★川平駅。夏の三江線。昭和初期の哀愁漂う木造駅舎が健在。熱中症の危険の中でなんとかジュース自動販売機を見つけた

JR西日本 キハ120(321)

↑鹿賀から乗った426D江津行きで、14:37に着いた川平で下車。運転士に乗車券を渡した。
利用者は私だけで、少しすると江津へ向けて発車。

JR西日本 川平駅

JR西日本 川平駅

↑川平駅も元々は列車交換が可能な構造であった。因原、川戸同様に今は使われていないホームに対しても駅名表が残されていた。
線路は一部を除きレール、マクラギがキレイに剥がされていた。

JR西日本 川平駅

↑きれいな直線的な線路。因原や川戸と違うのは今使われていないホームは、ホームだけが残っていて関連する設備はほとんど消えている事だ。
有効長は長めで、6両程度は入線する事が可能だろうか?
三江線では主要駅を中心に有効長が長めになっている事がある一方で、小さな駅は3両程度までしか有効長がない事も。
国鉄時代には6~7両の列車も入線実績がある事から、車両数や設備面に制約はあると思うが、今後「さよなら乗車」で急増するお客全員をキハ120の小さな気動車2両だけでは運びきれない可能性があるから、さらなる増結はあっても良かろう。
それでも浜田鉄道部のキハ120の両数には限りがあるので、キハ40やキハ47、指定席扱いや特急扱いでも良いのでキハ189(JR西日本全線入線可能な作りになっている)が入線してきても良いだろう。

JR西日本 川平駅

↑駅前を野良猫が通り過ぎる。なんとものんびりしている。これが良いのだ。石見神楽の演目による駅名は「大江山」である。

JR西日本 川平駅

JR西日本 川平駅

↑哀愁と歴史を感じる木製のベンチ。川平駅も木造駅舎で1930年の開業時以来ずっと使い続けられている。
このベンチにゆっくりと腰を掛けて、静かな時間を過ごす。
一般に鉄道が廃止されれば、駅構内に入る事は出来なくなる。
2018年で駅として、鉄道としての役割を終えてしまうが、このような木製ベンチや木造駅舎は決して多く残っていない。このような駅舎は私に言わせれば「重要文化財」に相当するレベルで、取り壊さずに残して欲しいと思う意見は少数か?

JR西日本 川平駅

JR西日本 川平駅

↑駅舎全体を見ても歴史を感じる。JR西日本のロゴマークは駅頭には一切なく、単に「川平駅」とあるだけだ。これだけで哀愁を感じる。駅周辺を見るとまるで時間が止まった感じだ。

JR西日本 川平駅近く(川戸~川平)

↑川平駅近くの三江線線路。(川戸~川平)
近くでは治水工事が行われているようで、堤防や崖が土砂崩れを防止するための工事が行われていた。
ところで、この日は水分を摂っていなかった。気温が高くなって汗も大量にかいて、水分を確保したい。都市部の駅ならばジュースの自動販売機はいくらでもあるが、三江線ではある駅の方が珍しい。
川平も駅前にはジュースの自動販売機がない。江の川対岸の国道261号線沿いならばあるか?と思い江の川を渡った。

JR西日本 川平駅近く(対岸の国道261号)

JR西日本 川平駅近く(対岸の国道261号)

JR西日本 川平駅近く(対岸の国道261号から)

↑江の川の橋を渡って、国道沿いを江津方面に400mほど進む。
クルマの台数は多く、時々途切れるが何台もすれ違った。三江線沿いでは道路があってもクルマの通行が皆無で、まるで世界が違う。
しかし、ジュースの自動販売機は皆無。それどころか商店すらない。
次に乗る列車の時刻が迫ってきたので、約15分かけて川平駅に戻る。

JR西日本 川平駅近く(江の川)

↑川平駅近くの江の川

JR西日本 川平駅近く(駅前)

↑川平駅近くの様子。数軒の住宅があるが人通りは極めて少ない。
再び川平駅の駅舎を撮影。そういえば駅の先に郵便局があった事を思い出したので、そこまで歩いてみた。

JR西日本 川平駅近く(郵便局)

↑すると、川平駅近くでは唯一のジュースの自動販売機を発見。やっと水分補給する事が出来た。喉が渇いて汗も出ていたのですぐに全てを飲み切った。郵便局自体は土曜日のため休業だった。
三江線途中下車をするにあたり注意したいのが、水分の確保。特に夏は晴れると暑さで列車が止まるほどなので、熱中症対策も含めて忘れずに水分を用意されたい。
必ずしもどの駅にあるわけではないので、事前に確保しておくべきである。

★川戸駅。春の三江線。交換設備が消えても、そのまま残っている

石見川本から乗った426D江津行きで、14:22に着いた川戸で下車した。





↑川戸は1面1線。江津~石見川本で列車交換できる駅は皆無。以前は何駅かあったが、全て棒線化されてしまい、現在同区間は1閉塞しない。すなわち、同区間は行先関係なく列車は1本しか入る事が出来ない。そのため、424D~426Dとか434Dのように石見川本で長時間停車が生じているのだ。

JR西日本 川戸駅

↑江津方面の線路は微妙に曲線。

JR西日本 川戸駅

↑現在使用しているホームの反対側にもホームが。そして駅名表も。
線路は剥がされているが、ホームの跡地はそのまま残っている。こういう姿を見ると心苦しく感じる。棒線化しないといけないほど三江線の輸送量が減っていると言っているものだ。

JR西日本 川戸駅

↑ホームの長さは、やはり長く7~8両は入るのではないか?と思った。三江線はローカル線でありながらホームの長さが長い駅が多い事に気付いた。それは「陰陽連絡路線」として当初は想定されていたが、全通が遅くなった事(1975年)、線形が悪い事、遠回りである事があって、結果として最後まで陰陽連絡を果たす事が出来なかった。
今や広島から浜田には浜田自動車道と言う高速道路があって、高速バスの本数も1本/時もあるので利用が多く、こちらが陰陽連絡である。

JR西日本 川戸駅 信号機の跡

↑交換設備がしっかり機能していた証として、信号機を設置した柱も残っていた。棒線化されたのは1999年頃で、一斉に行われたらしい。

JR西日本 川戸駅

JR西日本 川戸駅

JR西日本 川戸駅

JR西日本 川戸駅

↑川戸も立派な駅舎。図書館と併設されている。待合室も広いが、天気が悪い事もあったか陽が駅舎内部に入って来る事はなく、暗いまま。
この時気付いたが、川戸駅は江津市。江津市の広さを実感した。元々は桜江町と言う町で、合併で江津市の一部になったようだ。
駅前の道は曲線上で江の川の橋に向かう線形で、クルマが次々と曲がって行く。ダンプカー等の大型車の通行も目立ち、交通量も多い。

JR西日本 川戸駅 近くに残る貨物コンテナ

↑駅近くには国鉄のコンテナがそのまま残されていた。
今は倉庫として活用しているのであろうか?

JR西日本 川戸駅 江の川に架かる橋

JR西日本 川戸駅 江の川

↑江の川を渡る。駅からすぐの場所に川と橋があると言うロケーションは、三江線の他駅と変わらない。

JR西日本 川戸駅 対岸の国道261号線

↑対岸は国道261号線。しっかりと出来た道で交通量も多い。江津から川本に向かってはこの道がメインロードになるようだ。三江線と比べれば話にならない程線形が良くて、所用時間で考えれば道の方が圧倒的に有利と言える。それが三江線利用の低迷に拍車をかけたのであろうか?

★駅前郵便局の石見川越駅。秋の三江線。コロコロ変わる天気に苦労


JR西日本 キハ120(311)石見川越にて

JR西日本 キハ120(311)石見川越にて

↑出雲市→三次行きの片道乗車券を運転士に提示し、「途中下車で」と言って425Dから下車したのは石見川越(いわみかわごえ)。

JR西日本 石見川越駅 JR西日本 石見川越駅

↑ホームは1面1線で線路には落ち葉が大量に落ちていた。元々は交換可能だったようだ。川戸や石見簗瀬のように露骨に線路が残っているような事はなく、わからないように消えていた。元々交換可能だったようにはとても見えない。
石見川越と言えば、郵便局。線路に面する形で郵便局が立地しており、局舎も大きい。三江線沿線では簡易郵便局はいくらでもあるが、ここは通常局のようで、郵便、貯金、保険の窓口がしっかりとあって、局員も2~3人見かけた。

JR西日本 石見川越駅

JR西日本 石見川越駅

↑ホームに連絡する階段。駅舎はホームよりもやや低い所にある。

JR西日本 石見川越駅 JR西日本 石見川越駅

↑歴史を重ねたベンチ。トイレも設置されているが、昼間にしては薄暗い雰囲気で、ある意味不気味。
駅の外に出るためには、駅舎の中を通らないといけない構造。仕切りドアは木製で、このドアが重い。力を入れないとドアをスライドさせる事が出来ない。駅舎の中には、きっぷ販売窓口が残っていたが、今や石見川越も例外なく無人駅。

JR西日本 石見川越駅

↑駅舎は右側で、落ち葉がたくさんあった。見た限り普通の戸建て住宅のような見え方で、入口のドア付近に「石見川越駅」と記されているだけ。JR西日本のロゴマークはどこにもない。
横断歩道が駅舎の真ん前にあるが、決して交通量は多くないし道路幅も広くない。駅舎の奥には郵便局。
「乗り鉄」が郵便局を見つけたらやる事。それは「旅行貯金」。その郵便局で自分の口座に入金する事で旅行の記録を残す事が目的で、その局特有のスタンプがもらえるらしい。レールウェイトラベルライターの種村直樹氏(故人)の本でよく書いてあったが、実際に私がそれをやった事はない。そもそもどうやってやるのか?よくわからない。
それでも石見川越駅に「来た証」を残そうと思い、ATMから少額を出金。後日通帳記帳すれば、石見川越駅近くの郵便局の番号が記されるので、これで一応は記録として残る。

JR三江線 石見川越駅近くの線路

↑島根県道295号線に三江線が沿う。三江線の路盤がやや高い所にあるが、奥は崖となっており、道路は平らかに整備されていても、線路は意外と険しい。これは、「道路予算」と言う税金が潤沢に使用出来る行政が整備主体のものと、自社の費用で整備しないといけない民間会社管理の線路との歴然とした”差”と私には見えた。

JR西日本 石見川越駅近くの江の川

JR西日本 石見川越駅近くの紅葉

↑江の川と対岸の紅葉。私が三江線に乗車した時の紅葉はどこもこれ程度で、山の半分程度が紅くなって、残り半分が緑と言う状況。
石見川越駅付近は郵便局以外にはこれと言った建物がない。郵便局のお客はどこから集まるのか?と思ったら、少し江津寄りに進んだ所に小規模な集落があったので、ここからか?
クルマで来れば橋を渡って対岸からや鹿賀からも可能だ。それなりに利用者があって、地域の”金庫番”とか”インフラ”としてしっかりと機能。
この橋の近くに酒屋があって、店頭に飲料水の自販機があったので、ここで一服。

JR西日本 石見川越駅

↑江の川の堤防に登る。オフロードではあるが、クルマも十分通れる道が整備されており、石見川越からはここを歩いて進む事にした。
石見川越駅全体の様子を見るが、堤防からはホームを直接見る事は出来ない。郵便局等に隠れてしまった格好だ。

JR三江線 鹿賀~石見川越(石見川越駅近く)

↑14:05発の426D江津行きを撮影するべく、構図取り等をしていると急に天気が急変。ぶ厚い雲が広がり雨が降ってきた。それでも日差しはあるので、晴れたいのか?雨が降りたいのか?全くわからない天気。こんなにもコロコロ天気が変わるのは、山陰特有なのであろうか?

JR西日本 キハ120 石見川越にて

↑426Dがまもなく石見川越に着く。この日もキハ120の2両。立客が若干いる程度で極端には混雑していない。やはり424D(石見川本止まり)よりもお客は減少する傾向で、80分の長時間停車中に行先が散らばるためだろう。

JR西日本 キハ120 石見川越にて

↑石見川越に到着。私のいる江の川堤防に向かって多くカメラが向けられた。紅葉を撮影するためだろうか?
この際に強い風が吹き、傘が吹き飛ばされる事態に遭遇。停車時間はざっと1分近くあって、感覚的には長く感じた。

JR西日本 キハ120 石見川越にて

↑江津へ向けて発車。折り返しとなる429Dが戻ってくるまで約2時間列車が来る事はない。



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