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「手抜き=効率的」震災後、カット野菜がプラス評価
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袋の表面に各野菜の産地を明記。QRコードでも情報公開(写真:産経新聞)



 単身者や共働き世帯の増加で、カット野菜市場が拡大している。包丁、まな板を使わない“手抜き料理”のイメージが強いが、東日本大震災後、料理にも時短やエコを重視する意識が高まり、「手抜き=効率的」とプラス評価に見直されてきた。メーカー側では生産地や商品検査結果の公開、屋内工場生産をアピールすることで放射能リスクに敏感になっている母親の心もつかむ。一方、OL層に人気のカフェでは、しゃれたカット野菜メニューが登場するなどイメージが様変わりしている。(重松明子)



 「便利でラク。洗い物も減るし生ごみも出ない。使ってみて驚いた」と語るのは、「スピードクッキング」レシピ制作チーフの小坂くに子さん。ウェブサイトで、1品15分以内で作れる約1500の料理レシピを公開しているが、このほど初めてカット野菜を使ったメニューを開発した。8月下旬から今月30日までの期間限定で、銀座(中央区)「プルーカフェ」で提供されている。



 材料は、雪国まいたけのカット野菜「雪国やさい革命」5商品。キノコ&キャベツミックスでつくるカマンベール煮(580円)、キノコ&ニラもやしミックスでタイ風カレースープ(831円)、キノコ&白菜ミックスで野菜たっぷりのベーコンクリームパスタ(831円)など、調理時間10分とは思えない料理が並ぶ。



 パスタをゆでるついでに、鍋にカット野菜を入れるだけで健康的な具に-など手軽なアイデアが満載だ。多忙な働く女性の“1人飯”利用が多い同店では、「メニューに注目していらっしゃる新規客も目立っている」という。



 このプロモーションを展開中の雪国やさい革命は、一昨年の発売当初1日5千袋だった販売数が2年足らずで20倍の10万袋に急成長した。「キノコを大量に入れたことで先行商品との差別化を図れた。キノコやモヤシは屋内工場生産で放射能汚染の心配もなく、震災後の安心安全を求める声にも応えられる」と佐竹右行上席執行役員。最近のカット野菜は各素材の産地をパックに印字しているものが多いが、さらにQRコードで残留農薬検査などの結果が確認でき、生産農家まで履歴がたどれる仕組みも作った。



 しかし発売前は流通小売業者から「カット野菜は日本に根付かない」とクギを刺されたという。手抜きのイメージ、安全性への不安とともに割高感が敬遠される主要因だったというが、「キノコで培った大量生産技術を反映させ、野菜単品で買うよりも割安な価格が実現できた」。佐竹さんが胸を張る価格は約200グラム入りで78~128円。スーパーだけでなくセブン-イレブンでも本州ほぼ全店で販売され、若者や高齢世帯への浸透も図られているという。



 一方、キユーピーの子会社でカット野菜専門のサラダクラブの売り上げは、平成11年の創業以来右肩上がりを続け昨年は117億円。「簡便性ニーズが増え続けてきた結果。売り場も拡大し、最近はカット野菜だけで幅2メートルの棚を設けているスーパーもある」と広報担当。約100グラム100円前後の商品が主力だが、旬や彩りにこだわり200円前後と“高級”な「お家で作るごちそうサラダ」シリーズが伸びているそうだ。



 前出の小坂さんは「震災後、時短料理のレシピが不自由な被災地で役立ち、国民が節電を強いられるなかで効率的な調理が見直された。カット野菜はそんな意識の変化に合致する」と指摘する。



 とはいえ、昨今の健康・ダイエット志向のなかでも、野菜が足りていない国民が多いという実態もある。成人1日平均の野菜摂取量は295グラムで、国の目標値の350グラム以上に及ばない。特に20代は242グラムと全世代中最低で、日本の将来が心配になってくる(21年国民健康・栄養調査)。ナスやキュウリの1本でも100グラム程度はとれるものだが、難しいのか。



 国民の健康と医療費抑制の観点からも、菜食を促す手軽な商品が普及してほしい…って、大げさ?



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