猫の栄養学講座 炭水化物 | タッキのブログ

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猫には猫に必要な栄養素があります。

猫の栄養学を勉強して、正しい食事を与えましょう。

猫の栄養学講座3回目は「炭水化物」です。

キャットフードに含まれている炭水化物、肉食の猫にとって必要なものでしょうか?


炭水化物とは?

多くは植物材料から得られる栄養素で、糖質と繊維質で構成されています。


糖質は体のエネルギー源として、また繊維質は消化器の機能を正常に保ちます。

人間は肉だけ食べていると、エネルギー源であるブドウ糖=グルコースが不足してしまうので、炭水化物を摂る必要があります。

糖質は人間にとっては非常に重要で、厚生労働省は人のエネルギー源の半分以上を糖質から摂ることを推奨しています。


炭水化物を摂りすぎると…

余分なエネルギーとして分解されて、脂肪や糖に変わり貯蔵されるので肥満の原因となります。

猫は糖質の消化・吸収が不得意

炭水化物の糖質は、デンプンやブドウ糖などです。
ブドウ糖はそのまま吸収されますが、デンプンは加熱調理しブドウ糖に換えなければ猫は消化吸収することができません。
猫は犬よりもデンプンの消化吸収能力が2.5倍も劣り、たんぱく質・脂質・複合炭水化物を含む様々な食べ物の消化を助ける消化酵素である膵酵素(アミラーゼ)も犬の方が3倍高く、また猫の小腸は炭水化物の吸収速度を調節することができません。
猫の場合、糖質からのエネルギー摂取量は総エネルギーの半分以下が好ましいとされています。

食物繊維

食物繊維は猫の体内の消化酵素では分解されず、大腸で整腸作用を行います。
毛球ケアのフードには多めの食物繊維が含まれていることはご承知の通りです。
キャットフード(ドライ)には2%~の繊維質が含まれています。毛球ケアのフードには7%以上も含まれています。
動物病院で処方される療法食には、下痢の時用、また肥満対策用として繊維質が20%を超えるフードも用意されています。

猫に炭水化物は必要か?

炭水化物は肉食獣である猫にとって、人ほど重要な栄養素ではありません。

猫にとっての必要なエネルギー源は、タンパク質と脂肪から得られます。
だからといって、炭水化物が全く必要ないかというとそうでもなく、例えば野外で自給している猫はネズミなどの小さなほ乳類を捕まえたときに頭からシッポまで丸ごと食べます。
もし、ネズミが穀物を食べていれば、ネズミの腸の中には未消化の穀物(炭水化物)があり、それも猫のお腹に入るわけです。
このように自然界では、必要な栄養素を様々な形で体に取り込むことができる仕組みに成っていますので、肉食からだけでは得られないビタミンやミネラルなどの微妙な割合の栄養素を補うために、炭水化物は猫にも有効だと考えられています。

キャットフードに配合されている炭水化物は?

炭水化物は、キャットフード(ドライ)にかなりの割合で配合されています。
ペットフード工業界 のペットフード公正取引協議会がまとめた原料分類表によるとペットフードには下記の炭水化物が使われています


原材料/分類名
原材料/個別名
定義
穀類
とうもろこし(メイズ、コーン)、マイロ(グレーンソルガム)、小麦、大麦、玄米、エン麦(オート) 等
小麦粉、パン粉、米粉、コーンフラワー、オートミール 等
全ての穀類の穀粒、挽き割り、穀粉及びその加工物
でん粉類
コーンスターチ、ポテトスターチ、タピオカ(キャッサバ)スターチ 等
さつまいも、馬鈴薯、こんにゃく 等
全ての種類のでん粉、及びいも類などのでん粉原料、多糖類原料
糟糠類
米糠、小麦ふすま、小麦胚芽、大麦糠、グルテンフィード 等
穀類の精白、製粉時の副生物、及びその加工物・製造粕類
糖類
砂糖、ぶどう糖(グルコース)、果糖(フラクトース)、異性化糖、オリゴ糖類、水飴、シロップ、糖蜜、蜂蜜 等
全ての種類の糖質、糖質高濃度含有物、及びその加工物

キャットフードに含まれる炭水化物の割合

多くのメーカーのフードの袋には炭水化物の割合(%)は記載されていません。
※ロイヤルカナン社のフードはデンプン量の割合を掲載,、日本ヒルズ・コルゲート(株)のサイエンスダイエットは乾物量分析値を公表しています。


蛋白質量・脂肪量・水分・繊維質量・灰分が分かればおおよその炭水化物の割合を算出することができますので、日本でもポピュラーなプレミアムフードメーカーのキャットフードの炭水化物量を計算してみました。


また、ペットフード工業界が定めている「ペットフードの必要な表示」では、原材料名は使用量の多い順に記載するよう定められています。
下記の表のフードにはそれぞれ最初に記載されている原材料も掲載しました。


日本でポピュラーなプレミアムフード
炭水化物の割合
一番多く含まれている原材料
サイエンス・ダイエット<プロ>アダルト
38.2%(乾物量分析値)
穀類(米、トウモロコシ)
サイエンス・ダイエット ヘアボールコントロール(アダルト成猫用総合栄養食)
30.3%(乾物量分析値)
穀類(米、トウモロコシ)
アイムス成猫用 1歳 - 6歳 チキン味
27%(ガイドの計算)
トウモロコシ粉
アイムス毛玉ケア 成猫用 1歳 - 6歳 チキン味
22%(ガイドの計算)
チキン(鶏副産物および正肉)
ロイヤルカナン フィット32 標準的な猫用
デンプン 27.9% 家禽*ミート(*鶏、七面鳥などヒトの食用に飼育されている鳥類)
ロイヤルカナン フィット32 標準的な猫用
デンプン 20.9% 家禽*ミート(*鶏、七面鳥などヒトの食用に飼育されている鳥類)
ナチュラルバランス ウルトラプレミアム キャットフード
29%(ガイドの計算) チキンミール


ペットフードに炭水化物が利用されている背景には、製造コストの問題があるかもしれませんが、最初に書いたように自然界で自給している猫は小さなほ乳類や昆虫を丸ごと、それも死肉ではなく生で体に取り込まなければ栄養素を満たすことができません。
人間が肉を調理して与えたとしても、死肉からはグルコース(ブドウ糖)を得ることができません。

キャットフードは、穀物などの炭水化物を加工調理し微量の様々な栄養素を補っています。

キャットフードに含まれる炭水化物については、35%以上の炭水化物を含むフードでも猫には問題がない、というものもあれば、炭水化物を摂りすぎると泌尿器系の問題や食物アレルギーを引き起こす可能性が高い、という論文もあります。
ただ今回炭水化物を取り上げるにあたり、かなりの文献に目を通しましたが、キャットフードに含まれている炭水化物が猫にとって完全に不必要である、としているものを探すことはできませんでした。

我が家の猫たちは生まれてからずっとキャットフードを主食にしてきていて、特に問題を感じたことがありませんが、猫の消化吸収にあわせた適切に加工されていない炭水化物がたくさん含まれているキャットフードは猫に適した良い食事とは言えないでしょう。

猫の食性をきちんと研究している会社の良い材料で作られたフードを選びたいものです。

キャットフードについては、別の記事で取り上げる予定でいますので、それまでに新しい文献を探してみようと思っています。



この記事の担当ガイド    All Aboutより転載





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