会社関係なく、鉄道を利用していて「わかりにくい案内用語」が山のようにある。定期的に鉄道利用があるならばなんとなくわかるだろうが、数年に1度しか鉄道を使わないとなれば意味不明な事を言っているにしか聴こえない。そこで「わかりにくい案内用語」の一例を示した上で、具体的に何を示しているのか?解説する。

 

 

①人身事故、人と触車、お客様と接触

一般的には「人身事故」と言う。

これは人が列車とぶつかる事を示す。”ぶつかった程度”は関係ない

例えば、ホームの狭い所を歩いていて走行中の列車の側面に”多少かすった”程度の事から、線路に飛び込んできた人に”ガッツリとぶつかった”事まで、全ての事を言う。

会社別にも言い方が違っており、大まかにまとめると下記の通り。

JR東日本、JR北海道、JR九州、関東大手私鉄、関西大手私鉄、世間一般的=人身事故

JR東海=人と触車(しょくしゃ)

JR西日本=お客様と接触

たかが「人身事故」でも、鉄道会社によって言い方がバラバラである。

世間一般的では「人身事故」で通用するが、JR東海は「人と触車」と言う”世間一般的には聴きなれない特殊な表現”、JR西日本は「お客様と接触」と”事故の程度がわからない表現”になっている。なお、名古屋・大阪の大手私鉄は今でも「人身事故」と表現している。

鉄道業界の業界用語では車両と人がぶつかる事を「触車」と言う

しかし、世間一般的にはこの言葉はほとんど知られていないため、わかりやすくするために「人身事故」と称している。

JR東海は業界用語をそのまま旅客案内に用いている形だが、ではなぜ同社が「人身事故」と言う言葉に置き換えないのか?は知らない。

JR西日本は「人身事故」と言う言葉を「お客様と接触」と言い換えた。ここで言う「お客様」とは必ずしも鉄道利用の旅客だけとは限らない。例えば踏切横断中の通行人が列車とぶつかった場合、正確に言えばJR西日本の利用者ではないが、ぶつかった人は「お客様」と扱う。

②車両トラブル、車両の不具合、車両の確認

車両が壊れた(故障した)かもしれないので、本当に壊れた(故障した)かその場で停車させて調査する事。

 

 

 

停車させる場所は必ずしも駅とは限らず、駅と駅の間(トンネル、橋の上、見通しの悪い場所を除く)に停車させる事もよくある。壊れた(故障した)場合は応急処置をする。

 

 

 

自走不可能な場合、機関車や前後の列車等に牽引してもらえる車両が現場に到着するまで故障した車両は、動かす事が出来ない。運転再開まで時間が非常にかかる。

 

 

 

 

 

 

 

JR北海道=車両故障のため(事実をそのまま伝える事が多い)

JR東日本=車両トラブルのため(それ以上の事を伝えない事が多い。よっぽど酷い場合に限り後でXで伝える事もある)

JR東海=車両に不具合があったため(それ以上の事を伝えない事が多かったが、Xで案内を始めてからは(2019年頃から)詳しく伝えるようになった)

JR西日本=車両の確認をしたため(たまに事実をそのまま伝える事もあるが、基本的にはあまり詳しく伝えない事が多い)

 

一言で車両トラブル、車両の確認などと言っても多岐にわたる

大きく分ければ「運転可能」か「運転不可能(自走不可能)

繰り返しの説明にはなるが、前者ならば応急処置後に所定ダイヤよりも遅れが発生しても一応は運転するが、後者ならばその場でお客を降ろして線路を歩いて隣の駅まで行く事になる。後者は別に機関車等の牽引用の車両を用意する必要があるため、故障車両撤去後にならないと運転再開出来ない。そのため運転再開まで大幅に時間を要する。

③お客様混雑、多くのお客様にご利用いただいているため、各駅での安全確認のため、多客のため

車内に多くのお客が乗って(利用して)おり、駅での乗り降りに時間を要している事だ。

昔は「多客」(たきゃく)と称していたが、今この言葉を公式に使う鉄道会社は存在しない。

私の記憶が間違えなければ、JR東海は少なくても2005年頃までは「多客」と称していたが、これ以後(概ね静岡地区に313系2000番台が導入した前後から)後術の表現に改められた。

これは国鉄民営化後に、会社の収入に貢献しているお客様がたくさん利用しているのに、あたかもお客様が多すぎて悪いような印象を与える「多客」と言う表現を止めたのでは?と私は思っている。

 

JR東日本・関東大手私鉄各社=お客様混雑のため

JR東海・小田急=各駅での安全確認のため(お客様混雑とか多客と言う表現をしない)

JR西日本=多くのお客様にご利用いたいだいているため

 

JR東日本、JR西日本は似たような表現で、JR西日本は丁寧に言った印象。

JR東海におけるお客様混雑時の説明は非常にわかりにくくなっている

④お客様トラブル、車内の確認

車内でお客同士のケンカ、不審物発見、事件、テロ行為等を示す

これについては、関係ないお客に対して危害が及ぶ可能性がある事、不安を増幅させる可能性があるため、あえてハッキリと言わない事が多い

公式には下記表記以上言わない事が多く、車内で何が起きたのか?知るのはXやニュース・新聞による報道がほとんどだ。現場ではあえて広く知らせたくないのが特徴だ

 

JR東日本=お客様トラブル(状況に応じて「車内トラブル」等の「○○トラブル」と置き換える事が多い)

JR東海・JR西日本=車内の確認・お客様トラブル・お客様対応(状況に応じて表現方法が異なる)

 

事実、2018年6月9日(土)に東海道新幹線「のぞみ265号」においてテロ事件(車内における無差別殺人事件)があった際には、JR東海は「車内非常ボタンが扱われ、”車内の確認をしたため”」と称していた。公式には当然これ以上の事は言わず、SNSやNHKの報道で広く拡散されてようやく事実がわかる有様であった

⑤ドアから手を離してお待ちください

駅に着いてドアが開くときに、ドアに手を触れてはいけない事を示す

ドアに手を触れていると、ドアが開いた時に開いている間ドアを収納する「戸袋」に、手を挟まれる可能性があるため。これでケガする事も多いので、注意喚起しているのだ。しかし、地域差がある

 

JR北海道・JR東日本・関東大手私鉄・関西大手私鉄=案内なし

JR東海・名鉄=ドアから手を離してお待ちください

JR西日本=JR東海と同じ、若しくは「ドアが開くまでドアから手を離してお待ちください」

JR九州=案内無し

 

この表現をする鉄道会社は、比較的少数なのが特徴だ。お客にこの表現をする目的は、戸袋やドアとドアの隙間に”指詰め”防止である。なおJR東海は2024年の時点ではこれを案内する事は少なくなっている。

⑥空いているドアからご乗車ください

朝混雑時などのホームが混雑している時に、人が多く乗り降りするドアから乗り降りするのではなくて、空いているドアを見つけてここから乗り降りしてくれと言う事

 

しかし「空いているドアからご乗車ください」と言っておきながら、「どこに空いているドアがあるのか?」教えてくれない車掌や駅員が圧倒的に多い。むしろ、早く乗せて定刻で列車を発車させる事が最大の目的である。

中には、あからさまに大混雑しているのにホームの駅員が「空いているドアからご乗車ください」と放送し、ドアを閉める車掌(JR東日本の元社員の著書による)が「空いているドアなんてどこにもないんだよ!!😤全部混んでいるんだよ!!😤」とイラだっていた。私が思うには、実態と放送内容が「かなり矛盾している」と言っておく。

そんな中で、なぜ「空いているドアからご乗車ください」と言うのか?この狙いは2点ある。

 

①混雑しているドアから乗り降りすると、その分お客が滞留するため乗り降りに時間がかかり、遅れにつながる事を防止。

②駅の階段や改札に近い車両は混雑がひどいが、それらが遠い車両は空席があると言うように、車両によって混雑のバラツキを防止するため。すなわち「混雑の平準化」を図るためだ。

 

JR各社=案内あり

但し地域・路線によっては、この案内をしない事もある。

⑦乗務員トラブル、乗務員支障

何らかの理由で、乗務員(運転士、車掌)が用意出来ない事。列車を運転出来る人が居ないので、運行する事が出来ない事

具体的には下記のようなものが多い

 

◆会社側の手配ミス(勤務シフトの作成ミス)で乗務員が用意出来ない(主にダイヤが乱れた時に発生しやすい)

◆乗務員の体調不良で乗務継続困難

◆乗務員が必要な備品を紛失・忘れた時(例えば帽子が風で飛ばされた、メガネを線路に落とした・事務所に忘れた等)

◆欠乗事故(車掌がドアを閉めて発車指示を出したのに、何らかの理由で再びホームに降りて車掌を乗せずに列車が発車した事)

 

これについては、いろんなパターンがある。要するに乗務員によるミスが原因である。その時はわからなくても、数日して新聞で面白おかしく記事になって、ようやく事実が判明する事も珍しくない。

JR西日本は確実に自社ホームページにこの事を書くが、事案によっては書かない事もあるJR北海道、JR東海、JR九州のような会社もあれば、JR東日本のように全く書かない(公表しない)会社もある。

とは言っても各社「公表基準」と言うものがあって、これに満たさない内容の場合は、公表しない事が多い。最近はX等のSNSで指摘されてそれが明るみになり、「炎上」になってようやく鉄道会社が声明を出す…と言う事も少なくない。

 

JR北海道=事実をそのまま言う事が多い

JR東日本=乗務員トラブル(状況に応じて事実をそのまま言うが案内する社員により個人差が激しい。但しこれは駅や車内において)

JR東海=案内なし(単に「しばらくお待ちください」、極稀に「乗務員支障」という事もある)

JR西日本=乗務員トラブル、乗務員支障(状況に応じて事実をそのまま言う事が多い)

JR東海については、仮に乗務員トラブルがあってもその事実を案内しない。(駅や車内において)

単に理由を説明せずに「遅れている」とか「各駅での安全確認」と称して別の内容で案内している。私に言わせれば「情報隠ぺい」である。

⑧大雨のため、大雪のため、強風のため、地震のため、津波警報発令のため、倒木のため、線路陥没のため、架線断線のため、沿線火災のため

その事実の通りである。大雨(概ね50ミリ/時)☔強風(概ね25メートル/秒)🌬等は「基準値」が定められており、これを超過する雨や風となった場合には、一時的に運転をしない

 

基本的には、各社とも事実の通り案内する。JR東日本の場合、線路陥没は「線路トラブル」、架線断線は「架線トラブル」等のように「○○(事実の内容)+トラブル」(例:「架線トラブル」)と案内する事が多い。状況や各地域支社にもよるが、それ以上の詳細は説明しない事が多い。

 

これは2024年1月1日の能登半島地震で列車内で被災してわかった話だが、そもそも大地震・大津波の時に気象庁発表の情報以外、鉄道現場(駅や車内)にはそれ以上詳細な情報は来ないことが分かった。輸送障害発生時は”けたたましいくらい”輸送指令からの指示無線が聞こえてくるが、この時は震度7の地震発生時から極めて静かであった。16時50分過ぎに「北陸地区今日は終日運転見合わせ」とボソッと聞こえてくる程度で、それ以上の無線連絡は皆無であった。

地震や津波の被害状況は乗務員も駅員もお客もわからないので、運転士が携帯ラジオでNHKニュース速報を聴いて初めて知る次第であった。

そのため、自然災害や線路障害等が生じた場合、「以降の運行は実施しない」、「いつから運行再開出来るかわからない」(誰も教えてくれないし、やってみないとわからないので「予定は未定」状態なのが実態)、「〇〇線の振替輸送ご利用ください」(あれば)程度しか出来ないのだ。

きっぷの取り扱いについては、例外はいくらでもあるが、基本的には全額払い戻し(行くのを止めて自宅に帰ると選択した場合、特急や新幹線ならばこの先も進む場合であっても運休になった列車の特急券は全額払い戻し)、振替輸送先でも今持っているきっぷは使える(但しICカードから残高を差し引いて利用する場合(つまり定期券以外)、18きっぷのような特殊なきっぷは除く)等の対応になる。規則では決まっていないこと(ダメな事)も現場の判断で超法規的措置でOKにする事例(例えば在来線が運休なので18きっぷ利用者も新幹線に無料で乗れるなど)も少なくない。

 

 

運転再開できるタイミングは、これら事実(大雨・強風等)が終了し、線路の点検を実施して、安全を認めたら(線路の破損がない事)である。

自然災害的なものも少なくないため、「誰が悪い」と言うものになっていないのも特徴だ。「しょうがないので、諦めろ」的なものも少なくない

 

⑨ホームの言い方

世間一般的には、「○番線」(○の部分は数字が入る。例:「1番線」)である。しかし、会社によって言い方が違う事をご存じであろうか?

 

JR北海道(会社公式)、JR東日本、JR東海(三重県を除く)、関東大手私鉄、名鉄、京阪と近鉄の一部、阪神=「○番線」

JR北海道(一部)、JR東海(三重県)、JR西日本、JR四国、JR九州、関西大手私鉄(阪急・阪神、京阪と近鉄の一部を除く)、西鉄=「○番のりば」

阪急=「○号線」

JR北海道(一部)、小田急(一部)=「○番ホーム」

 

↑これを見るとわかるが、JR北海道、JR東海、京阪、近鉄の4社においては、同一社内でもホームの言い方が統一されていない

 

JR東海の三重県は例外的に”訳あり”とも言える。元をたどると国鉄天王寺鉄道管理局(天鉄)管内で、大半は今やJR西日本となっており、JR西日本が「○番のりば」と案内しているので、天鉄時代の”名残”で今でも三重県のJR東海においては「○番のりば」にしているのではないか?・・・と私は思っている。

または、三重県の鉄道=近鉄で、近鉄の言い方にJR東海三重支店が合わせている?・・・とも思っている。

近鉄は南大阪線系統では比較的「○番線」を使う事が多い。大阪線。奈良線系統ではこれを使う事はほとんどなく、「○番のりば」に統一された感がある。なお近鉄は大阪線青山トンネル以西の「大阪統括部」と以東の「名古屋統括部」ではまるっきり案内文言が違う。「ツッコミどころ満載」のためここでは詳細説明は省略するが、例えば各駅に止まる列車は大阪だと「各駅停車」、名古屋だと「普通電車」という案配である。

京阪は会社公式には「○番のりば」である。しかし、京阪本線のホーム放送ではなぜか?「○番線」になっている。実質的には「〇番のりば」の陣営でも差し支えないかもしれない。

 

なぜ「〇番のりば」があるのかと言う理由だが、JR西日本の場合「運転番線」(運転上使う線路の番号・「上り本線」「下り本線」「上り2番線」「下り1番線」、中線がある駅は「中1番線」など)は「〇番線」と称しているのに対し、「営業番線」(一般的なホーム番号の言い方)と区別する目的であえて「〇番のりば」としているようだ。

 

厄介なのがJR北海道である。会社公式には「○番線」である。今から10年くらい前までは「○番ホーム」が会社公式だったような気がする。

例えば新函館北斗駅で・・・

駅員A氏=「今度○番線からの列車は・・・」

駅員B氏=「今度○番のりばからの列車は・・・」

駅員C氏=「今度○番ホームからの列車は・・・」

↑と人によって、全く違う。つまり人によってバラバラなのだ。なお、駅ホームと列車内の自動放送は「○番線」に統一されている。

大きく分けると、東日本=○番線、西日本=○番のりば・・・で案内する事多い。

⑩謝罪の言い方

これは、列車の遅れが発生した時など何らかの理由でお客に謝る(謝罪する)必要がある時の言い方である😞

世間一般的には、「申し訳ございません」や「お詫びいたします(お詫び申し上げます)」であるが、これについても会社によってバラツキがある。

どの鉄道会社も共通して言うフレーズが・・・

「ご迷惑をおかけしました」

である。これにプラスしてさらに謝罪する事を言う時に、何を言うか?

 

JR北海道、JR西日本、関西大手私鉄=お詫びいたします(お詫び申し上げます)・・・例:「ご迷惑をおかけいたしましたことを、お詫びいたします。」

JR東日本、JR九州、関東大手私鉄(京急を除く)=申し訳ございません(申し訳ありません)・・・例:「ご迷惑をおかけいたしまして、申し訳ございません(申し訳ありません)」

京急=ご了承ください(例は後術)

JR東海=特になし(「ご迷惑をおかけしました」だけ・後術)

 

最近JR東日本で多いのが、「ご迷惑をおかけしました」と言わないパターン。使い方としては「列車遅れまして、申し訳ございません(申し訳ありません)」である。

東京メトロのような”重ね形”(勝手に命名)もあって、「列車遅れまして申し訳ございません(申し訳ありません)。お詫びいたします(お詫び申し上げます)」(またはこの逆)である。

但し駅員や乗務員によっては、会社公式には「申し訳ございません(申し訳ありません)」を謝罪用語としていても、単に「ご迷惑をおかけしました」としか言わない人もそれなりに居て、大半が定年が近いベテランである。主にJR東日本や東武で見かけられる。

 

特殊な言い方が京急で、「本日は列車遅れましてご迷惑をおかけしますが、ご了承ください」と謝罪する。京急としては運転見合わせ区間は最小限にとどめて、なるべく多く運転するように努めているので、列車が遅れている事は許してくれ!と。

その上で、途中駅で行き先変更や種別変更をやるかもしれないが、少しでも速く元のダイヤに戻して、お客さんの不便を解消するように今頑張っている!と言うアピールにも感じる。

 

それに対してJR東海は「ご迷惑をおかけしました」としか言わない。「お詫び申し上げます」というような丁寧な詫び方は今まで聞いた事が無い。

…のが長年続いたが、2022年になって「ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます」というようになっている。

京急に近いような所もあるが、結局は自分たちの責任による事故(輸送障害)ではない(例えば、人身事故や大雨等)時はわざわざ丁寧に詫びる必要もないという論理も一応は通じるし、ネット上では賛同する意見も一定数ある。

それでも形式的に詫びておく必要があるため、「申し訳ございません」😞とガッツリ謝るよりは、お客に列車遅延等で迷惑をかけている事だけは事実なので「ご迷惑をおかけしました」に留めているのでは?…というのが長年の見方だったが、JR東海は2020年以降良い意味で変わり過ぎているので(詳細は言うと長くなるので省略)その一環と思える。

 

⑪到着時刻のご案内は「WESTER」から?

「WESTER」とはJR西日本のスマホアプリである。JR西日本管内の運行情報、時刻と運賃検索はもちろん、「e5489」(ネット予約サービス)やICOCAカードの番号等を紐づけすればこのアプリから特急や新幹線のきっぷが予約・購入出来る。さらにJR西日本グループの各社が展開するサービスや「tabiwa by WESTER」と称するサイトで西日本地域(四国も含む)でお得になるモバイルチケット(要するに乗り放題きっぷ)も売っている。JR西日本グループの利用がそれなりに有ればスマホにインストールしておきたいアプリの1つにもなっている。

 

2023年頃から特急サンダーバード・北陸新幹線では車掌による到着時刻案内・乗換案内(乗り換え列車の時刻等)を放送しなくなった。「詳しくはJRおでかけネット・WESTERからご確認いただけます」と自動放送が案内。車掌も余計な事を言わなくなり、車掌放送皆無の列車さえもあったりする(先日乗った新幹線はくたかがまさにそうだった)。恐らくJR西日本全体的な施策で和歌山であろうが、島根であろうが、広島であろうが同じ事なのであろう。

ではどうやってアクセスするのか?というと、座席手前のテーブルにQRコードが貼ってあるので、それをスマホに読み取らせれば終わり。あとはスマホから情報を知ってくれ!というやり方である。

これはJR西日本に限った話ではなく、JR東海やJR東日本もこのやり方で、車内や駅にQRコードがあるのでそこからアクセスして調べてくれ!となっている。

JR東海の名古屋駅付近(在来線)に至っては駅ホームの紙の時刻表自体を撤去。デカくQRコードが貼られ「QRコードをスキャンして時刻を確認してくれ」の方針になった。これは名古屋市営地下鉄や他の大手他社でも広がっている。驚いたのは2023年頃から東海道新幹線でも在来線乗り換え列車の案内は車掌放送では実施していない。

 

スマホで調べればわかるでしょ。だからいちいち基本的な案内はやらない」

 

というスタンスになっているのが、ここ最近の鉄道利用における大きな変化である。

恐らくお客の97%程度はスマホを持っているので「これで問題ない」と考えているのだろう。逆にスマホを持っていない(持てない・持ちたくない)極わずかな人は不便極まりない時代となっている。こういう「情報弱者」には冷たい世の中になっているのは、JRの方針云々以前の問題で、世の中全体がそれでヨシとなっている表れだ。

 

★まとめ

 

他にも「鉄道案内用語」は山のようにあるが、概ねのそれは網羅したつもりである。他にも解説して欲しい「鉄道案内用語」、その他本文記述内容に対する誤りの指摘、疑問に対する回答、感想があれば、コメントされるとありがたい。