こんにちは。


3月23日(土)からSuica等の交通系IC乗車券カードの


全国相互利用サービスが開始した。


今まではSuicaの場合交通系IC乗車券カードで利用できる


JR線はどこでも使えたが、京阪・近鉄・阪急等の


関西私鉄線では乗る事が出来なかった。


3月23日(土)からもSuicaでも関西私鉄線で
も使えるようになり、


遠州鉄道や富山地方鉄道等独自系IC乗車券カードを採用している


一部の地方私鉄・バス会社を除き1枚のカードでどの鉄道会社でも


使えるようになっている。


だが、我々が交通系ICカード乗車券を使う上で注意しないと


いけないのが、同じ鉄道会社でも使える路線と使えない路線が


存在する事だ。JR東日本の路線だからと言って全部でSuicaが


使えると言うわけではない。例えば岩手県や長野県内では


使える路線自体が存在しない。(「モバイルSuica」が利用できる


新幹線は考えない事とする



あくまでも、各交通系IC乗車券カードは利用可能な


エリア内のみで
使えるもので、1駅でもエリア外に出てしまうと


使えなくなってしまう。



使える区間の駅から乗車し、使えない区間の駅で降りる場合、


若しくは乗車駅も降車駅も使えるが途中で使えない区間に


乗る場合(例えば東海道線小田原~三島間で乗車する場合等)


降車駅で全額現金で運賃を支払わないといけない。


しかも、その状態では次回使えないので使えるように駅で


処理してもらう必要も出てくる。


要するに、面倒くさい話になってくるのである。


交通系IC乗車券カードは「全線で使える」と思っているお客も


非常に多く、そもそもこれを使って鉄道に乗る場合には


事前に乗る駅・通る区間・降りる駅の全てで使えるか?


よく調べた上で乗るようにしたい。


・・・エリア外の駅に行ってしまった場合、有人駅は必要な運賃を


駅で支払う事になる


一概に言えないが無人駅では、ワンマン列車の場合運賃は


運転席近くの運賃箱に、車掌が居る場合は車掌に運賃を


渡す事になっているが、車内で支払う場合列車の運行に


遅れが生じるケースがある。1人だけならば遅れたとしても


数分だが、これが何十人いたらどうだろうか?


実際にこの事が昨日起きた。


JR東海の飯田線は豊橋~豊川間に限り交通系IC乗車券カードが


使えるが、豊川~辰野間では使う事が出来ない。


2012年3月のダイヤ改正から飯田線では中部天竜~天竜峡


以外では
ワンマン運転となっている。


JR東海の場合列車番号を見ればすぐにワンマンの有無がわかり、


電車列車では「G」、気動車列車では「C」が付けばワンマンだ。


昨日の521Gすなわち豊橋11:42発の本長篠行き普通で


まず、東新町で降りようとしたお客が4人その先の茶臼山


(ちゃううすやま)で降りようとしたお客16人の合計20人が


交通系IC乗車券カードのエリア内から乗車しこれで運賃を


支払うと申し出たと言う。当然使えないので唯一の乗務員で


ある運転士は1人ずつに乗車駅と経路を聞いた上で


運賃を調べて収受したがこの作業に手間取ったため


521Gは1時間30分も遅れた。


飯田線は交通系IC乗車券カードが使えない区間は全て単線なので


列車交換の関係から他の列車にも50分~1時間25分程度の


遅れが出る事態になった。


・・・ただ単純に運賃収受するのであれば遅れは出ても


1時間30分も遅れる事はなずない。


ここには運転士はお客1人ずつに乗車駅と経路を聞いた上で


運賃額を算出したとあるが、それをやる以前にお客に


交通系IC乗車券カード今降りようとしている駅では使えない


事を説明した上で納得してもらわないといけない。


しかし、お客もバカでこの理屈がわからない人が実に多い。


「JRならばどこでも使えるんでしょ?


と思っているが、上記でも申し上げた通り、同じJRの会社でも


使える区間と使えない区間が存在する事はよく知っておかないと


いけない。


・・・なぜ同じJRの会社でも使える区間と使えない区間が


存在するのか?


今回の件が起きた飯田線では豊川を境に南側(豊橋)は


使えるのに、北側(飯田・辰野側)では使えないのか?


使える・使えないの境を決定するのは各鉄道会社の経営判断に


よる所が大きく、要はお客の多い区間は使えるが少ない区間は


使えないとするのが目立つ。簡易タイプの交通系IC乗車券カード


改札機でも1台数百万円はかかるしこれを維持して行くには


それなりのコストも必要だ。お客が多いなら設置費・維持費が


ペイできるが、少ないとペイどころが路線存続すら


難しい所少なくない。飯田線もその1つで今年4月からは


多くの有人駅が無人化する事になっており決して経営的に


見ればラクではない。


交通系IC乗車券カードは改札機にかざすと瞬時に乗車区間の


運賃額出てきてカードから引き去る仕組みだが、乗車区間の


運賃額は事前に改札機に記憶しておかないといけない。


詳しい事はわからないが、以前聞いた所ではJR東日本の


首都圏Suicaエリアではそのパターンが数億になると言う。


簡単に考えれば、乗り入れ運転する関係で東京メトロ等の


私鉄線の駅も含まれ約1,000の駅が対象だ。


1駅から1,000パターンで、それが1,000駅もある。


すなわち1,000×1,000=答えのパターンの運賃を


記憶する必要があると私は思っている。


この辺詳しい事はわからないので、知っている方がいたら


教えてくださりたいと思う。


つまり、数十億・数兆通りの運賃額を改札機が記憶できる技術が


まだ確立されていないらしいので利用区間を制限している。


これ以外にも「きっぷのルール」も絡んでくるので、


容易にJR全線で交通系IC乗車券カードが使えるように


ならないのである。


しつこく繰り返すが、乗る前に、実際に乗る駅・途中通る区間・


降りる駅の全てで交通系IC乗車券カードが使えるか?


よく調べた上で乗るようにしたい。