八幡浜から乗った912D伊予長浜経由松山行き普通は

松山方から、キハ54-10+キハ47-174+キハ47-178

の組み合わせ。キハ54とキハ47は見た目どう見ても違うし、

併結運転する事自体不思議に感じたのであるが、両者とも国鉄形式

なので制御・ブレーキシステムは同じはずだ。

仮にそれらが違ったとしても、読み替え装置を搭載すれば併結可能。




↑松山方にキハ54




↑宇和島方にキハ47を連結。

四国のキハ47はとっくの昔に消滅していると思っていた。

まさか四国で乗れるとは思いもしなかったが、後日調べた所

松山に5両、徳島に15両が現在も所属している。

今年春から従来の予讃線である伊予大洲~伊予市間に、

「愛ある伊予灘線」と称する愛称名を付ける。

この区間を中心に走る観光列車「伊予灘ものがたり」の運行開始。

「伊予灘ものがたり」に使う車両はキハ47を2両改造する事に

しており、展望席や2人向けの対面席を設ける。

どのキハ47が「伊予灘ものがたり」に転用されるかは不明だが、

本州に住んでいる人に言わせれば、「愛ある伊予灘線」はかなり

地味な地域で遠い。こういう観光列車を走らせれば遠方からの

集客にもつながるだろう。




↑キハ54は、前と後ろだけにドアがあるため、ドア間はずっと

座席となる。スーパーロングシートであるが、数人おきに肘掛があり

区画が区切られている。




↑ワンマン運転を行うため、運賃箱が存在するが、鉄道に不慣れな

お客が多いのであろうか?両替可能な金種と場所まで書いてある。




↑キハ54とキハ47の連結付近。車内は貫通している。




↑キハ47側に入って運転台の助手席。




↑キハ47-174の車内。この奥が運転台となっているが、

運転席と助手席の真後ろは壁で塞がれている。

国鉄型車両でそうなっているのは珍しいように感じる。




↑車内はキハ47ではどこにでもあるボックス。

大きく改造された形跡がないのでほぼ原形を保っている。




↑扇風機も残されているが、カバーに書かれているJRのロゴの

色がなぜか赤くなっていた。カバーの色が色なのでJR四国の

コーポレートカラーである水色にするとかえって目立たないのであろう。

お客は5~6人程度しかいない。それでも多いと言うのは後々知る。

JR四国の普通列車では珍しく?車掌乗務の列車で八幡浜を

発車すると、特急と同じ車内チャイムが鳴る。

普通列車に車内チャイムを鳴らすとは極めて珍しい。


JR予讃線 伊予大洲駅

↑伊予大洲駅

伊予大洲までの途中駅からの乗車は皆無。この駅でお客が

乗って来るものの3~4人程度。着いたホームの反対側には

キハ185系が止まっていた。発車はまだ先のようだ。

キハ185系は特急用の車両であるが、松山周辺では普通列車と

して運用しており、運転時間帯も限定されているらしい。

伊予大洲を出て少しすると右側に別れる線路が見えた。

これが内子線で信号場となっている。予讃線はそのまま真っ直ぐと

先を進む。どの駅からも乗り降りは皆無だ。912Dは淡々と全ての

駅に止まって行く。車掌は八幡浜発車直後は最後尾の運転台に

いたが、途中からキハ54とキハ47が連結している運転台に移動し

後者側で乗務する。

伊予白滝で4911D宇和島行き普通と交換する。

伊予長浜発のこの日の一番列車であるがお客は皆無。

伊予白滝~伊予出石(いよいずし)間で海が目の前に見えてきた。

この間に愛媛県道24号線と並走する。

「愛ある伊予灘線」の線形は決して良くない。山と海が迫る

狭い場所に列車が走り、駅周辺に多少の住宅や街が形成

されているような感じだ。街と言っても本当に小規模で使うお客は

限定されているようにも見えた。


JR予讃線 伊予長浜駅


JR予讃線 伊予長浜駅

↑6:30に着いた伊予長浜から乗ったお客はゼロ。

「愛ある伊予灘線」の中では大きな駅に該当するが、ここからも

お客が乗らないとは全体的に見てお客がかなり少ない。

JR四国の駅名表は近鉄と同じように旧国名は小さく書いてある。

伊予長浜」となっているのである。

喜多灘(きたなだ)で高校生2人だけ乗せる。正月早々の朝早く

からの通学である。

喜多灘~串(くし)間で国道378号と並走する。この辺りが海が

良く見える区間で車窓的にも良いのだが、正月の四国の日の出は

遅い。6:30を過ぎても夜と変わらぬ暗さでやっと7:00頃になって

明るくなり始めてくる。当初は串かその次の下灘(しもなだ)で

降りようかと思ったが、想像するような景色が見れず断念した。

もう少し明るければ是非とも降りてみたい駅だ。

串駅は、駅が山の高い所にある。串の少し手前からの海の

眺めが良い。串~下灘間は小さな漁師町が続く。

下灘駅は列車交換自体可能な構造で、やはりホーム目の前からの

海はやはり絶景だ。暗くて遠くまで見えないのが残念だ。


JR予讃線 伊予上灘駅

↑伊予上灘(いよかみなだ)で913D宇和島行き普通と交換。

交換待ちのため912Dの方が多少長めに止まる。

3~4人程度のお客が乗り、喜多灘以来の人の動きだ。

車内の様子を見るとボックス席を好む傾向が強くキハ47の方に

お客が集中している。しかもボックスのほとんどが”占領”状態だ。

一方キハ54の方はお客が皆無。お客も賢い。ロングシートだけの

車両には最初から乗ろうとしないのである。


JR予讃線 伊予上灘~高野川

↑伊予上灘~高野川(こうのがわ)

やっと空が明るくなってきた。車窓を撮影するべくカメラを向けたが

どうしても車内の様子も写ってしまう。

ずっと海が見える車窓であったが、これは高野川まで。

高野川から先は海から離れ一気に山を貫く線形となる。

それでも山肌を縫うように進むのではなく、直線的な線形で

一気に進むのだ。


JR予讃線 高野川~向井原

↑高野川~向井原

向井原は内子線と合流する駅だ。右側から立派な高架橋の

内子線が近づいてくるとこちらも自然とそれになっていた。

向井原周辺はロードサイド店や住宅がひしめき合い、今までの

小さな漁師町が続いた店とは大幅に異なる。

一気に都市に連れてこられた感じだ。

今まで線形が悪く速度もゆっくりであったが、向井原からは速度が

上がってくる。線形も直線的になってきた。




↑伊予市では4915D伊予長浜経由八幡浜行き普通と交換。

4915Dの方はキハ32の単行で7~8人が乗っていた。

それでも多い方に私には見えた。

伊予市からは電化となる。伊予市以南に関しては内子線を含めて

全てが非電化。電化になったからと言って乗り換えとなる事は少なく

逆に電車を使用した伊予市発着も一部だがある。


JR予讃線 鳥ノ木~伊予横田

↑鳥ノ木~伊予横田


JR予讃線 北伊予駅

↑北伊予駅

北伊予は右側に進入した。1線スルー構造のホームだ。

ここまで来れば松山の郊外と言った感じでお客も「愛ある伊予灘線」

区間とは話にならない程増えてくる。


JR予讃線 北伊予~市坪

↑北伊予~市坪


JR予讃線 市坪駅

↑市坪駅

市坪駅の真ん前にあるのは松山中央公園野球場、

通称「坊ちゃんスタジアム」がある。この一帯は野球場以外に

武道館や競輪場もあるが、駅の営業形態は無人。

これらで試合やイベントがある際は松山駅から駅員が派遣される

形を取っている。

特急チャイムが八幡浜発車以来再び鳴り響くと終点松山到着の

放送が入る。チャイムがある車両は始発駅と終着駅でそれを

鳴らして放送するのが”四国の流儀”である。