千頭からは13:46発の井川行き列車に乗り、長島ダムに向かう。


車内は進行方向に向かって左側に1人掛け、右側に2人掛けの


ボックス席が配置。


どのボックスにもお客が座っている状況で千頭を発車。


千頭の街中を少し通ったかと思いきや、すぐに大井川の川沿いに


従い進んで行く。



鉄道・ニュース等を詳しく探るブログ Monolog24-大井川鐵道 川根両国駅


↑川根両国では制服を着た大井川鐵道の関係者が


お客を3人車内に誘導する。


大井川鐵道の関係者と書いたが、川根両国は無人駅。


井川線の乗務員が所属する両国列車区があり、


ホームの井川方の奥にある電気の点いた


建物がそれであった。


恐らく制服を着た関係者は駅員ではなく、


井川線の乗務員か、両国列車区の内勤者であろう。



鉄道・ニュース等を詳しく探るブログ Monolog24-大井川鐵道 川根両国~沢間


↑川根両国~沢間(さわま)


川根両国駅近くに架かるつり橋についての案内が車掌からなされ、


それが消えると木に覆われた山深い所をレールから大きな音を


軋ませながら右に左にカーブする。


線路周辺には「中部電力所有」と書いた小さな標識が


あちらこちらから見えてくる。


井川線のレール自体は中部電力が所有し、運行は大井川鐵道が


行っている形を取っている。


井川線で赤字が生じた場合は、赤字分を中部電力が補てんする


システムとなっている。


大井川流域のダムは長島ダムを除き全てが発電目的となっており、


それを発電・維持管理するために中部電力の施設が数多く存在する。


川根両国駅の周辺にもダムではないが、同社の大きな建物があり、


県道に通じる小さな道沿いには社員寮もあったりする。



鉄道・ニュース等を詳しく探るブログ Monolog24-大井川鐵道 沢間駅


↑沢間駅


乗り降りするお客はいない。井川線でそれがあるのは限られた駅と


言っても過言ではなく、大半が秘境駅若しくはそれに準じる。


ホームの高さがかなり低いのも特徴で、列車との段差がありすぎる。



鉄道・ニュース等を詳しく探るブログ Monolog24-大井川鐵道 沢間~土本


↑沢間~土本(どもと)


窓が最初から開いているので、こんな写真も撮影出来る。


今の列車は換気するために小さく窓が開く程度で、


井川線列車のように窓を大きく開ける事が出来る列車は


かなり減った。


安全上の問題や空調効率を高めるために仕方のない事であるが、


窓から入ってくる外の空気は新鮮そのものである。



鉄道・ニュース等を詳しく探るブログ Monolog24-大井川鐵道 土本駅


↑土本駅



鉄道・ニュース等を詳しく探るブログ Monolog24-大井川鐵道 土本駅


↑土本駅に通じる道路


土本駅は1991年まで駅に通じる道路がなく、完全無欠の


秘境駅であった。


道路が出来るまでは生活に必要な物資は井川線で


運んでいたと言い、同線が命綱的な重要なインフラであった。


それは今でも変わりないが、土本駅周辺には4世帯しかなく、


そのうちの3世帯が土本姓である事から、周辺に住んでいる人の


名前が駅名になったのは全国的に見ても珍しいのではないか?



鉄道・ニュース等を詳しく探るブログ Monolog24-大井川鐵道 川根小山駅


↑川根小山駅


この駅は列車交換が可能。千頭行き列車の交換待ちとなった。



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↑千頭行き列車が着く。ホームの前方には車掌が立つ。


信号が変わったことを認めると、手笛を鳴らし客車内に乗り込む。


運転士に対して手を直角に上げると小さな衝動が


起こり発車してゆく。


客車列車なので、一般的に車掌は無線で運転士に


発車の旨を伝えるが、井川線では無線は使用せず、


全て手や動作で伝えている。


車掌が取り残されるリスクはあるのでそれを考えれば無線式が


良いと思う。


全ての車両に放送用のマイクや車掌ブレーキ装置。


車内の通り抜けが出来ないので、途中駅でお客が乗ったら、


乗った車両に車掌が乗務。


次の奥泉は有人駅。客車のドアは手動のため車内にいるお客が


走行中にドアを開けないようにするために、外からロックされている。


奥泉に着くと、降りようとするお客がいる車両のロックを解除するのは


駅員と車掌の役目であった。


奥泉でまとまって降りると、次は井川線最大の見もの


アプト式区間の小さな車両基地があるアプトいちしろだ。