タコは吸盤の付いた8本の足を持つ軟体動物で、主に海底の岩場などに生息しています。古くから食用とされており、弥生時代の遺跡からは漁に使った壺と思われる土器も出土されました。低脂肪高タンパクな肉質で、旨みの元となるアスパラギン酸やグルタミン酸などのアミノ酸を豊富に含んでいる他、肝臓の働きを促す作用や血中コレステロールを下げて動脈硬化などを予防するタウリンの含有率が高いことが広く知られています。その形状から多くの人が「頭」と認識している部分は実は胴体で中には内臓が詰まっており、胴体の下に頭、その下に足と独特なスタイルが特徴です。

 

 

 

意外に少ないタコを食べる国

 

 

世界には200~250種類もの種類があり、タコ焼きを始めお刺身やおでんの具材など、私たちの身近な食材となっていますが、世界で食用にしている国はあまり多くないことをご存知でしょうか。食用としている国は日本以外のアジアでは韓国や台湾、ベトナム、シンガポールなどで、ヨーロッパではスペインやフランス、イタリア、アメリカではメキシコやアルゼンチンなど、世界でも20か国ぐらいしかありません。中東地域では宗教上の理由から、ヨーロッパでもイギリスやドイツなどでは「デビルフィッシュ」と呼ばれて食用にはなっていません。世界的に見ても少数派ですが、中でも日本は全世界の漁獲量の3分の2を消費するタコ好き国として知られています。