こんばんは。


遠江一宮から乗った819レ宮口行きは途中の豊岡で


122レ掛川行きと交換待ちのため9:54から6分停車したのち


10:00に豊岡を発車。


次の上野部(かみのべ)は1面1線の変哲もない交換不可駅だが


ホーム付近に蒸気機関車の画が描かれているのが特徴的。


天竜川のすぐ近くにありもう少し進むと浜松市天竜区に入る。


上野部駅の前後に天浜線で最も古いトンネルがあり


1930年に建設されたものだ。


当ブログをよく読んでいるみなさんはすでに気づいているかも


しれないが、桜木駅の事を書いた回で「1935年開業当時から・・・」


とある。矛盾する。開業した年はどっちなんだ?と思うはずだ。


1935年に天浜線の前身となる二俣線が掛川~遠江森


(現在の遠州森)間で運転開始している。


この5年の時間差は何なのか?と言うと上野部周辺には


1930年頃二俣線と異なる鉄道が走っていた。


その名は「光明電気鉄道」。現在の東海道線磐田から北上し


豊岡で現在の天浜線に入り、豊岡~二俣(現在の天竜二俣)間


今と同じ鉄道施設を使っていたのである。


列車の運転区間は現在の東海道線磐田~天浜線豊岡~


天浜線天竜二俣間の約20㎞で社名にあるとおり電気鉄道


なので全線電化されていた。


しかし、1936年に資金不足で送電が止められてしまい経営が


出来なくなってしまった。そしてそのまま廃線となった。


豊岡~天竜二俣間は鉄道施設をそのまま使っているが、


上野部周辺のトンネルは「光明電気鉄道」の名残とも言える


産物である。


さて、このトンネルを超えると急に線路の数が増える。


この辺からが天竜二俣駅の構内で天竜区の中心部となる。


天浜線の車両基地はこの駅の中にあり、これを含めて


多数が登録有形文化財に登録されている。


天竜二俣駅の詳細については次回のブログに譲る。


天竜二俣ではほとんどのお客が降りてしまい乗ってくるお客も


少ない。819レみたいに宮口行きとは中途半端な形もするが


ある意味重要な”火種”を抱えた行先設定でもある。


天竜二俣の2駅先は西鹿島(にしかじま)で浜松市中心部とを


結ぶ通称”赤電”こと遠州鉄道線と乗り換えが出来る。


天竜区と浜松市中心部を行き来するには鉄道であっても


バスであっても西鹿島での乗り換えが必要だ。


地元では列車を新浜松~天竜二俣間を直通する構想が


出ているが、電化の遠州鉄道線と非電化の天浜線を


直通運転すると気動車を用意しないといけない。


しかし、遠州鉄道側はこれに難色を示し天浜線の


天竜二俣~西鹿島間だけ電化して電車を天竜二俣に


乗り入れれば良いと考えるが、電化するにも費用は


莫大にかかるし、電車運転した所でお客が多く増えるのか?


と言う疑問の声が少なくない。要は費用対効果の問題だ。


この問題についてはすぐに結論が出るものではないので


今の所は列車本数が少ない天浜線の本数を増やして


対応している。天竜二俣とは逆方向に行くお客の流れは


限定的なため宮口で運転を打ち切る形だ。



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↑天竜二俣を出ると車内はご覧のとおりガラガラ。


西鹿島乗り換えで遠州鉄道線に乗るお客も多少いる


感じであった。天竜二俣からわずか1,4km進んだ


次の二俣本町(ふたまたほんまち)で降りる。



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↑二俣本町を発車する819レ。


二俣本町は1面1線の交換不可駅でやや山深い感じもする


ミステリアスな駅だ。天竜区の中心部に近いのは二俣本町で


郵便局や商店街はあるいてすぐである。



鉄道・ニュース等を詳しく探るブログ Monolog24-天竜浜名湖鉄道 二俣本町駅


↑二俣本町駅ホーム。掛川方を見る。



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↑二俣本町駅ホーム。新所原方を見る。


ホーム全体が木に覆われているのでまぶしい陽射しが


指していても暗く感じてしまう。


出口は掛川方に進んだ所にありその付近には



鉄道・ニュース等を詳しく探るブログ Monolog24-天竜浜名湖鉄道 二俣本町駅 (天使の椅子)



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↑「天使の椅子」と称する木で出来た椅子があった。


天竜は「天竜杉」ブランドで代表されるように林業が盛んだが


これを使って作った椅子なのである。


この椅子には「二俣本町駅から天竜浜名湖鉄道に乗った人が


”あたたかい気持ちになるように”と思いがこめられています。


はじめてこの町をおとずれる人たちが、この駅を忘れないで、


また来てくれるように、(てんしのいす)を大切にしてください」


と説明があった。この説明とは別にこの椅子に座ると


「幸せになれる」と書いた説明も見かけた。


座って見るととても上品な椅子だ。背もたれが高い分


体全体を包み込むような強いホールド感があり、


説明書きにあるように、”あたたかい気持ち”になれるもので


幸せを”おそそわけ”してもらったようにも感じた。


匠の技がきらりと光る作品だ。


いつまでも大切に残ってほしいものだ。



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↑木に覆われた部分に幅の長い階段がありこれを降りると


駅舎の中に入る。改札口と思われるものがあるが二俣本町は


無人駅。昔はかなり栄えた駅なんだろうなと思った。



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↑二俣本町駅の駅舎。そば店が同居している。


二俣本町駅は登録有形文化財に登録されていないが


これに登録出来るほどの価値は十分ある立派な駅だ。


二俣本町駅から道なりに歩くと大きな郵便局が見えて


国道152号線が見えてくる。


浜松市中心部からいよいよ天竜の山奥に入る所で


道路標識を見ると水窪まで47kmと出ているが、


距離の割には速く着けるもので私が過去に何回か


クルマで走った時には1時間弱で水窪まで行けた。


二俣本町駅からわずか10分で天竜二俣駅に戻る。