★札幌市電の基礎知識と環状運転(ループ化)する西4丁目から乗車

真駒内から乗った南北線(N)で大通(N07)で下車。札幌市営地下鉄の中でもお客が多く、地上への出入口がたくさんあって、エキナカ店舗も多く、久しぶりに都市部で迷子になりかけた。

札幌市電 西4丁目電停(地下鉄大通駅近く)

↑地上に出ると、ビル街のど真ん中に。そこにカーブした線路が道路のど真ん中に敷かれていた。札幌市電だ。駅番号で使用されている「SC」とは「StreetCar」の略である。札幌市交通局が運営する路面電車で、地下鉄大通駅近くの西4丁目電停(SC01)を起点に、札幌市中央区を環状運転する。
環状運転するようになったのは2015年12月から。いわゆる「市電ループ化」と言うのはこの事で、将来的には市電そのものを札幌駅までの延伸も計画されている。本来の札幌市電は西4丁目を起点に、すすきの(SC23)までの運転であった。
西4丁目~すすきの間は徒歩で十分行ける距離で、この区間を”通し”で利用するお客は、まずいない。

大雑把に見て、札幌市中心部の西4丁目や中央区役所前(SC03)やすすきのから西半分、東半分の途中電停までの利用がほとんど。札幌市民の「足」になっている路線で、1乗車200円の均一料金を採用し、Kitaca等の交通系ICカードも利用可能だ。運賃は下車時に運賃箱に投入する方式で、路線バスと変わらない。
地下鉄で有効の「ドニチカ」は使用できず、市電独自の1日乗り放題券が用意されている。

私が西4丁目の交差点に立つと・・・

札幌市電 A1200形(ポラリス)

↑外回り(西4丁目→すすきの→電車事業所前)の「ポラリス」(新型車両)が通り過ぎてしまった。
札幌市電は西4丁目をスタートに1周出来れば良くて、電車事業所前(SC10)で下車して撮影と考えていたので、先発の市電に乗る事にした。次発はどうも内回り(西4丁目→中央区役所前→電車事業所前)だったので、これに乗車。

写真は特にないが、「214」と書いた古いタイプの車両。吊り欠け式モーターのようだ。当ブログ作成のために調査すると、「札幌市交通局210形電車」と言うのが正式名で、乗車した214号車は1958年(昭和33年)製。今年でちょうど60年目の車両で、札幌市電では最古参のグループ。
高知(とさでん交通)でも乗った事がある「昭和の古き良き時代の路面電車」と言う印象で、個人的には昭和30年代の車両が好きであったりもする。

新設されたループ部分を大きく曲がる。路面電車なので道路交通の信号やクルマの動きにも左右される。概ね日中は7~8分/本であるが、「Yahoo!乗換案内」と言うアプリで具体的な時刻を調査すると、一応出てくるが「時刻は目安としてお考えください」との事。
確かに実際の運行も時刻通り来ない事が多く(3分程度の遅れが当たり前)、地下鉄ほどキッチリというわけではない。

歩道はキレイに除雪されており、アスファルトの部分も見てくる。除雪状況や降雪状況により違ってくるようだ。どの電停でもお客の乗り降りがある。人数にすれば各電停3~5人程度。下車したい場合は、降車ボタンを押す。押さないと通過となる。
西4丁目やすすきの周辺とは異なり、静かな住宅街。なんとなく札幌市郊外の街の作りが静岡市郊外の街の作りに似ている??とずーっと思った。「何か似ているんだよなぁ・・・」と気になった。これは主観的な所もあるので、当ブログを読んでいるほとんどの人は、「違う」と思うだろう。

★電車事業所前で札幌市電を撮影

札幌市電 電車事業所前電停

↑電車事業所前で下車。歩く部分は雪が溜まっており、足元が滑りやすく、歩くのに神経を使った。

札幌市電 210形(212)

札幌市電 210形(212)

札幌市電 210形(212)

札幌市電 210形(212)

↑210形の212号車。

札幌市電 電車事業所前電停(車庫)

運転士の交代も頻繁に行われる。その名の通り、札幌市電の車庫と運転士等の現場職員の事務所がすぐ近くにあるためだ。車庫には何両かの市電車両もあったが、日中は稼働している車両が多いため、数としては少ない。

札幌市電 車両 札幌市電 車両 札幌市電 車両 札幌市電 車両

↑電車事業所前電停を通るさまざまな札幌市電車両。広告で全面塗装されているため、札幌市電に初めて乗った私にとっては形式名がわからない。

札幌市電 A1200形(ポラリス) 札幌市電 A1200形(ポラリス) 札幌市電 A1200形(ポラリス)

↑ポラリスは特に目立つ存在。札幌市電のほとんどが単車であるが、ポラリスは3車体連接台車で車長も長い(17メートル。他は13メートルが多い)。

札幌市電 電車事業所前電停 札幌市電 電車事業所前電停

↑相対式ホームの電車事業所前電停。時刻表や案内は路線バスと同じ形をした表示と電停の壁にもボート形式で表示。

札幌市電 3300形(3304)

↑14:48発の内回り電車に乗車。実際には5分ほど遅れて14:53頃に発車。車両は3300形の3304号車で、2001年(平成13年)製と比較的新しい車両。
やはり、すすきのが近づけば段々とお客は増えてきて、車内も混雑してきた。

車内の広告を見ると、「路面電車運転士募集」の案内が気になって仕方なかった。札幌市電も札幌市交通局が運営しているので、立場は公務員。年齢性別不問で、2018年(平成30年)5月1日付で拝命されて、路面電車運転に必要な運転免許を取得。非常勤の契約職員の立場で更新を繰り返すと言うもので、自動的に正職員になれないこと(正職員になりたい場合は局内で別途試験を受ける)、あくまでも路面電車の運行に従事するため、地下鉄への異動もないとの事。給料は基本給が高卒新卒と同じくらいか。
「今や市電運転士も非正規職員が担っている時代と言うのも、”なんだかなぁ”」と思うしかなかった。

5回目に続く。