長島ダムから大井川鐵道の路線バスで千頭に戻るつもりだったが、

長島ダムはクルマでよく来るものの、奥大井湖上(おくおおいこじょう)は

近くに駐車場がない上に、並走する県道から行くには獣道を通らない

いけないのでクルマで行く事は敬遠している。

せっかく長島ダムまで来たので、一緒に湖上まで足を足を延ばす。


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↑15:46発の接岨峡温泉行きは1時間前の井川行きと対照的に

お客がかなり少ない。井川まで行ける列車がもうない事や

接岨峡温泉に宿泊するならともかく、日帰り入浴となれば

クルマ以外の交通手段がなくなる。

千頭行きはお客がそこそこいるとしても、接岨峡温泉行き方面は

お客が減ってくる時間帯なのである。

長島ダムからこの列車に乗ったのは私だけ。

車掌に「好きな所に乗ってください」と言われ、外側のロックを

解除してやや後ろ寄りの車両に乗る。

車掌が乗ってきた所で、奥大井湖上までと帰りの千頭までの

乗車券を購入する。

渡されたきっぷは手書きによるもの。

大井川鐵道の駅名が全て書いてあり、長島ダムと奥大井湖上、

帰りの奥大井湖上と千頭の部分に○印が付いていた。

駅名の上に乗車区間が数字で書いてあり、この数字は各駅に

割り当てられたもの。

同じ車両に車掌が居るため、奥大井湖上までのきっぷはその場で

回収されて、帰りの千頭までのきっぷだけをもらう。


鉄道・ニュース等を詳しく探るブログ Monolog24-大井川鐵道 長島ダム~ひらんだ

↑長島ダム~ひらんだ

長島ダム湖が美しく傾いた陽に映し出されるのは壮観だ。


鉄道・ニュース等を詳しく探るブログ Monolog24-大井川鐵道 ひらんだ駅

↑ひらんだ駅

ひらんだは漢字で書けば「平田」となるが、普通に読めば「ひらた」と

なるため、知ってもらうためにあえてひらがな表記にしている。

ひらんだ駅周辺は川根本町で盛んなボート競技の練習場が

あると思ったが、それ以外は集落がほとんどない。

ひらんだ前後(どちらか忘れた)にあるトンネルではゆっくり走行。

トンネルの壁に井川線の四季を写しだした写真が20枚パネルで

展示しており、これをお客に見てもらうためだ。


鉄道・ニュース等を詳しく探るブログ Monolog24-大井川鐵道 ひらんだ~奥大井湖上

↑湖面の上にある大きな橋に差し掛かり右にカーブしきると

奥大井湖上に着く。元々井川線は現在の位置よりも低い所を

走行しており、旧線はダム湖の下にあるのが確認出来る。

旧線はダムが出来た事により、ダム湖に水没したのである。

15:57に着いた奥大井湖上でこの駅目当てのお客が3~4人下車。


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↑観光停車と称して5分止まる。目的地の接岨峡温泉は次駅。

観光停車する場所はこの駅と尾盛~閑蔵(かんぞう)間にある

「関の沢鉄橋」のいずれかで、どこで止まるかは駅の時刻表に

記載されている。


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↑ヘッドマークも付く井川線の車両


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↑奥大井湖上は湖の中央にある小さな島の駅。

井川方に進むとレールに並走して歩道橋がありこれを

歩けば県道に出る事も出来る。


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↑風速計(右側の白と緑のノボリ)も設置されており

湖の上なので風が抜けやすい。この時も若干風が強かった。

遊歩道の先はトンネルで井川線はこれで山を突き抜けるが、

歩行者はトンネルの上を通るような傾斜が急な階段がある。


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↑この階段を登り切ると舗装されていない砂利道を歩く。

県道まではそう遠くないはずだが、滞在時間が約40分しかなく、

そのまま行くと千頭行きに乗り遅れる恐れがあったため途中で断念。


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↑急な傾斜の階段から撮影した奥大井湖上駅付近の線路。

ちょうど駅の部分だけが島になっている事がわかる。

陽が落ちてきていたのでややひんやりとしていたが、

冷たい気持ちいい空気を浴びていると千頭行き列車が来た。

千頭→長島ダム間で乗った井川行き列車の折り返し便で、

ディーゼル機関車の次に連結している客車に乗ると動画撮影

している鉄道ファンが2人だけいた。

この2人は奥泉で降りたが、ここから千頭までは”貸切”となった。


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↑長島ダム~アプトいちしろ

客車の窓は開けたままだったので、涼しいと言うよりは寒い程の

空気が流れ込んでいた。日も暮れて月がこうこうと光っているのが

みえていた。


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↑アプトいちしろの車庫に止まるED90


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↑客車の車内。決して面積は広くない。

荷棚がないため座席に荷物を置く。

周囲に光はなく月の光が木々に覆われた井川線を映し出すのは

何とも幻想的で、これこそ列車旅の醍醐味とも言える贅沢なもので

あった。

長島ダムで多少お客が乗り、奥泉でまとまって下車があり、

沢間で1人だけ乗った以外は人の動きが何もない。

乗務員の基地がある川根両国で長島ダム→奥大井湖上間で乗った

接岨峡温泉行き列車の乗務員が降りてゆく。

どうやら送り込みのようだ。


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↑千頭からは18:01発の大井川本線金谷行きに乗り換える。

井川線からの乗り換え客が数人いた以外お客はいない。

元近鉄16000系第1編成であったが、近鉄特急にのっているかの

ような錯覚がした。大井川鐵道なのか?近鉄特急なのか?

区別がつかずどこに向かっているのかもわからない不思議な

感じであった。

駿河徳山で部活帰りの高校生、川根温泉笹間渡で温泉帰り、

家山と五和で用務客を迎えた以外お客の乗り降りはなかった。

これが大井川鐵道本線普通列車の現状で、SLの利用が多く

SLがない時間帯の普通は極端にお客が少ない。

島田市川根町や川根本町は高齢化が進行している地域で

鉄道利用も限られる。

本来は金谷まで行きたい所だが、「大井川自由キップ」は

金谷駅で下車すると無効になるため渋々1駅手前の新金谷で

下車する。近くに島田駅に向かうしずてつジャストラインの

路線バスが走っているがギリギリ間に合わないようで、

しかもそれがその日の終車なのでバスは無理。

約20分かけて金谷の街を歩き金谷駅に向かう。

不思議な感じをしたまま1日目を終えた。