となる。時間が経過すると徐々にわかりだす。

 

↑こんなようにどんどん遅れ時間が延びる。どうやら宇都宮線尾久駅付近の沿線火災も影響しているらしい。三河島駅のトラブルは結果的にスグに解消されたが、尾久駅の沿線火災は13時過ぎまで続いた。この結果約4~5時間上野~大宮(高崎・宇都宮)は運転見合わせになり、上野東京ラインや湘南新宿ラインを介して東海道線列車もダイヤはズタボロになる。常磐線への直接の影響はないと判断されて、10時18分に運転再開。この時点で31分遅れだ。

 

【輸送障害(列車の遅れや運休)により以後の予定を急きょ大幅変更する柔軟さが大切】

 

↑E531系の2階グリーン車もE231系と全く同じ。細かい差異は探せばあるもののそれを見つけるのは大変な作業だ。グリーン券は竜ケ崎市駅まで購入していた。行く途中で関東鉄道竜ケ崎線を乗りつぶす予定…だったが、上記の輸送障害により行く事を中止した。たかが31分遅れてもこんなに予定が変わる。予定通り進めても良かったが、そうすると先の予定変更の方が面倒なので止めた。

輸送障害が起こると「今後どうしたら良いのか?」「何故予定変更せないかん?!」「きっぷの取り扱いについては?」等々いろいろ問題が発生する。きっぷに関しては余計な知識が無い人は駅員や乗務員に聞くか、JRのHPを参照するしかない。

今後の予定については自分で決めるべきもので、誰かが決めるべきものではない。取引先等「相手」がいるならば輸送障害発生がわかった時点で連絡(電話・メール・ライン等)して、状況説明の後に「相手」の出方を探るしかない。それで決めるしかない。

商談や会議等が中止(延期)ならば帰るしかない。

その場合は「旅行中止」と駅で申し出れば「無賃送還」と言って無料で出発駅に戻れる。きっぷの代金も全額返金されるし、新幹線・特急・グリーン車に乗っていたら帰りもそれに乗る(しかもタダで)事が出来る。これが遊び目的の利用でも「行かない!帰る!」と決めれば同様の取り扱いになる。

それが適用されないのが「18きっぷ」のようなお得なきっぷで、商品にもよるが基本的にはその取り扱いは無いと思って良い。

結局は「柔軟さ」が大切で、輸送障害が発生したらどうやって今後行動するのか?を考える必要がある。そのためには「情報」が必要だ。スマホ1台で今や容易に入手出来る。その「情報」を「総合」して、「どうすればうまくいくのか?」と決めるのは自分の仕事である。これには正解も間違えもない試験なのだ。

この時はグリーンアテンダントに「土浦まで乗り越し」と伝えてグリーン券情報を更新する。料金に変化がなかったので追加徴収額は0円であった。

 

【土浦以北の常磐線普通列車はE531系5両が主体】

 

↑土浦駅には31分遅れて11時32分着。1149Мとして乗ってきた車両(E531系10両の勝田車両センターK419編成)は折り返し11時13分発1166М品川行きで折り返す。

しかし、1149Мが遅れて到着したため、1166Мも出発が遅れる。だが列車番号表示は1168М(11時35分発品川行き・結果的に定時運転)であった。どうやら1166Мは運休となり、車両は1本後の1168Мにスライド。ダイヤ上は定時運転列車とさせたのであった。

利用者にしては一安心だが、鉄道側にとっては車両運用は乱れる事になる。これについては後日別のタイミングで元に戻すと聞いた事がある。昼間は同じ編成が品川~土浦を何往復もする運用らしい。朝・夜に勝田行きとして運転して車庫に入るようだ。

 

 

↑土浦以北もE531系。こちらにはグリーン車が付いていない。5両付属編成であった。この車両が福島県原ノ町駅まで広域運用されている(別途水戸線・東北本線黒磯~新白河もある)。

本来ならば11時12分発629М勝田行きに乗り換えが出来るはずであったが、31分も遅れれば待ってくれない。1本後の11時48分発631М水戸行き(定時運転・5両・K454編成・先頭5号車クハE531-1004)に乗る。

この時は車掌が乗っていたが、2024年3月16日ダイヤ改正以降はワンマン運転になったようだ。利用方法はほぼ変わらない。全部のドアが開くし、運賃精算は駅で行うのも変わりない。ドアの開閉は運転士が行うようになったが、運転席頭上にあるテレビ画面にホームの状況が映し出され、これを見ながらドア開閉のタイミングを決める。E531系5両は概ねその設備を搭載済みで、この日の段階で水戸以北、水戸線、東北本線では実施済み。やっていないのは土浦~水戸(水戸線直通列車を除く)だけであった。このような方式は全国に拡大中で、人手不足や省力化を考えれば、一般列車での車掌は極端な長編成(10両以上)でもない限りは要らないのかもしれない。

 

 

↑神立駅で急きょ長めの停車。後から来る特急ときわ57号勝田行き(E657系K5編成)に抜かれる。普通列車は追い抜きが可能な駅(中線がある駅)まで進み、そこで後から来る特急を先に通さないと、特急の方がダラダラと走ってしまうし、特急の遅れが増大する。追いかけられる普通列車も気持ちの良いものではない。「特急街道」なのでこのような事はどうしても起きてしまう。

さらにこの先の羽鳥駅でも後から来る特急ひたち9号いわき行きに抜かれる。ギリギリまで接近していたようで、631Мが到着と同時に追い抜いて行った。特急2本に追い抜かれた結果水戸には10分遅れでの到着(所定は12時35分着)となった。

 

【水戸駅での乗り換え時間はたった3分。接続列車も12分遅れで発車】

 

 

↑水戸12時38分発549Мワンマン高萩行き(E531系5両・勝田車両センターK467編成・5号車クハE531-1017

)に乗る。631Мが10分遅れで到着したので、この遅れを引きずる。接続待ちはしてくれたので良かった。先ほどのように接続待ちしてくれない事もある。その判断は「状況による」ので「必ず待ってくれる」と言う約束は無いのだ。12分遅れで発車した。

勝田までは1駅なので前面展望する。549Мは車掌レス。運転士が画面を見ながらドア開閉(ワンタッチ操作)を行う。発車ベル(車両搭載)も鳴らす事が出来るらしい。運転士はホーム側に移動して窓を開けてホームの様子を確認…というありがちな方法での作業はしていない。運転席から立って移動するのが無駄。運転席に座りながらホームの確認+ドア開閉の方が楽だし生産性向上にもなる。一昔前ならばその手のワンマン運転はATO導入路線を除けば考えられない事であった。

ドアが閉まると起動開始。10キロ程度までは画面にホーム側面が映っているが、15キロ程度になると画面が消える。運転士は「前方注視義務」があるので、車掌のようにホームが消えるまで列車監視なんてやらない。「後ろの事は知らない」と言わんばかりだ。

勝田に着く直前に画面が映し出される。あくまでも「前だけ見れば良い」もので、「後ろ」はドア開閉時以外は気にしていないようだ。これが安全上良い事なのか?悪い事なのか?疑問に思いながら549Мから下車した。