仕事や家事で日々忙しく過ごしていると、日頃の疲れがどんどん蓄積されていきますよね。
疲れている上に体を動かすのは億劫だと感じる人もいると思いますが、こういうときこそ適度な運動を取り入れてみましょう。
体を動かしたほうが、心身の疲れも回復しやすいと言われています。
疲れたときこそ運動!をぜひ実践してみましょう。
積極的休養が疲労回復のカギ
![ストレッチ](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/4/5/0/1/3/8/stretch.jpg)
クールダウンは疲労回復の鍵
スポーツ現場ではすでに多くのところで取り入れられている「アクティブレスト」。
日本語では積極的休養と呼び、疲れたときにあえて体を適度に動かして血流を良くし、疲労回復を早める考え方です。
一般的によく知られているのは、運動の後に行うクールダウンでしょう。
クールダウンを行う理由としては、運動中に発生した疲労物質をすばやく分解し、代謝を促すようにするため、
ダメージを受けた筋肉の再生を促すため、一過性の脳貧血を予防するため、といったことが考えられます。
メインの運動後に軽いジョギングやウオーキング、ストレッチなどを行って、急に血流が落ちないようにすることで、疲労状態から回復することを目的としています。
体の疲れにも種類がある
![立ち仕事](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/4/5/0/1/3/8/work.jpg)
疲労にはさまざまな種類がある
スポーツを行う、肉体労働をするなど、体を使ってクタクタになるという疲れは、疲労物質が筋肉内にとどまり、うまく代謝できていない時に感じられます。
また筋肉痛は筋肉が伸び縮みを繰り返すことで小さなキズができ、それを修復する過程で起こる生理現象です。
そのため、先に挙げたクールダウンのように、血流を良くして疲労物質を分解・代謝させることが大事になります。
一方で体をあまり動かさないことによる疲れもあります。
たとえば、仕事で同じ姿勢を長く続けていたり、接客などで長時間立ちっぱなしの状態が続いたりすると、血液循環が悪くなります。
すると体のだるさや疲労感を感じ、筋肉が硬くなることによる肩こりや腰痛、冷え性、筋緊張性の頭痛などさまざまな症状も起こります。
体を動かすと血流が良くなる!
ここまででピンときた方も多いと思いますが、体を動かした疲労、動かさなかった疲労、どちらにも共通するポイントが「血流」です。血流が良くなると…
- 筋肉内にたまった疲労物質を早く代謝することができる
- 傷んだ筋肉の修復を早める
- 筋肉が硬くなってしまうのを防ぐ
- むくみなどを解消する
- 酸素と栄養素を体の隅々まで運び、二酸化炭素と老廃物を分解するサイクルが速まる
といったことが考えられます。
血流を良くする適度な運動は、どちらの疲労にも大きな回復効果が期待できるのです。
また、運動によって酸素と二酸化炭素のガス交換も活発となり、脳にフレッシュな酸素がいきわたると頭がスッキリして気持ちもリフレッシュします。
運動をするといいアイデアが思いついたり、気持ちが明るくなったりするのは、脳への酸素供給によって、より活性化されるからと考えられています。
適度な運動が疲れを解消
![犬の散歩](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/4/5/0/1/3/8/dog.jpg)
犬の散歩も立派な運動に
疲れたなと感じたら積極的に体を動かすようにしてみましょう。
近所を軽くウオーキングする、ゆっくりとストレッチを行うといったことでも構いませんし、近くにプールがあれば、泳ぐことも立派なアクティブレストの一つです。
特に水中では浮力と水圧が体にかかり、心地よい運動でもかなりエネルギーを消費し、血流が促されます。
どの運動においても気をつけたいのは、息が切れるほどの運動ではなく、隣の人と楽しく会話できる程度の適度な運動であること。
疲れをとるための運動が、さらなる肉体的な疲労度を増すことのないように、心地よい程度に体を動かすようにしましょう。
長時間のフライトの際に問題となるエコノミークラス症候群も、体を動かさないことによる血行不良が大きな要因となっています(参考ページ:血行不良の足に……むくみ解消エクササイズ)。体を動かさないことは、やはり健康には良くないのです。
疲れたからといって部屋でごろ寝をしてしまうのは、さらなる疲労の元。
ほんの少し意識するだけでもずいぶん疲労感が変わってきますので、ぜひ積極的に適度な運動を心がけてみてくださいね。
運動と健康ガイド 西村 典子