★【白紙改正ではない】2024年3月16日改正の東海道線静岡地区のダイヤはそんなに変わった?

 
 
↑こういう内容が薄い「ゴミ記事」は信用してはならない。「乗りものニュース」はネット上ではそれなりに知れたメディアだが、実際の記事はプレスリリース参照の「コピペ記事」だらけで「何も中身が無い」。裏付け取材も甘く現地調査していない不正確な物が目立つ。私のブログの方が100倍信ぴょう性があると言っておく。
 
これで私が問題にしたいのが、「白紙改正」なのか?と言う事。
白紙改正とは本来「スジを全く新しく最初から作り替える(書き換える・組み替える)こと」と言う認識であるが、2024年3月16日改正(以下「今回改正」とする)の東海道線静岡地区のダイヤは確かに変わった!
しかし、具体的な時刻はそんなに変わっていないし、本数もほぼ変わらない。普通列車+ホームライナー主体の構成も変わっていない。「スジを作り替えた形跡」も無い!こういうのは「白紙改正」とは言わない。
 

【西焼津駅の場合】

全部の時間帯掲載すると長くなるため、朝7時台、昼12時台、夕方18時台を例にとって紹介する。これを見ればわかるが、変わったのは一部列車の両数・行き先と列車番号のみで、時間帯は概ね同じで本数も同じである。なおダイヤは平日である。
 

(7時台改正前上り・静岡方面)

6分・920М熱海行き・6両
10分・54レ東京(タ)行き・通過の貨物列車
15分・422М熱海行き・6両
19分・732М興津行き・6両(静岡で先行する422Мに接続)
24分・4382М静岡行き・通過のホームライナー静岡2号
32分・734М三島行き・6両
37分・736М沼津行き・6両
44分・424М熱海行き・8両(静岡で後ろ3両切り離し)
50分・4384М静岡行き・通過のホームライナー静岡4号
58分・924М静岡行き・6両
合計両数(ホームライナーと貨物除く)=44両

(7時台今回改正上り・静岡方面・赤い字は変更点

6分・920М熱海行き・6両
10分・54レ東京(タ)行き・通過の貨物列車
15分・424М熱海行き・6両
19分・732М興津行き・6両(静岡で先行する424Мに接続)
24分・4382М静岡行き・通過のホームライナー静岡2号
32分・734М三島行き・6両
41分・426М熱海行き・6両
47分・428М熱海行き・6両
50分・4384М静岡行き・通過のホームライナー静岡4号
58分・924М静岡行き・6両
合計両数(ホームライナーと貨物除く)=42両(マイナス2両)

(7時台改正前下り・浜松方面)

6分・729М浜松行き・6両
16分・421М浜松行き・6両
26分・731М浜松行き・5両
35分・125М島田行き・6両
45分・733М浜松行き・5両
56分・423М沼津行き・6両
合計両数=34両

(7時台改正前下り・浜松方面・赤い字は変更点

8分731М浜松行き・6両
16分・421М浜松行き・6両
25分・733М浜松行き4両
34分・127М島田行き・6両
44分・735М浜松行き6両
56分・423М浜松行き・6両
合計両数=34両(変わらず)
 

(12時台改正前上り・静岡方面)

5分・776М興津行き・3両
15分・140М静岡行き・3両
25分・780М興津行き・3両
36分・432М熱海行き・3両(沼津で2両増結)
47分・784М熱海行き・3両
55分・142М興津行き・3両
合計両数=18両
 

(12時台改正前上り・静岡方面・赤い字は変更点)

5分・454М熱海行き・3両
15分・148М興津行き・3両
25分・456М熱海行き・6両
36分・152М興津行き・3両
44分・748М静岡行き・6両
55分・154М興津行き・3両
合計両数=24両(+6両)
 

(12時台改正前下り・浜松方面)

8分・433М島田行き・3両(熱海~静岡は6両・静岡で3両切り離し)
18分・767М浜松行き・3両
27分・769М島田行き・3両
37分・771М浜松行き・3両
48分・143М島田行き・3両
58分・775М浜松行き・3両
合計両数=18両
 

(12時台改正後下り・浜松方面・赤い字は変更点

5分・439М浜松行き・4両
17分・149М島田行き・3両
26分・441М浜松行き・3両
37分・153М島田行き・3両
48分・443М浜松行き・6両
58分・155М島田行き・3両
合計両数=22両(+4両)
 
 

(18時台改正前上り・静岡方面)

0分・842М三島行き・5両
6分・844М静岡行き・3両(静岡で842Мに接続)
17分・458М熱海行き・6両
28分・460М熱海行き・5両
46分・846М三島行き・6両
54分・154М静岡行き・5両
合計両数=30両
 
 

(18時台改正後上り・静岡方面・赤い字は変更点

0分・764М三島行き・4両
6分・766М静岡行き・6両(静岡で764Мに接続)
19分・488М熱海行き・4両
27分・490М熱海行き・3両(静岡で3両増結)
47分・768М静岡行き・3両(静岡で770М三島行きに接続)
54分・178М静岡行き・6両
合計両数=26両(マイナス4両)
 
 

(18時台改正前下り・浜松方面)

3分・829М浜松行き・6両
16分・455М島田行き・5両
22分・4381М浜松行き(通過・ホームライナー浜松1号)
28分・831М浜松行き・6両
36分・457М浜松行き・6両
47分・459М浜松行き・6両
58分・159М島田行き・6両
合計両数=35両
 

(18時台改正後下り・浜松方面・赤い字は変更点)

5分・787М浜松行き・6両
17分・473М島田行き・6両
22分・4381М浜松行き(通過・ホームライナー浜松1号)
28分・789М浜松行き・6両
36分・475М浜松行き・6両
47分・477М浜松行き・6両
57分791М島田行き・6両
合計両数=36両(+1両)
 

【ダイヤ・両数の特徴】

運行本数そのものは変わっていない。
COVID-19による旅客数減少はJR東海静岡支社管内でも発生している話で、2019年以前と比較すれば「空いている電車」が増えたように感じる。もちろん生活や仕事の多様化、少子高齢化、車社会の進展…等もあるのは全国的に言える話。これがJR西日本ならば利用が少ない列車は容赦なく減便・両数削減を行っており、近畿圏(それも看板列車の新快速であっても)例外ではない。その点JR東海はまだ寛容な対応でそこまでの事はほぼやっていない。
数分程度の時刻が変わったが、これは毎年の事である。行き先変更と言うのも少なからず毎年実施している。今年の改正は行き先変更が多くあったため、見かけ上は白紙改正になった。一応は。
しかし、スジそのものは大きく変えておらず、加筆修正程度なのが実態のため、このようなダイヤ改正は「白紙改正」とは到底言い難い。従って今回の改正は「白紙改正」ではない。
 
 
↑列車編成(両数)の変更が大きな特徴であるが、これは「車両の置き換え」と「運転現場における生産性向上」のためである。
 
「車両の置き換え」とは、6月ともされている新型車両315系が静岡支社管内でも走り始める予定だ。4両1編成と言う情報だけで具体的に何編成登場するのかは4月1日現在でわかっていない。いずれにせよ、315系が登場すれば211系がまとまった数廃車になるのは確実だ。今回の改正で「211系のみトイレ無し6両」が激増したが、このような運用から真っ先に315系に置き換えるのだろう。1年以内には「211系のみトイレ無し6両」が消える可能性が高い。
 
 
 
↑改正前までは211系+313系の異形式併結運用が当たり前だったが、改正後は4両の列車を除き同一形式での併結運用が基本となった。6両の場合「313系トイレあり(しかも2両ある)」と「211系のみトイレ無し」の偏った形となっている。噂では4両の異形式併結も今年秋頃には消滅するらしい(つまりこれも315系化・313系W編成2本連結)。
 
 
↑なお今回の改正では211系2両×3本連結のいわゆる「ブツ6」と言う運用は消滅した。
 
「運転現場における生産性向上」とは、車両運用をさらに効率化する。静岡駅等で実施していた車両の連結・切り離しをなるべく実施しないようになったのが大きな特徴だ。改正前までは朝と晩は6両・昼は3両が基本だったので、朝8~10時台、昼14~17時台を中心に連結・切り離し列車が多数あった。改正後はそれ自体を大幅削減。どうしようもない場合に限りそれを実施する事になった。
その結果、昼間でも6両の列車が多数登場。特に「大運転」の熱海~浜松の列車では6両が目立つ。一方で「小運転」の興津~島田の列車は3両主体で同じ編成で同区間を行ったり来たりして、運用する車両数自体を減らしている。一方で改正前は15~18時台は比較的5~6両の列車が多かったのに、改正後は3~4両が目立つようになり混雑する列車も増えてきた。少ない両数で多くの客を運べればそれは生産性向上であるが、お客にとってはデメリットでしかない。こういうJRの事情を理解できるのは車両運用や経営云々を考える極一部の鉄道マニアだけだろうか。
 
運転士は2月末まで紙の運転時刻表を使っていた。輸送障害発生時には変更点を運転時刻表やメモ帳に手書きする必要があり、非効率だった。3月からは「CAST」と称する自社開発タブレット端末に運転時刻表の表示と現在時刻の表示が可能になった。この結果、運転時刻表はペーパレス化し、輸送障害発生時発生時の変更点は即座にCASTに表示されるため、いちいち手書きの必要がなくなり、運転士はCASTが指示するように運行すれば良くなった。これで運転士業務の軽減と生産性向上と言う一挙両得が実現した。
車掌にもCASTは配布されているが、運転時刻表については改正後も紙のままである。輸送障害発生時の情報収集や外国語放送として活用するのだろうか?
なお、静岡駅到着時の車掌放送が改正後は簡素化された。今までは乗り換え列車の案内(特に新幹線)は必ず実施していたが、改正後は一切実施無くなった。「ご乗車ありがとうございました。まもなく静岡です。お忘れ物無いようご注意」だけである。
今や車掌が乗り換え列車の案内をしなくても、97%程度の客はスマホ検索で調べてしまう。ホームや駅頭に出れば電光表示板が発車時刻を知らせているので、車掌が案内する必要性は薄れたとJR東海も考えるようになったのか?
JR西日本では「詳しい時刻やご案内はJRおでかけネット・JR西日本アプリWESTERからご確認いただけます」と特急サンダーバード・北陸新幹線からローカル普通列車まで車内放送する有様だ。JR北海道でも改正後からは車掌が案内する事も激減したと聞いている。車掌が案内する内容は到着駅・開くドアの方向・輸送障害発生時の詳細だけで済む時代なのだろうか?