11月14日(木)しずてつジャストラインの運行する路線バスで

横断中の歩行者を跳ねて死亡させる重大事故を起こした。

この日の20時頃、静岡駅発唐瀬(からせ)営業所行き

(系統番号77)が終点の営業所に着きお客を全員下車。

営業所に入庫するため、バス停を出てすぐの所を左折した所、

運転士は左右前方の状況は確認していたはずなのに、

死角から人が現れその存在に気付かず跳ねたのである。

跳ねられた人は死亡が確認され、運転士は現行犯逮捕。

同社公式ホームページに社長名で謝罪文が出ている。

なお、しずてつジャストラインは車庫や乗務員の詰所の事を

営業所と称しており、行先幕は「(営)」と表示している。


事故車両は唐瀬所属の2999(いすゞの中型2ステップ車・

1997年製KC-LR333J)である。

★右左折時に起こりがちな巻き込み事故の怖さ

・・・バスやトラックは車体そのものが大きいため、

普通車と比べれば見えない場所、すなわち「死角」が多い。

唐瀬での事故は歩行者が左前輪前方に入り込んだとなっているが、

この部分はドアミラーでしっかり見ていても死角になりやすい。

最近はクルマが来ていてもお構いなしに、道路を横断したり

横を通り抜ける歩行者や自転車が多いように感じる。

歩行者や自転車の意識としては、「クルマはしっかりと自分

(歩行者や自転車)がいることがわかっている」、

クルマが近づいてきたとしても「自分に気づけば止まってくれる」

「クルマよりも早く自分が横断・通り抜ける事が出来る」と言った

”油断”とか”過信”がかなりの部分占めるんだろうなと思う。

しかし、クルマを運転すればわかるが、意外に歩行者や自転車の

存在に直前まで気づかないもので、時間帯が夜間で黒っぽい服を

着ていたらなおさらだ。

私も先日クルマを夜運転していたら黒っぽい服を着た歩行者が

目の前を横断し近づくまで認識出来ず、危うい所だった。

ネットからいろいろ情報を拾うと唐瀬の事故も似たような状況

だったのだろうと思う。

とある掲示板では「横切る歩行者が悪い」の意見が目立ったが、

私も同感である。

「クルマは歩行者や自転車の存在に直前まで近づかないと

気付く事が出来ない」と思っていた方が良いだろう。

★しずてつジャストラインの安全対策は?

・・・結局はこういう話になる。同社のホームページの「安全報告書」

にも書いてあるし、面白い所ではWilipediaの「指差喚呼」の項目にも

書いてあるが、運転士の基本的な安全確認の動さとして、

お客が全員着席した事を認めた後、「左・前ヨシ!右ヨシ!車内ヨシ!

発車!」をする事になっている。

それがお客にもわかるようにするためか?車内放送用のマイクに

口を当てて指差喚呼する決まりらしい。

お客が居ない回送であっても、マイクは使わないと思うがこの確認は

しているはずである。

これを怠っていたのであれば問題だが、しっかりやっていたのに

巻き込み事故が起きたのであれば、ハード面で対策を施すしか

防ぎようがないと思う。

例えば、死角から人やモノが入り込んだら警報音を鳴らして知らせる、

右左折時はウインカー(方向指示器)を出すが、大型車では

「♪右(左)に曲がります。ご注意ください」と周囲に知らせるものも

広く普及している。

こういうものを搭載する必要があると私は考える。

しずてつジャストラインのバスでは、前者の搭載有無は不明だが、

後者は搭載されていない。

後者があるのは意外に少ないように見える。

静岡駅に乗り入れるバス会社ベースでみると、

これを搭載しているのは京王バス(新型三菱エアロエース)くらいで

JR東海バスやJRバス関東(JRバステックも含む)の車両では、

新型でも非搭載のはずだ。

ソフト面での対策はもちろんだが、ハード面での対策も欠かせない。

コストがかかるので各社の経営判断にゆだねる点も大きいが、

事故防止のためには是非ともかけていただきたいコストである。

・・・事故を起こした唐瀬の2999は当然だが運用からは外れて

いるはずだ。しずてつジャストラインは大きな事故をたびたび起こし、

軽度の衝突事故や接触事故ともなれば、ほぼ毎月のように起きている

のが現状である。唐瀬の事故後も信号待ちのクルマにバスが衝突

と言った事故を起こしている。

総合的な安全対策を求める。