★低反発で固く多少広い座席のクラスJ。新千歳着陸時は視界が悪く遠くが見えないのでどうやって着陸しているのか疑問

【便名】JAL503
【時刻】東京羽田(HND)7:30→札幌新千歳(CTS)9:05
【機材】Boeing777-289(772)の3クラス375人乗り
【登録番号】JA008D(元JAS=日本エアシステム所属機)

日本航空B777-289(JA008D)羽田にて

↑6:00の時点で羽田空港の16番搭乗口に止まっていたJA008D。
大型トラックが横付けして機内に荷物の積み込みをやっている。お客が預けた荷物ではなく、機内サービスに必要な食事等であろうか?

羽田空港第一ターミナルビル 保安検査場を通過し搭乗口へ

↑保安検査場を通過すると、長い通路。この先は各便指定の搭乗口へ向かう事になる。搭乗口とは鉄道で言えば「○番のりば」のようなホーム番号の事である。売店が少しだけあってラッチ内(あえてそう表現する)には、朝から行列が出来る有名な飲食店があるらしい。

羽田空港第一ターミナルビル JALの空席待ちカウンター

↑保安検査場を通過すると、JALの空席待ちのカウンター。これはどういう時に利用するのであろうか?
そもそも保安検査場を通過しているので、空港外へ出る事は出来ないはずだ。搭乗する便名も決まっていないのに、保安検査場を通過できるかどうかも疑問だ。
空席待ちを使うのは、満席でヒコーキに乗れず空席が発生したタイミングで予約して搭乗する事を示す。

羽田空港第一ターミナルビル 搭乗口付近待合場

↑16番搭乗口近くには、テレビとイスがある待合室。駅と同じくいろんな所に「便名・行先・搭乗口」を案内する案内装置が設置。ここの待合室は直接窓の外=移動するヒコーキの様子を見る事が出来るが、視野が広いとは言えず、見える範囲は限定される。

羽田空港 JALの地上整備車

↑作業しているクルマ。どんな目的のクルマだろうか?
ヒコーキはボディーブリッチから自力で後退する事が出来ない。専用のクルマで牽引し、ヒコーキが移動する通路に出たら自力で前進開始するが、牽引するクルマが写真のようなものだと思ったが?

全日空機 羽田空港にて

↑全日空機

スカイマーク機 羽田にて

↑スカイマーク機

他社のヒコーキも見る事も出来る。


羽田空港第一ターミナルビル 16番搭乗口 羽田空港第一ターミナルビル 搭乗口

↑16番搭乗口。JAL503便の発車時刻は7:30であるが、機内に入る事が出来るのは7:10から。それまでは搭乗口よりも外側で待つ事になる。鉄道で言えば搭乗口は中間改札に相当し、入口の改札は保安検査場になると私は解釈した。
鉄道では複数の乗車口があるが、ヒコーキは1ヶ所しかない。
最初は「優先搭乗」と称して、身障者や介助が必要なお客→JMB会員(ジャルマイレージバング=”お得意様”)やファーストクラス旅客→普通席の30番以降(後ろ寄りの座席に搭乗する)お客→残りのお客・・・と言う「順番」がしっかりと決まっている。

私が予約した座席は「クラスJ」の11番A席。前から数えた方が早く、”お得意様”でもないため、結局一番最後の搭乗となる。そのため「クラスJ」を利用する場合、一番にヒコーキに乗る事が出来ない。
搭乗口では、搭乗券のQRコードをタッチするだけである。順路に従い進む。これがボディーブリッジで、東京~札幌の世界有数の幹線路線・しかも”天下のJAL”便なので使える施設である。
地方空港やLCCではそれがない、搭乗口からヒコーキまでとんでもなく離れており、連絡バスで5分も10分も乗る事だってある。搭乗口からすぐにヒコーキに乗れる事自体が恵まれているのだ。

鉄道乗車であれば最初に必ず車両番号を確認する。編成番号とか「クモハ○○○」とか。しかし、肝心の番号が見えない。ヒコーキの場合、翼や最後部に登録番号が書いてあるが、遠すぎて見えない。
機内に入ると右側の柱に「JA008D」と書いた表札を見つけた。そこにはJAL503便を担当する機長等の氏名も。
機内に入ると目の前にあるのがファーストクラス。新幹線E5系のグランクラスに相当する座席で、とても私がこんな所に着席する”身分”ではないなぁと思った。
壁1枚隔ててあったのがクラスJの座席。窓側が2人掛け、中央が4人掛けもあるので、ヨコ1列で8人にも着席出来ることになる。これが数列。クラスJから先は普通席で、窓側は3人掛け、中央が4人掛けのようだ。タテと言うよりヨコに広い印象である。

日本航空B777-289(JA008DのクラスJ)

↑進行方向左側のクラスJ座席の写真。荷物を荷棚に収容してから着席。機内は満席。床張りのカーペットに本革の座席。座面が固めで国際線レベル(飛行時間が3時間以上)座ると、なかなかしんどいようにも感じた。低反発の座席で、E5系新幹線のように自由に移動出来る可動式マクラは存在しない。

シートピッチは確かに広い。カタログ数字では97センチでそれはJR在来線特急とほぼ同じ数字であるが、特急よりもやや短い感じもした。
これが座面がもう少し柔らかいとなかなか良い座り心地になるはずだ。背中部分は包み込むようなホールド感もあったが、ここもやや固めで物足りないホールド感と言った所。

先日乗車したJR東日本のE231系のグリーン車並みかやや広い程度。テーブルはインアーム式。肘掛けからヒモが出ているのでこれを引っ張るが、力を入れないと出す事が出来ない。

ヒコーキの発車時刻と言うのは、ドアが閉まった時刻を示す。離陸して空に浮いた瞬間が発車時刻ではないのだ。
ドアが閉まったのは7:35であった。機内では、「ドアモードをオートマチックに」と言う業務放送が飛んできた。ヒコーキのドアは列車のようにボタン操作だけで自動で開閉できるものではなく、地上の整備員が閉めて、機内の客室乗務員も必要な操作をしないといけないはずだ。これがどういう事を意味しているのか?よくわからない。わかる人がいれば、意味を解説して欲しい。
実際に動き出したのは7:38。すぐに動き出せないのもこれまたヒコーキだ。

JAL503便東京→札幌(JA008D)①

JAL503便東京→札幌(JA008D)②

↑ボディーブリッチからは後退して誘導路へ進む。

JAL503便東京→札幌(JA008D)③

↑整備員が手を振って見送る。今やこれも当たり前の光景となった。

JAL503便東京→札幌(JA008D)④

↑他社のヒコーキを見ながら滑走路へ進む。滑走路は離陸・着陸を兼用している事が多く、出発便・到着便が集中する時間帯は前者は地上の誘導路で待たされて、後者は上空で旋回しながら時間を稼ぐ。
この日はまたされる事なく、スムーズに滑走路に進入。

JAL503便東京→札幌(JA008D)5



JAL503便東京→札幌(JA008D)6



JAL503便東京→札幌(JA008D)7

↑これで滑走路に進入する事が出来たJAL503便。あとは離陸するだけだ。

JAL503便東京→札幌(JA008D)9



JAL503便東京→札幌(JA008D)10



JAL503便東京→札幌(JA008D)11

↑7:49に離陸。離陸時は大量に空気を吸って猛加速で浮き上がる。後ろから強く押された感じで、浮いたらすぐに傾斜を付けながら右旋回するが、この際の乗り心地が非常に悪い。下手をすれば乗り物酔いレベルで、気圧の関係か?瞬間的に頭痛がしてきた。

JAL503便東京→札幌(JA008D)12



JAL503便東京→札幌(JA008D)13



JAL503便東京→札幌(JA008D)14

↑東京の上空。東京スカイツリー®もしっかりと見えた。この後は茨城県を通り福島県の猪苗代、仙山線の面白山高原付近等の内陸部を飛行し、青森県の下北半島東側から海上に出て、次に陸上になるのは北海道の苫小牧付近と地図で見ても「最短経路」とわかる飛行であった。

JAL503便東京→札幌(JA008D)18

JAL503便東京→札幌(JA008D)19

↑「安全のしおり」。異常や事故が発生した時にお客が取るべき行動が書いてある。先日も報道されていたが、手荷物は一切持たずに(機内に残して置き)逃げる事が原則だ。手荷物を持つとスムーズに逃げられない、荷物が邪魔して通るスペースがなくなるからだ。
それでも手荷物の破損は困るので、JAL等の航空会社が弁償してくれるだろうが、それがカネだけで済む問題か?

JAL503便東京→札幌(JA008D)20

↑機内では通常の4G等の電波を発する事が出来ない。スマホ等には「機内モード」があって、これに設定するか電源を切るしかない。
それでもWi-Fiが機内では設置されており、JALでは無料、ANAでは有料、FDAでは存在しない・・・と航空会社によって異なる。
機内モード設定が条件で、JALのWi-Fiを設定すると(操作はそんなに難しくない)、一応はインターネット接続が出来たが、ネットブラウザは「サファリ」を使う事が条件。「Yahoo」等のブラウザは受付けていないらしい。

出て来たトップ画面が写真の通り。便名が表示されており、現時点でどこを飛行しているのか地図上で表示。
動画等のオリジナルコンテンツが充実している事が特徴で、どうやらテレビ番組をテレビ朝日等と一緒にJALが作ってそれを機内限定で見られるようにしているらしい。

JAL503便東京→札幌(JA008D)21

↑特に放送がなく、気付いたら機内サービス開始。飲料のみの提供で、コーヒーを選択。クッキー等の菓子はなく、「クラスJ」に乗っているためか?「KH8000様、お飲み物はどうされましょうか?」と呼ばれる。
どうやら座席番号と客名を確認して呼ぶらしい。ただ、サービスレベル全体は決してグレードの高いものではなく、新幹線や特急の車内販売と良い勝負と言った感じだ。

8:20頃に機長から放送が入る。具体的な上空の高さや速度の言及はない。恐らく上空1万メートル、速度約800km/h前後だろう。
8:35には降下を開始し、8:50には着陸態勢、9:05に地上へと言う予定。思ったよりも飛行時間は短く、水平飛行時間は約35分と言った所か。
新千歳の天気は雪で、気温は0度。雪により遅れる事もあると言う。

JAL503便東京→札幌(JA008D)22

↑クラスJの機内の様子。思ったよりも座席数が多い。ざっと100人位。中央の列では何もやる事がないし、外の様子も見られないので、札幌までの約90分読書等で時間つぶしするしかないだろう。
トイレを使った。思ったよりも広い。

JAL503便東京→札幌(JA008D)23

↑青森県の上空。高度が高いので晴れているが、地上は雲が広がっているため、天気は良くないだろう。

JAL503便東京→札幌(JA008D)24

JAL503便東京→札幌(JA008D)25

↑少しずつ降下を開始。8:50頃からはシートベルトを着用し、立ち上がる事も禁止される。気圧変化も感じられ、耳がツンとする。再び頭痛のような症状。
何も見えない雲の中を下がる。オートパイロットである事、地上からの計器を使って誘導しているため、着陸場所を逸脱する事はないはずだ。
しかし、9:05を過ぎても空に浮いたまま。一応飛んではいるが、どの辺をどのように飛んでいるかわからない。グルグル旋回しているわけでもない。

JAL503便東京→札幌(JA008D)着陸 27



JAL503便東京→札幌(JA008D)着陸 28



JAL503便東京→札幌(JA008D)着陸 29

↑着陸できたのは9:13であった。空港混雑のために上空で着陸出来るタイミングを見ていたようだ。
それにしてもあまりキレイに除雪していないのに、上手く着陸出来るものだ。着陸時にスリップしないのも不思議だ。
着陸時に上空から滑走路まで飛行機をうまく誘導し、着陸させる仕組みを知りたい次第だ。
新千歳も巨大空港。15番搭乗口までは誘導路を進むため、これが長い。着いたのは9:21であった。
下車時は順番がなく、好きな順番で降りる事が出来る。

日本航空B777-289(JA008D)新千歳にて

↑新千歳に着いたJAL503便。ボディーブリッチには「ROYCE」の文字。これで「ロイズ」と読む。北海道では有名な菓子や土産品で、「日高晤郎ショー」を聴いていればCMでも多数放送されているし、外回り中継やお客様プレゼントにもなっているほどなので、同番組を聴いている全国の方はどんなものか知らなくても名前くらいは聴いた事があるだろう。

・・・普通席に比べれば座席が広いクラスJ。逆に普通席の実力がわからなかったので、単純にどちらが良い・悪いの比較は出来ない。
他社になるがFDAの普通車と比べれば、確かに広い座席であるが、座り心地だけで言ってしまえば、クラスJは負ける。固いし低反発の座席だから。座席の素材を変えて柔らかくすれば、良くなるだろう。
この辺は私の感想なので、実際に搭乗した事がある人から感想を聞いてみたいと思う。

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