JR各社は2018年3月に実施するダイヤ改正の内容を公表した
JR全体で見ると、規模としては小規模。一部で特急列車名の変更が行われるが、それ以外は新車の導入による多少の速度向上や修正程度で、利用が減少している路線では大きく減便する点も目立つ内容になった。
当ブログでは、どこよりも詳しく・わかりやすく・”よその人が書かない”「独自分析の最新情勢」も入れながら説明する。
掲載する順番は、私の中で注目度の高い会社からとする。6回目は、JR四国とする。
なお、
ダイヤ改正日は2018年(平成30年)3月17日(土)である。

「平成30年3月のダイヤ改正について」(JR四国ホームページ)

↑詳しくはこちらを参照されたい。8600系、2600系の写真は撮影した事がないため、イメージ写真等は上記リンクページや画像検索で見ていただきたい。

★2600系はどうなる?

JR四国は新型気動車特急2600系が高徳線の「うずしお」で営業開始。2両×2編成しかなく、運用が固定されている。
JR四国は2600系を増備する計画がない。「絶滅危惧車両」になる事が最初から決定的になったと言える。
なぜ2600系を増備しないのか?と言うと、JR四国が求めた性能にならなかったことが理由である。土讃線で曲線走行時に空気ばね制御する際に多くの空気を消費し、空気容量が不足するためである。2600系をベースに2020年までに別の新車が出る見込みである。

2018年3月のダイヤ改正では高徳線の「うずしお」で高松~徳島で4往復/日運行し、運行列車も決まっているため、乗車や撮影計画は立てやすいだろう。

★8600系の「しおかぜ・いしづち」を増発

2600系と共通の車内設備を持っているのが、電車特急の8600系。



↑それでもJR四国における電車特急は8000系で、こちらの方が便数も多い。廃車にしているような話は聞いていないため、予讃線の高松~松山の気動車列車を電車に置き換える形で8600系にしているのが実情だ。
しかし、まだ8000系を置き換える状況にはなっていないのが実情で、これを置き換えるほどの資金力がないのもJR四国の置かれた状況だ。新車を導入するのであれば電車優先よりも気動車優先させるべきで、「しおかぜ・いしづち」に関しては当分の間は、8000系と8600系の二本立てが継続するだろう。

2018年3月のダイヤ改正では、8600系の運行列車を1往復増やす。これは2017年度中に3両1編成を増備した事により実現したもので、今後も毎年1~2編成ずつローペースで増備をしてゆくだろう。
2017年7月にはJR西日本岡山地区で試運転を実施。主に山陽線や伯備線と言った普段乗り入れしない線区が中心であったが、これは将来的な臨時列車が運行出来るようにするための訓練と思われ、定期列車としてこれら線区に乗り入れる可能性は極めて低い。

★高松地区を中心に普通列車を増発

予讃線、高徳線、土讃線で、早朝の普通列車増発、特急の一部駅の新規停車、接続改善等を行う。
内容的には細かいため、詳細は上記リンクページに譲るが、利用の多い高松地区ならではの特徴で、利用が少ない高知地区ではそのような話が聞こえてこない。

★JR四国はこれからどのように生き残るのか?

JR四国も経営状況は厳しい。徹底的な合理化で駅の無人化、列車のワンマン化、見た目2両でも後ろ車両は回送でお客を乗せず前の車両だけが営業と言う極端すぎる所まで進んでいる。
それがお客に良いように判断しているのか?と言うとそうではない。四国以外から来たお客に言わせれば、「ローカルルール」が多すぎるので、わかりにくいのが本音。例えば、有人駅であってもワンマン列車は全てのドアを開閉しない等で、現場では少なからずの混乱も見た事がある。
つまり、「JR四国の列車は使いにくい」と言う評判が簡単に拡散するし、だったら「クルマやバスが便利」となって、どんどん客離れが進む。
それはJR四国の財務諸表等の利用実態と称する「数字」を見ればわかる事だ。

JR四国も今後はJR北海道のように駅の廃止や路線廃止を検討している。表向きでは出ていないが、今のまま行けばそうなっても仕方ない。
四国は特に高速道路等の道路交通が便利で、むしろ鉄道が不便。
不便な鉄道をどのように良くするか?と言ったら、それは「攻めの経営」しかなく、それがお客のサービス向上に直結する。
JR北海道と同じだが、長編成による特急と言うよりは、短編成による特急で本数の大幅増加がないと利便向上とは言えない。
しかし、予讃線では大部分が単線で交換施設をフル活用しているため、これ以上の増発が困難。増発をするのであれば交換設備を増やすしかないが、こういうハード面の投資が出来ないのも今のJR四国。

予讃線中心の利便向上と言うのは、「選択と集中」をしている結果であることはわかるが、高松・松山と徳島・高知では同じ四国でもかなりの「格差」があるとも思った。四国全域で同じレベルにする事が理想だ。
鉄道趣味的に見ても、JR四国は本当につまらないし、乗りたい鉄道とも思えない。現場社員のお客サービス(接客態度)は悪く、愛想もない。
そして、「ローカルルール」と言う「お得意様」でないとわからない、利用方法では、そもそもJR四国を使うための”敷居”が高すぎる。この辺は近鉄や南海でも言えるが、これら2社とは何か違う。
個人的にはJR四国を積極的に使いたいとは思わない。
高速バスが便利だしサービスレベルも高いので、こちらに流れても仕方ない。
まずは、お客がJR四国を容易に使えるようにするための”敷居”を低くする事ではないか。

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