★JR東日本2018年3月にストライキ決行か?

2018年2月12日付の「産経新聞」は、「JR東日本が2018年3月のどこかでストライキを行うかも」と報じた。
新聞報道によれば、2月6日に労働組合(労組)と会社側で行った団体交渉で、「一律定額ベア(全員一定額の給料を上げてくれ)」と会社に要求したが拒否されたと言う。
すると、労組は「給料を上げてくれないのであれば、我々はストライキをする」と表明したと言う。
表向きでは、労組側、会社側とも「ストライキ決行が決定したわけではない」と言っているが、下記にリンクするが、実態は「JR東日本と言う会社は相当”ブラック”なんだな」と思う思うような内容。労組の言い分が事実であれば・・・と言う条件は付くが。

ところで、「JR東日本ストライキ」私の中ではどうしても、国鉄千葉動力車労働組合、通称「動労千葉」のイメージが大きい。
2001年~2010年にかけて、毎年3月に房総各線で数日程度動労千葉の組合員を中心にストライキを決行。そのため、運休する列車も多発したが、他労組の組合員が代わりに業務に就いたため、末期には運休本数は少なく抑える事が出来た。
もちろん、お客からの評判は悪く、「お前らの給料アップよりもお客の事を考えているのか」と言う意見が圧倒的に多数。当然ストライキになれば、列車運行がない=移動できない事になる。代行バスが運行された実績もない。

動労千葉は、近年勢力が弱体化しており、表向きでは「元気バリバリ」と訴求しているが、動労千葉内部では高齢化が進み、後術するJR東日本最大の労組から嫌になった若手が若干入る程度である。
さらに動労千葉の組合員もJR東日本の社員、若しくは関連会社の社員なので、出向や降格や解雇も当然ある。”うるさい社員”は関連会社への出向、それも正社員ではなく非正規で時給も低めと言う事も盛んに行われているようだ。
むしろ、近年の動労千葉の会社側への訴えは、出向解除や再び正社員化等が主な内容だ。

動労千葉のような、いわゆる「左」勢力の危ない人の集まりの労組は、JR東日本では少数派で、全社員(約5万人)のうち8割弱(約4万人)が加盟しているのが、東日本旅客鉄道労働組合、通称「JR東労組(ひがしろうそ)」である。
2018年3月にストライキ決行を検討しているのは、JR東労組の事である。

「”格差ベア”をなくし、全組合員一律定額のベースアップを求める申し入れ」(JR東労組・2018年1月31日)

「格差ベア根絶交渉を行う」(JR東労組・2018年2月6日)

↑詳しくはこちらを参照されたい。
簡単に言えば、会社側の給料査定方法に問題があって、長年給料上げろと言っているのに上げてくれない。だったら最終手段として労組はストライキをやってでも闘うぞ!と言う事だ。

「産経新聞」の報道によるが、ストライキのやり方として、JR東日本全線で鉄道運行を止めるわけではない。
特定の地域、特定の職場を労組側が指定して、そこだけストライキ、他は通常通り業務(運行)となるようだ。例えば、山手線を担当する組織は全てストライキ(運行中止)、一方で並走する京浜東北線や上野東京ラインを担当する組織はストライキをやらず通常運行・・・と言う事であろうか?

「お前ら何やりたいんや?」と思うのが一般人から見ての実態

現時点で、ストライキをやる・やらないについて述べるのは適切ではない。時期尚早だ。
今でもストライキを積極的にやるのは、相鉄(相模鉄道)で、毎年のように労使がモメる。実際にストライキをやった事もあるが、お客から不満や苦情も出ているはずだ。相鉄の場合、ギリギリまで労使間で協議し、朝ラッシュ時間に入る直前にストライキ回避、すなわち労使間で満足出来る交渉結果が得られてその時点から列車運行を開始すると言う事が多い。
そのため、JR東日本もこのような事が起る事は十分あり得るので、ギリギリまで列車運行する・しないが不明瞭だ。要するに今後のJR東労組と会社側の交渉で、満足できる回答が得られれば良いわけで、本来の労使交渉はそうするべきものである。

実態(内部の状況)から言えば、JR東日本は相当のブラック企業であると言わざるを得ない所があるが、逆にJR東労組がホワイト企業化したい努力も見えない。単に漠然と「給料上げろ」「労働強化策を緩めよ」と長年(国鉄時代から)言っているようにしか聴こえない。それが嫌ならば辞めれば良いだけで、”天下のJR東日本”で働かなくても、今の時代、もっと良い給料がもらえる会社等東京ならばいくらでもある。起業だって容易の時代だ。そういう選択肢がJR東労総の幹部やブーブー文句を言っている連中にはないのだろうか?

それで、給料が上がったり、労働時間の短縮や業務量の減少が出来るか?と言われると、大いに疑問である。
極端な話、JR東日本の社員のほとんど、駅業務を委託する「JR東日本ステーションサービス」(主に首都圏)の社員は、JR東労組の組合員だから、こういう現場の社員にお客から「バカヤロー」と苦情・苦言が殺到するのは言うまでもない。
だが、それでも今の若い社員は組合活動は消極的で、JR東労組の幹部がやりたい放題やって、現場は疲弊している・・・とも思う。「労組よ、会社とバカなケンカするなよ」と思っている社員も多いだろう。
この辺は、JR東日本の関係者に聞きたい。

これについては、続報を改めて書きたいと思う。JR労組については、どこも複雑な人間関係、主義主張を展開しており、「お前ら何やりたいんや?」と思うのが一般人から見ての実態。
正直、このブログを書いている私も細かい内容や実態はわかっていない。そのため誤りも多数含んでいると思う。誤りがある場合、その他わかりやすい解説が出来る場合、私よりも詳しい知識を持つみなさんから教えてほしい。