私は毎日、明るい未来を想像する。
今日、どんなにがっかりするようなことがあったとしても、一晩眠れば確かに明日がやってくる。明日がどんな日になるのかはわからないけれども、今日よりも良い日にしたいと願う。
薄暗い自分の中にも、そんな前向きな部分が確かにある。

この地球には65億人の人間が存在している。
みな同じ「人間」という名前だけれども、その姿形や能力やこころの中は、人それぞれまるで違っている。
見た目が綺麗で頭もスマートな女の子もいれば、
私のように石のようにひんやりとして無口な女もいる。

素敵でスマートな女の子と、私との間には、どれくらいの差があるのだろう。
素敵な女の子を見るたびに、自然と測ってしまう。
その子と自分を比較して、自分になにが足りないのかを考えたところで、その子のようになれるわけではないのに。
彼女がいくら素敵だからといって、まるで物を買うみたいに、その輝きだけを手に入れることはできないのだ。
私は、私なりに輝けるようになんとかするしかない。
そうすれば、それなりに輝くことはできるだろう。

私は、美しいものや強いものは何でも欲しくなってしまう。
けれども、欲しいと思った対象が人間だった場合は、相手を自分のものにすることはできないから、辛い。ときどき、そんな気持ちをどうしたらよいのかわからなくなって、混乱してしまう。
けれども、人間は様々な側面をもった生き物だ。
ほかのひとに見せている部分は、ほんの一部分の綺麗なところだけなのだという気もする。どんなに素晴らしく見える人も、一皮脱いでしまえば、皆同じようなものなのかもしれない。
だから、憧れたり、手に入れたりする価値などないのかもしれない。
そんなふうに考えてしまうと、少し淋しい。だからこの先、がっかりしたり、振られることがあっても、何度でも誰かに憧れるだろう。

以前、よく通っていたカフェを、数年ぶりに訪ねた。
ここのお店で出してくれる温かくてスパイスの香りがするチャイが大好きだ。
冷たいコンクリートの壁と、大きな木の扉のぬくもり。
流れる音楽と、壁に並べられた古いサブカルチャー雑誌が、すべて変わらないでそのままだった。まるでそこだけ時間が止まったみたいに。

ソファに座りこむと、もう一歩も動けなくなって、窓の外を雪が舞っているのをじっと見つめたり、人が往来するのをただ眺めたりする。

古い雑誌の中の女の子たちは、東京で自分達だけの生活を謳歌していた。自分の彼氏について、仕事について、好きなファッションや音楽について、いろんなことを言っている。
私は彼女たちの言葉に、静かに耳を傾ける。
長い時を経て、私に語りかけてくる言葉たち。

私の知らない街で、知らない人と生活する女の子たちは、過去も未来もないようで、自由でいいなと憧れる。私は昔のまま、同じ人と同じようなことをして、同じ場所をぐるぐる回っている。それがときどき、少し辛くなるのかなと思う。


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色鉛筆でひたすら手を動かしてたら

生まれてきた謎の人・・・