こんばんは。


JR西日本は先日2017年度までの経営計画を明らかにした。


JR東日本のそれみたいに詳しくは読み解かないが、


ここで気になる内容として、大阪環状線(以下、「環状線」と略)と


広島地区への新車投入すると書いてあった。



イキルワケ


↑岡山・広島・山口県内のJR西日本の路線で走る


車両は一部を除きJR発足後に新造した車両はない。


すなわちほとんどが国鉄から受け継いだ国鉄型で


経年が30年以上たった「30年選手」「40年選手」が


主力中の主力である。


登場当時のままではなく、大阪周辺で走る223系と同じ


車内内装にしたり、30年・40年使えるように改造工事を


施しているが、それは見た目に過ぎず、国鉄型車両と言う


事実に何ら変わりはない。


鉄道ファンの間ではJR西日本なのにJR西日本製造の車両が


ほとんどない事から「國鐵廣嶋」(こくてつひろしま・漢字も難しく


表現
)と揶揄(やゆ)されているが、この状態は今も続いている。



イキルワケ


↑最近は塗装を黄色一色にしている。これは単に経費削減の


ための対策で鋼鉄製の車両を対象にJR西日本全域で実施


しているが、これを「末期色」とも揶揄されているくらいだ。


「國鐵廣嶋」に関しては以前も当ブログで書いたが、


この状態がもう10年近く続くかと思いきや、


JR西日本もやっと?重い腰を上げた。


2017年度までに少なくても1両は広島地区にJR西日本製造の


新型車両を入れるようだ。


これはウワサだが、223系を大阪から移籍させるのではなく


広島向けに車両を新たに新造させて走らせるという。


223系を移籍させない理由としては、広島地区の特性に


合わないことが原因で、山陽線の瀬野~八本松間の


連続25‰勾配区間通称「セノハチ」で運用するのに223系では


電動車の比率や出力数の関係から連続勾配を昇り降り出来て


しかもそれを毎日今後何十年も繰り返し行うのでそれに


耐えられるか?
考えればオールモハ(全車両電動車)の


225系の方が「セノハチ」にも耐えられる体力を最初から


備えているので
「適任」と判断したのかもしれない。


さらに225系は1両で全ての電車システムを兼ね備えており


何らかの理由で中間車(モハ・中間電動車)を運転台改造


(クモハ・制御電動車)にするのが容易に出来るのも理由として


あるだろう。


ただ、225系と言う話は山陽線や直通運転を実施している


呉線、可部線、赤穂線に限った事と見る。


小野田線や宇部線等電化しているが山陽線との直通運転がなく


電車運転しているのであれば225系を最初から入れるのではなく


ローカル電化向けの車両である125系を入れた方が適任だ。


223系はそのまま大阪に残り、225系に準じた改造を行う


かもしれないが、225系が大阪で第一勢力になる可能性は


低いと私は見る。225系は大阪で増えたとしても国鉄型の


113系や117系、後術する環状線の103系や201系の


置き換え分程度になるだろう。


逆に岡山・広島・下関では車両を新しくする必要があるので


こちらに225系を重点的に投入する図式が今回の経営計画


から見えてきた。


この見方がハズレになる可能性は十分あるが223系が


これらに移籍する可能性は低いと見る。



イキルワケ


↑写真は大和路線(奈良)の103系だが、環状線でも


一体的に運用されているので”他人事”とは言えないだろう。


環状線、大和路線、阪和線では40年以上走っている103系が


多数残るがこれに関してもJR西日本は引退が近い事を


匂わせている。具体的にはやはり書いていないが純粋に


環状線の中をグルグル走る車両に関しても新車への置き換えを


示唆している。以前もこの種の事を書いた事があるらしいが


フタを開けてみたらJR京都・神戸線で不要になった201系を


移籍させたというインチキもやっているので、同じ手法で


学研都市線に321系を新造投入して不要になった207系を


環状線等に走らせる・・・事も否定はできない。


ここで難しいのがどの車両になるか?



イキルワケ



イキルワケ


↑ご覧のとおり車内は転換クロスシート(以下、「転クロ」と略)に


なっており、昼間は閑散としている環状線も朝や晩のラッシュ時は


”殺人的混雑”となるので、とてもでないが3ドア転クロの225系を


走らせることは出来ない。JR西日本もバカではないのでその事は


知っているはずだ。


しかし、JR西日本は
経営計画で「225系を投入」と書いて


あるので、これは和歌山・奈良方面の快速をさらに環状線にも


直通運転させるのか?純粋なグルグル回る車両も225系に


するのか?その意図は不明だ。


考えられるのはこういう事。



イキルワケ



イキルワケ


↑転クロ主体のJR東海313系にもロングがあるのと同じ理屈で


225系もロングにしてしまうと言う発想だ。


メリットとしては、座席を転クロからロングに変更するだけなので


走行性能や寸法等は225系の図面をそのまま使える。


だから車両製造コストは純粋に最初から別形式を作ったり


数の少ない321系を作るよりはコストダウンが出来る点だ。


一方でデメリットは、転クロからロングに変更するので座席と窓枠が


合わない(窓割が合わない)、乗せる事の出来るお客が103系


よりも減る、
ドア数も3ドアのままになる可能性が高いと言う事だ。


これを4ドアにすれば図面書き換えとなりその分コストアップに


つながるのでコストダウン効果はやや薄くなる。


(321系を作るよりははるかに安いと思うが)


3ドアのままだがドアの面積を広げて座席数を減らす「ワイドドア」


にする可能性も否定できないが、それでも4ドアには勝てない。


詳しくは不明だが将来的に環状線各駅にホームドア設置となれば


ドア数を合わせる必要があるので、そうなれば快速が3ドアで


ある中グルグル回る車両も合わせざるを得なくなる。


そうなれば、グルグル回る車両も3ドアはありうる話だ。


混雑緩和のためには本数増発くらいしかないが、現状では


すでに限界なくらいラッシュ時は走っているので難しい。


快速の3ドア転クロの本数がある程度あっても運べるお客の


数に限界はあるので、グルグル回る環状線列車の混雑は


今よりもひどくなることは確実だ。


京阪5000系のようにラッシュ時だけドア数が増える”芸”を


やれば話は別だが、JR西日本はそういう面倒な事は


やらないだろう。


混雑緩和のためにはお客を捨てるしかない。


御堂筋線等の地下鉄にお客を流出させる以外方法はないと思う。


従って、環状線に225系となれば3ドアの可能性が高いが


4ドアになる可能性も否定できない。この辺は今後のJR西日本の


動向を見ないと何とも言えない。