JR東海の武豊(たけとよ)線は名古屋に近いにも関わらず非電化。

大府~武豊の線内運転に加えて朝や夜には名古屋直通の区間快速

(武豊線内各駅と共和、金山停車)があり30分/本が基本。

並走する名鉄河和線はもっと本数が多く名古屋市内まで乗り換える

必要がないため、どうしても武豊線は不利となる。

気動車から排出される二酸化炭素をなくすことや東海道線の電車と

弾力的な運用をしたい理由で2010年から武豊線の電化工事を実施。

このたび完成し、今年3月1日から電車による運転開始。

3月14日にはダイヤ改正が行われ、大府で東海道線とリレーする

形で利便向上が図られるのがメインであるが、本数が極端に増える

わけではなく、日中は線内運転が基本なので名鉄との格差は多少

縮まった程度であろうか。

また、武豊線だけで実施しているJR東海の新サービスも体感する

べく昨年12月のある平日武豊線に試乗してみた。

★武豊線、313系と何も変わりのないキハ25

・・・大府は東海道線の特別快速を除く全ての列車が止まる。




↑313系と見た感じ何ら変わらないキハ25系。

違いは?と言えば、気動車なので当然パンタグラフはなく、

モーター音ではなくディーゼルエンジンの音が響く事。

今時の気動車はエンジン音が静かな車両が多いがキハ25は

最近の車両とは思えないほど音がうるさい。

JR東海ご自慢のキハ85系特急車で実績のあるカミンズ社製の

ディーゼルエンジンを搭載し最大で520馬力まで出す事が出来る。

ただ実際の運転では車両にかかる負担が大きいため450馬力に

抑えられている。異常時のみ520馬力まで出せるようになっていて

他社の気動車と比較してみたがこれだけ出せるものは少ない。

馬力数(出力数)が大きければエンジン音が大きくなるのも仕方が

ないのかもしれないが、その分パワーの強い走り、すなわち、

電車と同等の走りが可能なのだ。

キハ25はなるべく電車の313系と部品を共通化しているため、

両者を比較すると気動車・電車の違い、ワンマン設備の有無等を

除けばほとんど一緒だ。




↑車内のレイアウトや座席




↑運転台までも313系と同じなのである。

大府9:51発の522Cはキハ25-104に乗った。

気動車であっても編成記号が存在しP104編成と称していた。

気動車は1両ずつの運用が可能であるが今はほとんどが特急が

主体で日や時刻によって客数の変化が多いため中間車を連結・

切り離し、逆に運転台のある車両を中間に連結して次にある車両も

運転台付きが来ると言うデコボコな編成の形となっているものも

あるのがその証拠だ。普通列車として運行するキハ25については

そもそも中間車が存在せず元々2両1編成でペアを組んでおり、

別の編成から1両切り離してそれを他の編成に連結すると言う

面倒な事はやっていない。

つまり、キハ25で運行する列車は2・4両となる。

列車番号は522C。JR各社の共通ルールとして気動車列車の

末尾に付くのは原則D。JR東海ではワンマン列車とツーマン列車で

末尾に付くアルファベットを区別しており、Cが付くとワンマン、

Dと付くとツーマンであることが簡単にわかる。

従って522Cもワンマン。9:51に動き出しのエンジン音がうるさいほど

のハイパワーで大府を発車するとあっという間にトップスピードに。

313系と加速性能は大きく変わらないようにも感じた。

ワンマン運転にもかかわらず全てのドアが開いた。

この理由は東浦で下車してみるといろんな事がわかってきた。

2回目に続く。